住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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圷みほさん
圷みほさんには、お気に入りの習慣があります。それは夕食の後、コーヒーを飲みながら椅子に座って、部屋を眺めること。フルリノベーションした築40年の集合住宅には、一つひとつ選んだ雑貨や家具が配されて、目にも心地いい。その部屋を眺めていると幸せな気持ちになるのです。
そう感じられるのは、好きなものがあるだけでなく、家がすっきりと片付いているからでもあります。
「いえいえ、決して整理整頓が得意ではないのです。でも、大好きな自然素材のかごで収納するようになったら、見た目も気持ちいいし、片付けが楽しくなったんです」と圷さん。
例えばキッチンでは、引き出しの代わりにかごが活躍。中身はまな板だったり、タオルやリネンだったり、キッチンペーパーなどのストックだったり。なんと、調味料まで小さなひとかごに!使う時はかごごと出し入れ、これなら散らかりません。
時折、かごのほこりを払い、ハッカのオイルをスプレーして虫よけ対策。そのひと手間も、いい気分転換です。
「かごはいくらあっても困らないと思っています。何も入れずに置いておくだけでも雰囲気がいいし、使うたびに旅先やお店など、買った時の思い出がよみがえるのもうれしいものです」
圷家は、夫妻と娘さんの3人暮らし。片付けのルールが、家族間で共有されています。例えば、「外出時の持ち物を入れるかご」を家族それぞれが持っていて、中身は各自で管理します。圷さんはエコバッグやタオル、夫は靴下、娘さんは登校時のハンカチや帽子。これなら忘れ物を減らせます。家族の成長に合わせて、かごの中身も変わっていくでしょう。このゆるやかなルールは、家族それぞれが心地よく暮らす礎にもなっているようです。
居間の小上がりは、たっぷりとした収納も兼ねています。使わないおもちゃをしまえば、いつでもすっきり。
「娘はこの上で遊ぶことが多いので、散らかっても小上がりの部分だけ。私たち夫婦はソファに座ってのんびりくつろげます」と圷さん。大人も子どもも同じ空間で過ごす時間を楽しんでいます。
ものをしまい込むばかりではありません。壁の一部を解放して、娘さんの描いた絵や手紙をコラージュ。貼りきれない分は、箱の中にしまっています。
「娘の描いたものはのびのびしていて、見ていると元気が出るんです。娘もうれしいみたいで、『わたしの小さな美術館』と呼んで喜んでいます」
好きなものを大切に、家族と心地よく暮らす。圷さんの家には、そんなヒントが詰まっていました。
IT企業、セレクトショップでの経験を経て、2015年から「毎日の暮らしを少し楽しくする衣食住」をコンセプトに、ウェブショップ「acutti」を運営。古道具や古家具にIKEAや無印良品、百均やリユース、ぬくもりのある作家ものを柔軟に組み合わせた暮らしぶりが人気。
著書に、『かごと木箱と古道具と。-日々をいろどる“もの”選び-』(ワニブックス)がある。●www.acutti.com