住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
家を買うタイミングは「何歳が正解」「年収はいくら必要」といった単純な基準で決まるものではありません。
実際の住宅取得に関する各調査を見ても、年齢や収入だけでタイミングを図っているわけではないことがわかります。住宅取得の背景は、家族構成や住まいへの不満、結婚・出産・転職といったライフイベントなど、複数の要素が複雑に絡み合っています。
では、実際に“買っていい時期”とはいつなのでしょうか。
本記事では、新築住宅の最新データや専門的な購入基準をもとに、家を買うベストなタイミングや避けたい時期、判断するための具体的なポイントをわかりやすく解説します。

家を買うかどうかを判断する際は、いくつかの視点から整理するとスムーズに進められます。ここでは、年齢・収入・ライフイベントの3つの視点から「家を買って良い」と判断しやすいタイミングを解説します。
国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」を見ると、住宅取得者の年齢は30〜40代が中心です。特に、注文住宅は取得費用の平均が6,188万円(建築費のみ)、中央値は5,030万円と高額になりやすく、収入が安定してきた働き盛りの世代が多いようです。
なお、住宅ローン返済期間の平均(借入金の返済期間)は以下のとおりです。
住宅ローンの返済期間は30年前後が一般的であり、30代で借り入れれば60代前半で完済できるケースが多いです。住宅ローンの返済開始が40代以降になると、完済年齢が70歳近くになる場合もあります。
なかでも、新築住宅は返済期間が長くなりやすいため、年齢が若いほど返済計画を立てやすくなります。ただし、若ければ良いというわけではなく、収入の安定度や将来の見通しと合わせて判断する必要があります。
参考:令和6年度 住宅市場動向調査報告書|国土交通省 住宅局
国土交通省の同調査では、住宅を取得した世帯の平均年収も明らかになっています。詳細は以下のとおりです。
【住宅の種類別|平均世帯年収】
住宅の種類 | 平均世帯年収 |
注文住宅(全国) | 907万円 |
注文住宅(三大都市圏) | 1,042万円 |
分譲戸建住宅 | 851万円 |
新築分譲マンション | 891万円 |
既存(中古)戸建住宅 | 699万円 |
既存(中古)集合住宅 | 717万円 |
新築住宅を購入した世帯の平均年収は、中古住宅を購入した世帯よりも高い水準でした。頭金を用意しやすく、収入が安定している世帯ほど新築を選びやすい傾向にあるといえます。
また、住宅ローンの返済負担率は年収の17〜19%前後が平均的です。返済負担率とは「年収に対して年間の住宅ローン返済額が占める割合」を示す指標のことです。
調査の結果、各住居タイプの返済負担率は以下のような結果となりました。
【住宅の種類別|返済負担率と年間返済額】
住宅の種類 | 返済負担率 | 年間返済額の平均 |
注文住宅(全国) | 18.4% | 144.8万円 |
注文住宅(三大都市圏) | 18.3% | 158.0万円 |
分譲戸建住宅 | 17.6% | 132.1万円 |
新築分譲マンション | 16.1% | 126.5万円 |
既存(中古)戸建住宅 | 16.3% | 109.3万円 |
既存(中古)集合住宅 | 17.8% | 114.0万円 |
一般的には18%前後を目安にすると、生活に余裕を残しながら返済しやすい水準といえます。以下では、年収別に見た無理のない返済額の目安を整理します。
【年収別|年間返済額と月々返済額】
年収の目安 | 年間返済額の目安 | 月々返済額の目安 |
400万円台 | 約60万〜72万円 | 約5万〜6万円 |
500万円台 | 約75万〜90万円 | 約6.5万〜7.5万円 |
600万円台 | 約96万〜114万円 | 約8万〜10万円 |
700万円台 | 約119万〜133万円 | 約9.9万〜11.1万円 |
800万円台 | 約136万〜152万円 | 約11.3万〜12.6万円 |
900万円台 | 約153万〜171万円 | 約12.7万〜14.2万円 |
1,000万円台 | 約170万〜190万円 | 約14.1万〜15.8万円 |
年収に対する返済額の目安を把握しておくと、無理のない住宅ローン計画を立てやすくなります。購入後の家計悪化を防ぐためにも、あらかじめ返済可能な上限金額を意識して、物件価格や借入額を判断することが重要です。
