住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
オーナーさま専用サイト
お役立ちコラム

【目次】
中庭のある二階建ては、家族のプライベートを確保しつつ、住まいに光や風を取り込める人気の間取りスタイルです。30坪〜40坪ほどの敷地でも実現可能で、住宅が密集する都会でも開放感を楽しめます。
この記事では、中庭付き二階建ての代表的な間取りタイプやメリット・デメリット、30坪〜40坪の敷地で建てた実例を紹介します。家づくりで失敗しないための注意点もわかりやすく解説しますので、理想の住まいを実現したい方は本記事を参考にしてください。

中庭付きの二階建て住宅とは、建物に囲まれた屋外空間(中庭)がある住まいのことをいいます。都市部の住宅密集地など、周囲からの視線が気になる環境でも、プライバシーを確保しながら光や風を室内に取り込めるのが大きなメリットです。
まずは、中庭のある家の主なメリットと魅力について具体的に解説します。
中庭に面する壁に設けられた窓を通じて、光と風を効率的に室内へ取り込めます。隣家と密接している場合は採光・通風が不十分になりがちですが、中庭を設けることで、光と風が家の奥まで届く心地良い空間を実現可能です。
中庭は建物に囲まれており、外部からの視線を気にせず、ゆったりと過ごせるプライベート空間です。中庭に面した室内は、実際の面積以上に広々と感じられ、心地良い空間づくりができるメリットもあります。
バーベキューやガーデニング、屋外でのお茶など、中庭は多目的に使える“セカンドリビング”として機能します。建物に囲まれているため、外部からの視線を気にせず家族や友人と楽しめる、プライベートで贅沢なアウトドア空間です。
中庭は、子どもやペットの安全な遊び場としても最適です。壁に囲まれていることで、外からの視線を遮れるだけでなく、道路への飛び出しも防げます。LDKから目が届く位置に中庭を設ければ、子どもやペットが遊ぶ様子を見守りながら安心して家事ができます。
二世帯住宅では、中庭が親世帯と子世帯の空間をつなぐ役割を果たします。各世帯のプライバシーを確保しつつも、中庭を通じて互いの気配を感じられ、程良い距離感の心地良い暮らしを実現できます。

中庭のある家のメリットを押さえたところで、中庭を採用する際のデメリットと解決策について詳しく見ていきましょう。
中庭を設けることで建物の形が複雑になり、建築費用が高くなる可能性があります。また、十分な採光や通風を確保するには、専門的な知識と経験をもつ設計士による綿密なプランニングが欠かせません。
中庭をきれいに保つには、植栽の手入れや落ち葉の掃除、排水口の清掃など、日常的なメンテナンスが必要です。手入れを怠ると景観が損なわれるだけでなく、害虫やカビの発生などのトラブルにつながる恐れがあります。
中庭に面する壁が多いほど窓の数や建物の面積が増えて、夏は熱がこもりやすく、冬は冷気が入りやすくなります。快適な室内環境を保つには、高断熱・高気密の窓や壁材を選ぶなど、断熱・気密対策をしっかりと行うことが重要です。
中庭を挟んで部屋を配置する場合、移動が遠回りになることがあります。特に、キッチンから洗面所や浴室への家事動線、家族の行き来が多いスペースは、中庭の位置を踏まえて効率的に計画することが大切です。
中庭の面積は、敷地面積の約10%〜20%を目安にするといいでしょう。土地選びの前に、中庭をどう使いたいか考えておきましょう。テーブルと椅子を置いてくつろいだり、バーベキューを楽しんだりしたい場合は、畳5枚〜6枚分の広さがあると使いやすい空間になります。坪数に換算すると、2.45坪〜2.94坪(8.1㎡〜9.72㎡)です。
では、実際にどれくらいの敷地が必要なのでしょうか。一般的には30坪〜40坪(約99㎡〜132㎡)の敷地があれば、中庭付き二階建て住宅をゆとりをもって計画できるといわれています。
ただし、建物を建てる際は、土地ごとに定められた建ぺい率や容積率など、さまざまな規制を守る必要があります。たとえば、敷地が30坪で建ぺい率60%の場合、建築面積(建物を上から見た面積)の上限は約18坪(約59.5㎡)です。中庭の広さは敷地面積の10〜20%を目安に、約3坪〜6坪(約9.9㎡〜19.8㎡)を見込むとよいでしょう。
なお、土地にかかる規制は建ぺい率・容積率だけではありません。駐車スペースやアプローチ、隣家との距離なども考慮し、余裕をもった土地選びと間取り設計を行うことが重要です。

