住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
「老朽化した実家をどうするか」そんな悩みを抱える方が増えています。親の安心安全な暮らしを守るため、あるいは将来的に自分たちが住むことを見据え「建て替え」という選択肢を検討するケースも少なくありません。とはいえ、実際に行動に移すとなると、費用の相場や手続きの流れ、補助金制度、相続や名義の問題など、不安や疑問が尽きないでしょう。
この記事では、実家の建て替えを考えている方に向けて、知っておきたい基本知識から費用・補助金、後悔しないための注意点まで、わかりやすく解説します。

実家の建て替えは、一生に一度あるかないかの大きな決断です。勢いで進めてしまうと、費用や手続き、家族関係で思わぬ後悔を招くこともあります。まずは「建て替えとは何か」、「どのようなケースに向いているのか」をしっかり理解しておきましょう。
建て替えとは、既存の建物をすべて解体し、新しく建て直すことを指します。建物の耐震性や断熱性を最新基準で確保でき、間取りや設備の自由度も高くなるのが魅力です。その反面、費用は高額になりがちで、仮住まいや解体工事といった手間も発生します。
一方、リフォームやリノベーションは、骨組みを活かすことが多く、部分的または全体的に性能や価値を向上させる改修方法です。コストを抑えられるものの、建物の状態によっては理想の間取りが実現できない場合もあります。築年数や老朽化の程度、家族構成やライフスタイルの変化を総合的に考え、最適な方法を選ぶことが重要です。
建て替えが、必ずしもすべての住宅に適しているわけではありません。以下のような状況にある場合は、建て替えを検討するとよいでしょう。
築30年以上が経過した住宅では、耐震性や断熱性能が低い場合が多く、将来的な安全性に課題があります。修繕を重ねるよりも、建て替えによって一新した方がトータルコストで有利になるケースもあるため、プロの診断を受けたうえで慎重な判断が必要です。
親が高齢になったり、介護が必要になったりすることを見据えると、段差のない床や広い廊下、屋内動線などの見直しが必要です。建て替えであれば、初めからバリアフリー仕様に対応できるため、将来にわたって快適で安全な住まいを実現できます。
親世帯と子世帯が一緒に住む場合、生活スタイルの違いからプライバシーや動線に配慮した設計が必要です。建て替えにより、玄関や水回りを分離した間取り、あるいは完全分離型の二世帯住宅を計画することも可能になります。
土地を分筆して別棟を建てたり、賃貸併用住宅として建て替えたりすることで、資産評価を調整し、相続時の納税対策がしやすくなります。将来的な相続も視野に入れるなら、建て替えは有効な選択肢のひとつです。
都市部や駅近など好立地にある場合、築年数の古い建物をそのままにしておくよりも、新築に建て替えることで資産価値の向上が期待できます。賃貸や売却を視野に入れる場合も、建て替えは有効な手段です。
親が施設に入居したり、他の場所に住んでいたりして実家が空き家になっている場合、そのまま放置すれば建物は劣化し、資産価値も下がっていきます。建て替えによって賃貸住宅や二世帯住宅にすることで、資産としての有効活用が可能です。

実家の建て替えをスムーズに進めるには、全体の流れを事前に把握しておくことが大切です。ここでは、建て替えを成功させるための6つのステップと、それぞれの段階で意識しておきたいポイントを解説します。
まず確認すべきは、その土地が建て替え可能な条件を満たしているかどうかです。特に注意が必要なのは「接道義務」です。敷地が幅4m以上の道路に2m以上接していないと、新築の建築許可が下りないため、必ずチェックしておきましょう。
この場合、「セットバック」と呼ばれる方法で敷地を道路として後退させることで、接道義務をクリアできます。ただし、建築基準法の改正や個別事情により、セットバックしても再建築不可とされる場合もあるため、自治体や専門家への事前相談が重要です。
また、市街化調整区域など都市計画法で建築が厳しく制限されている地域でないかの確認も必要です。さらに、「既存不適格建築物」といわれる、建ぺい率や容積率オーバーの物件では、現状よりも小さい建物しか建てられない可能性もあります。
建て替えが難しい場合はセットバックのほか、隣地との境界確認、または再建築不可物件向けの売却・リノベーションなどの解決策があるため、専門家のアドバイスを受けながら進めましょう。