参考:令和6年度 住宅市場動向調査報告書|国土交通省 住宅局
新築住宅の購入タイミングは、人生の節目となるライフイベントと重なるケースが多いです。
三井住友トラスト・資産のミライ研究所「令和の住み替え事情」(2024年)でも「家族構成の変化」が、住宅取得の主要なきっかけとして挙げられています。生活環境や価値観が変わるタイミングこそ、住まいに求める条件を整理でき、購入判断もしやすくなるでしょう。
住宅購入を検討するきっかけになりやすい代表的なライフイベントは以下のとおりです。
ライフイベント | 住まいを見直す理由・特徴 |
結婚・同棲を始めるとき | ・「今後の家族計画」「働き方」「住むエリア」を見直す家庭が増える ・将来の間取りや子育て環境を考慮しやすく、間取りや性能を柔軟に検討できる注文住宅と相性が良い |
妊娠・出産で生活スタイルが変わるとき | ・子どもの誕生は住宅取得理由の上位 ・「安全性」「広さ」「家事動線」などの条件が具体化しやすい ・間取りを自由に設計できる新築のメリットが最大限に活きる |
子どもの入園・入学・進学前 | ・学区を固定したい、通学の利便性を確保したいという理由で購入が増える ・特に小学校入学前は、世帯の動きが最も活発になる |
昇給・転職など収入に変化があったとき | ・住宅ローンの返済額や家計への影響を具体的に計算しやすくなる ・無理のない返済計画を立てやすいタイミング |
子どもが独立し、夫婦2人の暮らしに戻るとき | ・必要な部屋数や広さが大きく変わるため、老後に適した住まいへ建て替えや住み替えを選ぶケースが多い |
定年退職を見据える時期 | ・「老後も安心して暮らせる家にしたい」という理由で新築を選ぶ家庭もある ・バリアフリー性や将来の生活動線を意識した住まいを検討しやすい |
このように、ライフイベントは住まいを見直す明確なきっかけとなりやすく、自分たちに合った住宅を選ぶための判断材料を整理できる時期です。自分たちの状況と重なる項目がある場合は、購入を検討するタイミングに差し掛かっているのかもしれません。
※参考:令和の住み替え事情ー住まいの高額化時代における選択は?ー|三井住友信託銀行

家を買うか迷っている段階でも「この状況なら前向きに検討して良い」と判断できる共通点があります。特に、家計・貯蓄・住環境に変化が出たときは、現実的に住宅購入を考えやすいタイミングです。
国土交通省の調査では、新築注文住宅の年間返済額の平均値は144.8万円、月額に換算すると約12万円です。現在の家賃に管理費や駐車場代を含めると、同程度の住居費を支払っている家庭も少なくありません。
家計を見直した結果、月11〜12万円程度を安定して支払いながら、貯蓄もできる余裕があるなら、住宅ローン返済として現実的な水準に近づいているといえます。
※参考:令和5年 住生活総合調査(確報集計)結果|国土交通省 住宅局
国土交通省の同調査によると、新築住宅を購入した世帯の自己資金比率は、注文住宅で32.2%、分譲戸建で27.3%、新築マンションで44.7%と、比較的高めです。多くの世帯が3〜4割程度の頭金を用意して購入していることがわかります。
頭金を確保できると借入額を抑えられ、返済負担率が下がるだけでなく、金利上昇の影響も受けにくくなります。将来の教育費や生活費を見据えても、資金計画を具体化しやすいタイミングといえるでしょう。
※参考:令和5年 住生活総合調査(確報集計)結果|国土交通省 住宅局
先ほどの三井住友トラスト・資産のミライ研究所の調査によると、住宅購入を考えるきっかけとして多いのが「今の住まいへの不満」でした。部屋数や収納の不足、子育てによる手狭さ、騒音や日当たりなど、日常の小さな不便が積み重なることで、住まい全体を見直したい気持ちが強くなる傾向があります。
新築住宅は、間取り・設備・断熱性・家事動線を一から整えられるため、こうしたストレスをまとめて解消しやすい点が大きなメリットです。
※参考:令和の住み替え事情ー住まいの高額化時代における選択は?ー|三井住友信託銀行
身近な人の住宅購入が増えると、住まいに関する情報が一気に集まりやすくなります。実際、20〜40代を中心に住み替えや住宅購入を検討する動きは活発で、周囲の影響を受けて関心が高まる人も少なくありません。
この時期は、自分たちの暮らしと他人の選択を自然に比較しやすく「将来どう住みたいか」を具体的に考えやすくなります。判断材料がそろいやすいタイミングという点で、住宅購入を検討し始めるのに適した時期といえるでしょう。
