住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
「毎日の家事ストレスを軽減したい」「洗濯動線をもっと効率的にしたい」といった思いから、注文住宅にランドリールームを設ける例が増えています。しかし、実際に使ってみると「思ったより狭くて使いにくい」「洗濯物が乾きにくい」「動線が遠回りになってしまった」など、使いづらさを感じるケースも少なくありません。
この記事では、ランドリールームに関するよくある失敗事例と問題点を取り上げ、後悔しないための間取りのポイントや設備の工夫を解説します。ランドリールームを取り入れた成功事例も紹介するので、家づくりを検討している方は必見です。
生活利便性が向上するとして人気のランドリールームですが、実際に住み始めてから後悔するケースも見られます。まずは、よくある失敗事例を通して、後悔につながりやすいポイントを探ってみましょう。
「狭くて作業しにくい」「広すぎてなかなか乾かない」など、広さに関する後悔は少なくありません。2畳未満のランドリースペースは洗濯機・作業スペース・物干しの確保が難しく、反対に広すぎると、エアコンや除湿機が効きにくくなります。家族構成や毎日の洗濯量、求める機能などを整理したうえで、2〜3畳を目安に広さを決めることが大切です。
「洗う→干す→しまう」の動線が悪いと、無駄な移動が増えて、かえって効率が悪くなってしまいます。使いやすいランドリールームのカギは「動線計画」です。「ファミリークローゼットとの距離が遠い」「キッチンや洗面からのアクセスが悪い」といった声が目立つため、水まわりとつなげた回遊動線を確保するとよいでしょう。
ランドリールームの換気対策が不十分だと、洗濯物が乾かない、結露やカビが発生するといった問題が生じやすくなります。窓や換気扇を設置したにもかかわらず、場所が悪くて換気性が下がってしまったというケースも少なくありません。適切な位置に窓と換気扇を設置するのに加え、除湿機やエアコン、サーキュレータなども併用した湿気対策の検討をおすすめします。
洗濯時の作業性を考えて、ランドリールームにスロップシンクや作業台の設置を検討している方もいるでしょう。しかし、実際に暮らし始めてみると、思ったほど活用せず、スペースを持て余してしまうケースも少なくありません。一方で、設置しなかったことを後悔する人や、付けなかったことを後悔する人もいます。スロップシンクや作業台を設けるかどうかを検討する際は、利用シーンを具体的にイメージし、本当に必要かどうかを判断することが大切です。
ランドリースペースで室内干しをするために物干しポールを取り付けたものの「位置が低すぎて邪魔になる」「動線上に洗濯物がかかってじゃま」といった後悔も聞かれます。また、干す量に対してポールの数が足りず、不便に感じるケースもあるでしょう。ランドリースペースに物干し機能を持たせる場合は、干す量・動線・高さを具体的にイメージしながら、金具の種類や取り付け位置を慎重に検討することが大切です。
ランドリースペースには、洗濯用品やタオルなど多くのアイテムをしまう必要があります。収納量が不十分だと、ランドリースペースが散らかりやすくなり、動線も非効率になってしまいかねません。こうした事態を防ぐには、用途別に棚や収納を分けられるよう、収納の配置や量を工夫する必要があります。また、ファミリークローゼットはなるべく隣接して配置するのがおすすめです。
ランドリースペースでは、照明やコンセントに関する不満もよく聞かれます。毎日洗濯で使う場所のため「照明が暗くて洗濯物が見えづらい」「アイロン用のコンセントが遠い」などの小さな不満が積み重なることで、大きなストレスを抱えてしまいます。アイロンや除湿機など使う家電の種類と位置を想定し、適切な場所に必要数のコンセントを計画しておきましょう。薄暗い雨の日や夜間の作業に備え、照明をしっかり設置することも重要です。
インテリアの見た目重視で床材や壁材を選ぶと、滑りやすかったり、こぼした水で床や壁が劣化したりして、後悔につながる場合があります。ランドリースペースの床材や壁材は水や汚れに強いものを選ぶとともに、お手入れのしやすさも考慮するようにしましょう。
ここまで紹介してきた失敗を防ぎ、快適に使えるランドリールームを叶えるためには、設計段階でいくつかのポイントを意識する必要があります。
ランドリールームの適切な広さは、家族人数や毎日の洗濯物の量によって異なります。一般的には2〜3畳程度確保すると、洗濯機・作業スペース・物干しスペースを無理なく収めることができるとされます。この目安を参考にしながら、具体的な作業内容や頻度を踏まえて、自分たちの暮らしに合った広さを検討していきましょう。
「洗う→干す→しまう」の動線をコンパクトにまとめることで、毎日の家事負担を大きく軽減できます。動線を効率化するには、ランドリールームと洗面所・脱衣所・ファミリークローゼットを集約するのがおすすめです。さらに、可能であれば水まわりをぐるっと一周できる回遊動線を取り入れるとよいでしょう。
室内干しを前提としたランドリールームでは、換気が十分にされず湿気がたまり、カビや臭いの原因となることがあります。快適な環境を保つには、風の通り道を確保できる位置に窓を設置するとともに、換気扇や除湿機、エアコンなど複数の手段を組み合わせて湿気をコントロールすることが大切です。
