家事動線が良い間取りにするためには？家事別のポイントや実例を詳しく紹介

【目次】

マイホームを建てる際に意識したいのが、家事動線に配慮した間取り設計です。家事動線が良くなると、ちょっとした家事や日々の動作もスムーズになり、生活の快適度も驚くほど向上します。

しかし、家事をラクにできる間取りを自力で考えるのはなかなか難しいかもしれません。そこで本記事では、家事動線が良い間取りを設計するために知っておきたいポイントや注意点をわかりやすく解説します。

家事動線が良い間取りにする基本

家事動線が良い間取りと聞くと、どのような家をイメージできるでしょうか。一般的には以下の要素を含んだ住宅が良い間取りとされています。

• 階段や段差の上り下りや立つ・座るなど「縦」の行動を軽減できる間取り
• 室内や廊下を頻繁に移動する「横」の動きを軽減できる間取り
• 家事をスムーズにできるような家具配置が取られている間取り

これらを意識して間取りを組むと、家事効率は格段にアップするでしょう。まずは日々の動きや負担となる部分をイメージしながら、カットできる部分がないかを探ってみるのがおすすめです。

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家事別に解説！快適な動線作りのポイント

ここからは、具体的な家事に分けて動線作りのポイントをチェックしていきましょう。

効率化の効果を感じやすい「キッチン」と「ランドリー」に絞ってここでは紹介します。

料理をするときの家事動線

キッチンでの炊事を効率化したい場合は、アイランドキッチンを検討してみてはいかがでしょうか。アイランドキッチンは壁に面してキッチンスペースを設置しないスタイルのため、動作を遮るものがなく、スムーズに調理ができます。

たとえば、家族で分担しながら調理や配膳・お皿洗いをする場合や、ゲストを招いて談笑しながら料理をしたいときに役立つでしょう。

効率化を意識した間取りでは、壁付のカウンターキッチンもよく採用されているものの、回遊性の面ではアイランドキッチンのほうが優れています。

一方で、アイランドキッチンは収納スペースが周囲に見えてしまう点がネックになる場合があります。その際は、パントリーや大型収納棚を背面に確保するといった工夫を施すと問題を解消できるでしょう。

洗濯まわりの家事動線

動線を工夫すると、毎日の洗濯も大幅な負担軽減を実現できます。

洗濯は「洗う」「干す」「畳む」「しまう」がワンセットです。もしそれぞれの場所が離れていたら、一つひとつの作業をおこなうのに時間も多くかかります。

そこで、洗濯機と洗濯物を干すスペースはなるべく近くにしておくのが得策です。たとえば、ランドリーコーナー内に物干しスペースを設けたり、外干しの場合はすぐにベランダに出られるよう移動の少ない動線にしたりする方法があります。

また、洗濯物を畳まずともしまえるように、ハンガーで収納できるファミリークローゼットを設けるのもおすすめです。収納スペースをゲストに見られると困る場合は、ドアを設置したり、壁面収納にしたりすると安心して片付けられます。

間取りを決めるときの注意点

家事動線の良い間取りを考えるときには、注意点も考慮することが大切です。

一箇所だけにこだわって設計すると、かえって不便になる可能性もあります。ここでは3つのポイントを解説しますので、各ポイントを踏まえつつ理想の間取りを考えてみましょう。

回遊性がある動線になっているか確認する

まずは、回遊性を意識します。間取りにおける回遊性とは、複数の家事を同時に進めるときに他の場所への移動がスムーズになっているかどうかを表すものです。

たとえば、料理の合間に洗濯をしたり、お風呂の掃除をしたりとスキマ時間を使って家事を進める人も多いでしょう。キッチン・ランドリーコーナー・お風呂と各スペースの回遊性は確保されていても、すべての場所を行き来した際に時間や手間が増えてしまうようでは、確保できているとはいえません。

そこで、部屋同士をすぐに移動できるような動線確保や廊下の配置にすることが大切です。いちいちドアを開け閉めして廊下に出て離れた場所に移動せずとも、ワンフロア内でスムーズに家事をおこなえる間取りを意識しましょう。