家づくりの依頼先を選定する際は、地域密着型で実績があるか、口コミや建築実例が充実しているかをチェックしましょう。また「実家の建て替え」に慣れているかどうかも重要なポイントです。担当者の対応力や提案の質も判断材料になるので、複数社から相見積もりを取り、金額だけでなく対応力・柔軟性・提案力も比較しましょう。
依頼先の候補としては、ハウスメーカーと工務店があり、それぞれの違いは以下の通りです。
・ハウスメーカー:全国展開、品質・工期の安定、デザイン性に強みあり
・工務店:地域密着、柔軟な対応、小回りの利く設計が魅力
建て替える実家の立地条件や家族の希望に応じて、どちらが適しているかを見極め、納得のいくパートナーを選びましょう。
敷地調査では、土地の広さや形状だけでなく、高低差や日当たり、接道状況、隣接建物との距離などを細かくチェックします。調査結果をもとに、間取りや設備、外構までを含めたプランが提案されます。契約前には「標準仕様」と「オプション仕様」の範囲、見積書の内容を細かく確認し、気になる点があれば遠慮せず質問しましょう。不安や疑問を解消してから契約に進むことが大切です。
設計図面が確定したら、建築基準法に基づき確認申請を提出します。建築確認申請とは、建物が建築基準法などに適合しているか審査を受ける手続きのことです。申請が承認されないと工事は始まりません。通常は設計士や施工業者が代行します。
また、建て替えの場合、住みながら工事を行うことはできないため、仮住まいの確保が必要です。賃貸住宅を借りるのが一般的ですが、親族宅を一時的に借りるという選択肢もあります。仮住まい費用だけでなく、引っ越しや荷物保管、生活の変化を早めにシミュレーションしましょう。特に繁忙期は仮住まいの確保が難しくなるため、早めの行動が大切です。
解体工事は、騒音や振動、ほこりなどで近隣に迷惑がかかる可能性があるため、対応力のある業者を選ぶことが大切です。廃材の分別や適正処理、近隣への挨拶や対応まで含めてしっかりと対応できる実績ある業者に依頼しましょう。ハウスメーカーや工務店に一括で任せるか、外注するかで費用が変わるので、入念な検討が必要です。
解体が完了すると、新しい住宅の建築工事に入ります。天候や資材の納期など、外部要因によって工事が遅延するリスクもあるため、スケジュール管理が重要です。途中で行われる「中間検査」や、完成時の「竣工検査」などを通じて施工品質を確認し、不備があれば早めに対応してもらいましょう。工事完了後には、保証書や取扱説明書などの受け取りも忘れずに行ってください。
竣工後、建物の最終検査となる「完了検査」が実施されます。検査をクリアすると、建物の鍵が施主に渡され、正式に引き渡しとなります。ただし、建物を法的に所有するためには「建物表題登記」および「保存登記」が必要です。住宅ローンを利用している場合は「抵当権設定登記」も必要になります。
登記手続きは一般的に司法書士に依頼しますが、手数料が発生するため、あらかじめ見積もりを取得しておきましょう。特に保存登記は法務局への提出書類として、所有者の住民票や印鑑証明なども必要となるため、司法書士との打ち合わせが欠かせません。
新居に引っ越した後も、アフターサービスやメーカーの保証内容を必ず確認しておきましょう。
実家の建て替えで予算オーバーを防ぐためには、事前に全体像を把握しておくことが重要です。ここでは、建て替えに必要な主な費用の内訳と相場の目安を解説します。
国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査」によると、建て替えを実施した世帯の平均建築費は5,745万円でした。また、延べ床面積は住み替え前と比較して大きく広くなる傾向にあります。同調査によると、建て替え前の平均延べ床面積が全国で94.0平方メートル(約28坪)だったのに対し、建て替え後は121.3平方メートル(約36坪)と、約27平方メートル(約8坪)も広くなっていることが分かりました。特に子育て世帯においては、82.9平方メートル(約25坪)から120.9平方メートル(約36坪)へと、さらに大きく広がる傾向が見られます。
では、建て替え後の平均的な坪数である約36坪の家の建築費用はどれくらいでしょうか。住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅(土地あり)の場合、平均坪単価は107万円です。このことから、延べ床面積36坪で坪単価が107万円の場合、建築費用の目安は3,852万円となります。ただし、建物のグレードや家の形状などの要因で建築費が高くなる可能性があります。