一方で「今は少し待ったほうが良い」と判断できるケースもあります。無理な住宅購入は家計や暮らしに負担を残しやすいため、慎重な見極めが必要です。
収入が変動しやすい時期は、返済負担率を正確に見積もりにくく、住宅ローンの返済計画も立てにくくなります。転職直後は勤続年数の短さから、金融機関の審査で不利になるケースも少なくありません。
ボーナスや各種手当の有無が固まっていない段階では、家計の見通しも立てるのが困難です。住宅購入を急ぐのではなく、収入の安定が確認できてから検討するほうが安心です。
毎月の家計がギリギリ、あるいは赤字の状態では、突発的な出費に対応できずふだんの生活に支障が出ます。また、車のローンやカードローンなど既存の借り入れが多い場合、住宅ローンの借入可能額が制限されることもあります。
無理に購入を進めるよりも、家計の見直しや借入整理、貯蓄形成を優先することで、将来的に有利な条件でローンを組めるでしょう。
結婚・出産・転職など、生活スタイルが大きく変わる可能性がある時期は、必要な間取りや立地条件を定めにくいでしょう。家族構成や働き方によって、住まいに求める条件が大きく変わることも少なくありません。
変化が予想される段階で購入すると、短期間で住まいへの不満が生じるリスクがあります。ライフイベントがある程度固まってから検討するのも、後悔を避けるために有効な選択です。
住みたいエリアや将来の暮らし方が明確でないまま購入すると、通勤・通学・周辺環境とのミスマッチが生じやすくなります。特に新築住宅では、土地選びが住まいの満足度を大きく左右します。
まずは生活の優先順位を整理し、エリアや暮らし方の方向性を定めてから検討することが、後悔を防ぐうえで重要なポイントです。

家を買うタイミングの判断には、希望条件の整理が欠かせません。ここでは、購入前に確認しておきたい5つの基本ポイントを整理しながら、自分に合った住まいを選ぶための準備を解説します。
通勤・通学時間、最寄り駅までの距離、交通手段など、毎日の移動負担を基準に考えることが大切です。あわせて、スーパーや医療機関、学校、公園といった生活利便施設の有無も確認しておきましょう。
将来の街の発展性や治安、災害リスクまで含めて整理すると、エリア選びの失敗が少なくなります。特に、新築住宅は土地選びが満足度を大きく左右するため、優先順位を明確にしておくのがポイントです。
マンションは防犯性や駅近の利便性、管理のしやすさが強みです。一方、戸建ては間取りの自由度が高く、生活音を気にせず暮らしやすい点が魅力といえます。
子育て期か老後か、共働きかどうかなど、将来のライフステージを見据えたうえで、自分たちに合う住まいの形を選びましょう。近隣との距離感や生活音への配慮も含めて整理すると、適切な判断をしやすくなります。
住宅市場では「新築で長く住む選択」と「価格を抑える中古+リノベーション」という二つの考え方が主流になっています。新築住宅は最新設備や高い断熱性能、保証の充実度が魅力です。
一方で、中古住宅は購入価格を抑えやすく、希望エリアで選択肢が広がるメリットがあります。迷った場合は、初期費用だけでなく、修繕費や光熱費などを含めた総額で比較する視点が重要です。
住宅ローンは、返済負担率を目安に検討する必要があります。国土交通省の調査では、年収の17〜19%前後が平均的な水準とされています。
金利タイプや返済期間、頭金の額を整理し、月々の返済を無理なく続けられるかを確認しましょう。教育費や車の購入、将来の医療費なども含めて考えておくと、より現実的な計画を立てやすくなります。
参考:令和6年度 住宅市場動向調査報告書|国土交通省 住宅局
現在の家族構成や働き方、在宅ワークの有無、家事動線や収納量などを具体的に書き出し、整理しておくことも大切です。あわせて、子どもの成長や将来の生活変化を想定しておくと、長く快適に過ごせる間取りを考えやすくなります。
イメージが固まりにくい場合は、モデルハウス見学や施工事例、シミュレーションを参考にすると、具体像を描きやすくなるでしょう。
家を買うベストタイミングは、年齢や収入、ライフイベントによって人それぞれ異なります。大切なのは「いつ買うべきか」を他人の基準で決めるのではなく、自分たちの暮らしに合う条件がそろったタイミングを見極めることです。
焦って決断する必要はありませんが、準備を後回しにすると、選べる物件や選択肢が限られてしまう可能性もあります。将来の働き方や家族構成、資金計画を丁寧に整理しながら、自分たちにとって無理のない購入時期を見つけていきましょう。
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