ここからは、二階建て住宅でよく採用される中庭の間取りタイプと、設計時の注意点を紹介します。
建物を四方から囲む「ロの字型」は、外部からの視線をほぼ完全にシャットアウトできるのが最大の特徴です。防犯性とプライバシーを両立したい方に適したプランです。二階建て住宅の場合、二階からも中庭の眺めを楽しめます。
ただし、四方を建物で囲むため、建築コストや工期が増える傾向にある点に注意が必要です。採光性や通風性は抜群ですが、中庭が狭いと圧迫感を抱きやすいため、十分な広さを確保できるか慎重に検討しなくてはなりません。また、室内の移動は中庭をぐるりと回る形になるため、生活動線が長くなりやすい点にも注意が必要です。
中庭の三方向を建物で囲み、一方向を開放したスタイルを「コの字型」といいます。中庭の広さは約4帖〜6帖(約7㎡〜10㎡)が目安とされています。LDKからフラットにつなげて、屋外リビングのように活用するスタイルが一般的です。光や風を取り入れやすく、子どもの遊び場としても安心なため、特に子育て世帯に人気です。
ただし、開放部分が隣家や道路に面する場合、視線対策が必要になります。また、建物の配置によっては中庭が細長くなり、採光や通風の確保に工夫が求められます。動線が複雑になる可能性もあるため、設計の段階でしっかり検討することが大切です。
建物の角をくり抜いた形の「L字型」では、3帖〜5帖(約5㎡〜8㎡)ほどのコンパクトな中庭を設けるのが一般的です。ロの字型やコの字型に比べてコストを抑えやすく、狭い敷地でも採光や通風を確保しやすいメリットがあります。LDKに隣接させれば、庭とつながる暮らしを気軽に楽しめるでしょう。
注意点は、囲い込みが弱く、プライバシーの確保に工夫が求められることです。向きによっては日当たりや風の通り方に偏りが出やすく、使い勝手の悪い空間になってしまう恐れもあります。
都市部の限られた土地でも、30坪〜40坪あれば中庭のある二階建て住宅を実現できます。ここからは、30坪台と40坪台それぞれに適した間取りプランを紹介します。
30坪台の敷地には、コの字型やL字型の間取りがおすすめです。3帖〜4帖(約5㎡〜7㎡)ほどの小さな中庭でも、ダイニング横に設ければ気軽に外とつながる開放的な空間になります。朝食を楽しむ場や子どもの遊び場など、多彩な用途に利用可能です。
40坪台の敷地なら、6帖〜8帖(約10㎡〜13㎡)ほどのゆとりのある中庭を確保しやすくなり、ロの字型の間取りも選択肢に入ります。家族や友人を招いて、バーベキューを楽しむのにも十分な広さです。リビングに吹き抜けや大開口を取り入れることで、中庭と一体化した開放的な大空間を実現できます。
中庭のある二階建て住宅での暮らしを具体的にイメージできるよう、ここでは、おしゃれな建築実例を3つ紹介します。

中庭に面してLDKと和室を配置した、コの字型の二階建て住宅です。中庭は外部から閉じられており、家の内部には大きく開かれているため、室内にいながらも明るさと開放感をたっぷりと感じられるのが特長です。家族の団らんや食事、来客時のおもてなしなど、中庭が暮らしの中心として活躍します。
イロハモミジやヤマボウシが植えられた中庭は、光や風、季節の移ろいを身近に感じられる癒しの空間です。2階の階段ホールからも眺めを楽しむことができ、家全体で自然の潤いを感じながら、ゆったりと過ごせます。
開放感とプライバシーを両立する中庭付き二階建ての建築実例を見る

建物をL字型に配置し、内側に中庭を設けることで、外部からの視線を気にせず過ごせるプライベートな空間を実現しています。約50帖の広々としたLDKは、リビング・ダイニング・キッチンの独立性と一体感を両立させた設計です。
天井の高さを活かした勾配天井が印象的なリビングは、ソファを中庭に向けて配置することで、四季の移ろいを眺めながらリラックスできる空間に仕上がりました。中庭に面した大きな間口が、まるで外の景色を切り取ったピクチャーウィンドウのようで、内と外が心地良くつながる暮らしを実現しています。

中庭を囲むようにリビング・キッチン・和室が配置されたコの字型の間取りで、どの部屋からも自然を感じられるよう工夫された住宅です。特に、キッチンから中庭を望む視界が広く、スケルトン階段越しに開放感あふれる空間が広がります。設計の際にこだわり抜いて選び、中庭に「川が流れるように配置した緑」が、モダンな雰囲気に和の趣を加えている点も魅力です。
和室から中庭までは、タイルフロアの廊下を挟んでフラットにつながっており、縁側のように内と外を心地良く結びつけます。自然と調和しながら、リラックスできる暮らしを実現できる住まいです。
中庭のある二階建て住宅は、光や風、開放感を確保しながらプライバシーも守れる人気の間取りです。都市部の30坪〜40坪ほどの敷地でも建設可能ですが、メリットとデメリットを理解したうえで、生活動線や防犯性も考慮した慎重な設計を行うことが大切です。紹介した建築実例などを参考に、自分たちの暮らしにぴったりの中庭プランを検討してみましょう。
▼関連する記事
【実例付き】中庭のある家の間取りは?メリット・デメリットや注意点も解説
【実例紹介あり】中庭(ロッジア)がある注文住宅の間取り|メリットや後悔しないためのコツを紹介
中庭(ロッジア)があるおしゃれな注文住宅を建てたい!間取りのコツや注意点を紹介
中庭のある家を建てた人の後悔とは?建てる前に考慮すべきポイントも紹介!
中庭のある家は排水経路の確保が必要?注意点やメリット・デメリットを解説
コートハウスのメリット・デメリットとは?後悔しないためのポイントも紹介
【中庭付き住宅】コの字の間取りのメリット・デメリットとは?デメリットの解消方法も紹介
【建築実例付き】パティオとは?メリット・デメリットやおすすめ間取り
【事例あり】コートハウスとは?メリット、デメリットを詳しく解説
【実例11選】ピクチャーウィンドウ(借景)とは?窓から見える素敵な風景を実例とともに紹介