※参考:
既存建物の解体費用は、木造住宅で1坪あたり3万〜5万円が相場とされています。仮に延べ床面積36坪の木造住宅を解体する場合、概算で108万〜180万円程度が目安です。これに加え、アスベストの有無、廃材の分別処理の有無、重機の搬入が可能かどうか、近隣への配慮の有無などによって、最終的な見積もりは変動します。
建て替えが完了すると、法的な手続きとして新築住宅に関する登記が必要となります。具体的には以下のような登記です。
・建物表題登記:建物の存在を法的に明確にする登記
・保存登記:新築住宅の所有者を明示する登記
・抵当権設定登記:住宅ローンを利用する際に必要な登記
登記は司法書士に依頼するのが一般的です。依頼料を含めた登記関連費用は、10万〜30万円程度が目安となります。また、登録免許税も必要で、これは建物の固定資産税評価額を基に計算されます。建物の価格が高くなるほど税負担も大きくなるため、評価額や軽減措置の有無について事前に確認しておくと安心です。
実家を建て替える際には、さまざまな税金も発生します。代表的なものは以下の通りです。
・不動産取得税
新築住宅を取得する際に課される税金で、建物の固定資産税評価額に基づいて計算されます。ただし、新築住宅には一定の要件を満たすことで軽減措置が適用される場合があります。
・固定資産税
建て替え後の建物は評価額が高くなるため、それに伴い固定資産税も増額される可能性があります。こちらも新築住宅には、一定期間の軽減措置が設けられています。
・都市計画税
市街化区域にある土地・建物には、固定資産税に加えて都市計画税が課税される場合があります。
これらの税金は、毎年継続して発生するコストであるため、建築費用だけでなく、維持費としての税負担も含めた長期的な資金計画が必要です。
※参考:
実家を建て替える際には、工事期間中に一時的に生活する「仮住まい」が必要です。賃貸住宅を借りるのが一般的で、家賃のほかに敷金・礼金、火災保険料、引っ越し費用も含めてトータルで50万円〜100万円前後の費用がかかります。
また、工事期間が長期化したり、引っ越しシーズンに重なったりすると、仮住まいのコストが膨らむ可能性もあります。希望エリアに物件が見つからないケースもあるため、早めに手配しましょう。
実家の建て替えには多くの費用がかかりますが、工夫次第で負担軽減も可能です。ここでは、賢く費用を抑えつつ満足度の高い家づくりを実現するためのポイントを紹介します。
多くの自治体では、老朽化した空き家や耐震基準を満たさない建物の解体費用に対する補助制度を設けています。代表的なものに、以下のような制度があります。
・木造住宅解体工事補助金:倒壊の危険性が高い木造住宅の解体費用を一部補助
・ブロック塀等撤去補助金:倒壊の恐れがあるブロック塀の撤去費用を補助
・危険廃屋解体補助金:危険と判断された家屋の解体費用を補助
補助金額は、解体費用の一部(概ね2割〜7割)が補助対象となり、上限額は自治体によって20万円〜100万円程度と幅があります。ただし、制度の内容や募集時期、対象条件は自治体ごとに異なるため、事前にホームページや窓口で確認してください。また、アスベストの調査や処理費用が補助対象となるケースもあるため、該当する場合は積極的に活用しましょう。
建て替え後の建物評価額が上がることで、固定資産税が増額される可能性があるため、維持費も含めた計画を立てる必要があります。耐久性や省エネ性能の高い住宅は、時間が経っても資産価値が落ちにくく、将来の売却や相続時に有利です。
特に「長期優良住宅」や「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の認定を受けると、固定資産税や所得税の軽減措置、国の補助金制度の対象となる場合もあるため、長期的な資産価値を考慮した上での賢い選択といえるでしょう。

実家の建て替えは、単なる家づくりにとどまらず、家族の将来や資産、相続などに関わる大きな決断です。だからこそ、経験豊富なハウスメーカーや工務店といった“信頼できるプロ”の力を借りることが成功の近道です。
自分一人や家族だけで抱え込まず、まずは専門家に相談しながら、自分たちに合った無理のない計画を立てていきましょう。安心して住み続けられる家づくりは、正しい情報と信頼できるパートナー選びから始まります。
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