住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
親との二世帯同居には、多くのメリットとデメリットがあります。生活費の分担や育児のサポート、さらにはルールの確立など、さまざまな要素が絡み合うかもしれません。そのため実際に同居を始める前に、期待されるメリットと直面する可能性のあるデメリットについてしっかりと理解する必要があります。
本記事では二世帯住宅で親と同居するメリット・デメリット、成功させるコツを解説します。
親子世帯の状況は、今後の生活設計を考えるうえで重要な要素です。現代の親子世帯が抱える状況について解説します。
近年、高齢者の一人暮らしが増加し、老親が孤立しやすく緊急時のサポートが難しいと感じる子ども世帯も少なくありません。
内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、65歳以上の人口割合(高齢化率)は29.1%に達し、一人暮らしの高齢者も男女ともに増加傾向です。昭和55年には男性4.3%、女性11.2%だった一人暮らしの割合は、令和2年には男性15.0%、女性22.1%に上昇し、今後も増える見込みです。このため、老親が安心して暮らせるよう同居を考える家庭が増えています。
参考:内閣府「令和6年版高齢社会白書」
共働き世帯では、家事負担が妻に偏ることが少なくありません。仕事と家庭の両立が求められる中、特に子育て中の妻にとっては、家事を自分一人で抱えるのは大きな負担です。そこで親との同居が助けになる場合が多く、家事や育児のサポートを受けることができるため、負担が軽減されます。
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親と同居することで得られるさまざまなメリットがあります。ここでは、親と同居するメリットを解説します。
親子間のコミュニケーションが活発になることで、家族の絆がより深まります。子どもは祖父母と過ごすことで、さまざまな価値観に触れることができ、精神的な成長も期待できるでしょう。
また普段は伝えられない気持ちや考えを、対面で話すことでより理解し合えるため信頼関係も強化されます。こうした家族のつながりは、双方の世帯にとって貴重な財産になることでしょう。
親との同居は、家事や子育ての負担を軽減することにもつながります。たとえば保育園に通っている子どもが病気になったときなど、祖父母が協力して面倒を見ることで親は安心して仕事を続けられるでしょう。さらに食事の準備や家事分担もでき日常の負担を分散できるため、ストレスの軽減にも寄与します。
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親と同居することで、家計面においても大きなメリットがあります。家賃を含む住宅費用を親と分担すれば、一人当たりの負担が軽くなります。また光熱費や食費もシェアできるため、共に生活することで発生するコストを抑えられ、経済的な自由度が高まることにつながります。
親と一緒に暮らすことで、老親の健康状態を常に把握しやすくなります。日常的な会話や一緒に過ごす時間が増えることで、体調の変化にも気づきやすくなるためです。何か問題が起こった際にはすぐに対応できるため、介護が必要となったときにも適切なサポートが可能です。
同居することで、税金面でのメリットがあります。たとえば親を扶養に入れると所得税の扶養控除が受けられ、所得税や住民税の負担が減るかもしれません。また親が所有する住宅に同居している場合、相続時に「小規模宅地等の特例」が適用され、相続税の軽減が期待できます。
親との同居には、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、親と同居するデメリットを解説します。
同居中は、各自が持つプライバシーを守るのが困難になることが一般的です。生活空間が密接しているため、行動や活動が筒抜けになってしまう場合があります。
たとえば会話の内容が聞こえてしまったり、宅配物が見られてしまったりなど、気持ちよく過ごせる空間が失われてしまうことがあるでしょう。プライバシーがない環境は、お互いにストレスを感じる要因になる可能性があります。
親世代と子世代では、価値観や生活習慣が異なるため、ストレスを感じることがあります。
起床や就寝、食事の時間が合わないことで二度手間が生じたり、音が響いたりすることもあるかもしれません。また掃除や料理のやり方、生活の優先順位の違いから衝突が起きやすく、教育方針でも意見が分かれることもあります。価値観や生活リズムの問題を軽減するには、ルールを設け、自由な時間を尊重し、話し合う姿勢が大切です。
家計に関する分担も、デメリットとして考えられます。
たとえば家賃や光熱費の負担に関して意見が分かれることがあり、親子間で不満が生じることがあるでしょう。このような課題を解決するためには、事前に話し合いをおこない、納得いく形でルールを決めることが効果的です。