作業台やスロップシンク、物干しバー、衣類乾燥機など、設備をフル装備してしまうと、窮屈さや使いにくさを感じることもあります。反対に「設置しておけばよかった」と後悔する声も聞かれるため、ランドリースペースの設備を検討する際は、スペースを使う目的や頻度を整理し、本当に必要なものだけを選ぶようにしましょう。
洗剤や洗濯ネット、タオル、衣類、アイロンなど、たくさんの洗濯アイテムをいかに使いやすく収納するかが、ランドリールームの使い勝手を大きく左右します。「とりあえず収納を設ける」という考え方ではなく、動線や作業スペースの邪魔にならないように計画しましょう。なお、ファミリークローゼットを近くに配置すると、よりスムーズに衣類の片付けを行えます。
照明の選択と配置、コンセントの配置の計画も重要です。照明は、色の再現性が高い昼白色や温白色を選び、物干しや作業スペースの手元をしっかりと照らせる位置に設置しましょう。コンセントは、アイロンや除湿機など使用する家電の数と場所を事前にシミュレーションし、必要数を適切な位置に計画するのがポイントです。
ランドリールームは水や洗剤、ホコリがたまりやすいため、床材は見た目だけでなく、防水性・耐久性・掃除のしやすさも考慮して選ぶ必要があります。よく選ばれるのが、クッションフロアやフロアタイル、耐水性のあるフローリングなどです。滑りにくい素材を選べば、安全性も高まります。
高い機能性が求められるランドリールームは、自分たちですべて判断しようとすると、使い勝手の悪いものになる恐れがあります。そうしたリスクを避けるためにも、設計段階から建築士や設計士などの専門家に相談し、アドバイスを受けるのが有効です。プロの視点を取り入れることで、換気・動線・配線・設備配置などの精度が高まり、理想に近いランドリールームを実現しやすくなります。
ここでは、パナソニックホームズが手がけた建築事例の中から、ランドリールームを取り入れて快適な暮らしを実現した3つの住まいをご紹介します。
1つ目の事例は、ゆったりとした広さを確保したランドリールームです。両サイドの壁面には、収納する物の種類に合わせて異なるタイプの棚を設置し、洗剤やタオル類をすっきりと分類できます。作業台も広く、洗濯物をたたんだり、アイロンがけをしたりする作業をスムーズに行える設計です。
内装はグレーベージュ系で統一されており、シックな雰囲気と清潔感が漂います。全体として明るく、視覚的にも空間の広がりを感じられるよう工夫されています。
「洗う・干す・しまう」が一か所で完結するランドリールームの建築実例を見る
2つ目にご紹介するのは、シンプルで機能的なランドリールームです。L字のハンガーパイプによる大容量の室内干しスペース、使いやすい収納、広々とした作業台など、必要な機能がひと通り揃っています。窓が2つ設置され、風の通り道と日当たりがしっかり確保されているので、湿気がこもりにくいのもポイントです。
ランドリールームは洗面台とファミリークローゼットに隣接しており「洗う→干す→しまう」が1カ所で完結する機能性の高さも見逃せません。
ファミリークローゼットに隣接しているシンプルで効率的なランドリールームの建築実例を見る
3つ目に紹介するランドリールームの最大の特徴は、木製のサウナルームが併設されていることです。洗濯作業だけでなく「汗を流す・整う・着替える・しまう」という、自宅リラクゼーションの一連の流れもスムーズに行えます。
高めに配置された2つの横長窓により、たっぷりと自然光が入り、湿気がこもりにくいよう工夫されています。低めの収納はタオル類や着替えの出し入れがしやすく、ラタン素材のカゴで湿気を逃がせる点も機能的です。
床にはシックな石目柄のフロアタイルを使用するなど、家族だけではなく、ゲストにとっても使いやすい「見せるランドリースペース」となっています。
サウナルーム併設のくつろげるランドリールームの建築実例を見る
ランドリールームを脱衣所と兼用にするか、それとも独立させるかは、多くの方が悩むポイントのひとつです。ここでは、それぞれの特徴を整理し、どちらのスタイルがライフスタイルに合っているのかを見極めるヒントをご紹介します。
兼用タイプのメリットとしては、次のような点が挙げられます。
一方で、兼用タイプには、次のようなデメリットもあることを認識しておきましょう。
脱衣所とランドリールームを別空間にすると、家族の入浴中や来客時でも、気兼ねなくランドリースペースを使用することができます。洗濯機の運転音や室内干しの湿気が、脱衣スペースや浴室まで広がらないため、浴室の快適性や家族の使い勝手の向上にもつながるでしょう。
ただし、兼用タイプに比べて広いスペースが必要になる点は要注意です。間取りに余裕があるなら、ランドリースペースを「見せない家事空間」として独立させることで、暮らしの質を高められます。
毎日の洗濯を便利にするランドリールームは、家事効率を大きく左右する空間です。便利そうに感じて取り入れても、広さや動線、設備の選択を間違えると、かえって使いにくいスペースになってしまいます。
ランドリースペースの間取りで後悔しないためには、実際の暮らしを具体的にイメージし、ライフスタイルに合った間取りや設備を丁寧に検討することが重要です。設計段階から家づくりのプロに相談し、自分たちにとって「ちょうどいい」ランドリールームを実現しましょう。
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