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コンセントの位置や数に注意する

間取りと聞くと、部屋や家具の配置ばかりを重視してしまうものです。しかし、些細な部分と思われる「コンセントの設置位置や数」も家事効率を大きく左右します。

近年はオール電化やIoT家電などが普及し、コンセントが少ない部屋では思うように家事をおこなえないと感じるケースも増えてきました。そのため、部屋ごとにどのくらいの家電を使用するのかを考えながら、配線設備を整えるのがよいでしょう。

調理家電を多く設置するキッチンなら、常に電源につなぐものと時折使うものに分けて、カウンター内や棚下・見えやすい高い位置などにコンセントを追加設置するのもおすすめです。また掃除家電も同様で、コンセントの配置が悪いとこまめに差し替えながら家事を進める必要が出てきます。

家事をおこなう手順や手間を想定しながら、コンセントの配置を決めましょう。

収納スペースも考慮した間取りになっているか

収納がどこにどの程度あるかも、動線に影響を与えます。

必要な収納スペースは、各家庭によってさまざまです。しまう場所が多ければ良いというわけでもありません。必要な場所に必要な分だけ配置されていることが重要です。

例として、洗濯なら畳んでしまう動作があります。そこで、ランドリーコーナー内にクローゼットがあればスムーズに片付けできます。ただし、家族の成長に合わせて収納場所や量を調整できるよう大型にしすぎないことや、小さめの個室クローゼットを別で設けておくといった工夫も必要です。

また、アウトドア用品や季節用品・子どもの外遊び用品を多く持っている場合は、玄関内に土間収納を作ると、室内も汚れずラクに収納できます。

このように、生活に沿った収納を間取りに取り入れていくことも、家事動線の効率アップには欠かせません。

家事動線が良い間取りの注文住宅の建築実例

最後に、家事動線を意識して設計された間取りの事例を紹介します。どのような点に配慮して暮らしやすさにつなげているかをチェックしてみましょう。

家族みんなが使いやすい動線を実現した住まい

自然光が心地良く入るLDKを設計したこちらの邸宅では、アイランドキッチンやウッドデッキをLDK内に設けました。キッチンをアイランド型にすることで回遊性が高まり、洗面所や浴室までの移動もスムーズです。

また、子どもたちが外のウッドデッキで遊ぶ様子をLDKで家事をしながら見守れて、子育てもしやすい環境になっています。

家族がのびのびと過ごせて家事も楽にこなせる住まいを実現した事例です。

家族全員が使いやすい動線の建築実例を見る

キッチンから水回りの動線を考えた住まい

こちらの邸宅では、吹き抜けのある美しい内装にこだわりつつも、水回りの動線に配慮して快適度を向上させました。

1階部分には、LDKや浴室・寝室などメインの生活スペースを集約しています。これからの生活スタイルの変化を見据えて、ラクに家事をおこなえるようムダのない間取りを整えました。とくに、パントリーや洗面所へスムーズに移動できるようにキッチンからの動線は短くなっています。

キッチンと水回りの動線がスムーズな建築実例を見る

アイランドキッチンで動線を快適にした住まい

ホワイトの壁や天井とシックな木目調のキッチンが印象的なこちらの邸宅では、アイランドキッチンを採用して家事の効率化を図りました。

LDKをより広々とした空間にするため、キッチンにはあえて吊戸棚やカウンターを設置せず、スッキリと見せています。不足している収納は、キッチン横にパントリーやユーティリティーを設けることで解消しました。

また、キッチン内には家事の時短になる食器洗い乾燥機や、ファン掃除を自動化できる「ほっとくリーンフード」を導入しています。

アイランドキッチンを採用した建築実例を見る

家事動線を工夫して家族みんなが家事をしやすい住まいにしよう

家事動線の良い間取りは、日々の家事や家族の生活スタイルに合わせて、入念に話し合いながら決めていくのが大切です。

必要なものを適材適所に配置することで、家事が楽になるのはもちろん、家族みんなが楽しく暮らせる住宅に仕上がります。

家事をどのように改善したいか、何があったら困るかなどを考えながら、家事動線をアップできる間取りを検討していきましょう。