親との同居が進むうえで、介護が必要になるケースも増加します。特に親が病気や怪我をした場合、その負担が大きくなるかもしれません。場合によっては、思った以上に介護に多くの時間や労力を要することがあるため、家族全体の負担感が高まることも考えられます。このような事態に備えておくことや、必要なサポートをつけることが重要になるでしょう。
二世帯住宅を成功させるには、将来を見据えた設計が重要です。長期的な生活を考慮した間取りや機能性が、同居生活の円滑さを左右します。
ここでは、3種類の二世帯住宅のスタイルをご紹介します。
完全分離型二世帯住宅は、各世帯の生活空間を玄関から完全に分けることで、プライバシーを保ちながら共同生活が可能なスタイルです。
メリットは各家庭が独立した生活を維持できる点であり、家族のコミュニケーションを深めつつ、干渉を避けることができます。一方で、建設時のコストが高くなりがちで光熱費も両世帯分がかかるため、経済的な負担を考慮する必要があるでしょう。
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一部共有型二世帯住宅は、住宅の一部分だけを共有し、それ以外のスペースは各世帯が独立して利用できるスタイルです。
完全分離型と比べて建設コストを抑えられるため、経済的な選択肢として注目されています。さらに共用部分と独立部分の配置を世帯ごとのニーズに応じて決めることができるため、間取りの自由度が高いのも大きな魅力です。
家族間のコミュニケーションを促しつつ、プライバシーも確保できるバランスの取れた住まいといえるでしょう。
完全同居型の二世帯住宅では、各世帯の寝室を別に設けるのみで、リビングやキッチン、バスルームなど他のスペースは全て共有します。
建設時のコストを抑えることができ、生活してからの光熱費も分担できるため経済的な負担を軽減できます。一方、プライバシーの面で課題が出てくるでしょう。
ここからは、親世帯との同居を成功させるコツについて解説します。後悔しない選択ができるよう、本章を参考に満足のいく同居生活を過ごしましょう。
同居を決める前には、親としっかり話し合いましょう。無理をすることなく、自然な形で共に過ごせる関係を築くために、意見交換や話し合いが欠かせません。
生活費の分担は、同居において重要な要素です。まず世帯主を決め、メインの支払いを誰が担うのかを明確にする必要があります。
また家賃や光熱費、食費などの生活費をどのように分担するかなどのルールを事前に話し合うことで、無用なトラブルを避けられます。この際、公正で分かりやすい基準を設けることが大切です。
親との同居には、法律上の手続きに関しても理解しておく必要があります。特に、年金や相続の問題はデリケートで、事前に確認しておくことで安心して生活できます。
たとえば親の年金が扶養家族によって影響を受ける場合もあるため、詳細な情報を調べておくとよいでしょう。また、相続に関する法的手続きや税金の取り扱いについても知識を得ておくことで、後々のトラブルを未然に防ぐ手助けとなります。
もし同居が難しい状況であれば、他の代替策を検討する必要があります。たとえば親を呼び寄せ近くに住むことで、気軽に訪問し面倒を見たりサポートをおこなったりすることができます。さらに、近隣の介護サービスや地域の施設を利用することも検討材料に加えられます。
二世帯住宅で親と同居する場合、親を扶養に入れることで所得税や住民税の控除を受けられる可能性があります。扶養控除を適用することで、所得税の負担が軽減され、親が70歳以上であればさらに「老人扶養控除」も適用されることもあります。また、住民税についても扶養控除が適用されることで税負担が軽減され、世帯全体の経済的負担を軽減できます。こうした税制のメリットを活用することで、二世帯住宅での同居生活がより経済的になるでしょう。
二世帯住宅で親と同居することで、社会保険上の扶養に親を入れることができる場合があります。特に親が75歳以上で「後期高齢者医療制度」の対象であれば、子どもが親の医療費負担を軽減できる可能性があります。
また同居によって健康保険の扶養控除が適用され、親の医療費や生活費の負担が軽減されることもメリットです。
「小規模宅地等の特例」は、親が所有する住宅に同居していた場合、相続時に土地評価額を最大80%減額できる制度です。
特例を使用すれば、相続税の負担が大幅に軽減されることが期待できます。ただし適用には一定の条件があり、親の死亡後も継続してその住宅に住み続けることが必要です。
親との同居には、メリットとデメリットがあります。メリットとしては、家計負担の軽減、家事や育児のサポートなどが挙げられます。親の健康状態を把握しやすく、介護が必要になった際にも迅速に対応できるでしょう。
しかしプライバシーの確保が難しくなることや、価値観の違いからストレスが生じる可能性があります。本記事を参考に、同居するべきか検討しお互いがストレスなく暮らせる関係を検討してください。
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