住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】

「保留地」とは、形が整っていない土地(不整形地)の区画を整理し直す「土地区画整理事業」が行われた際に、新たに生み出された土地のことです。
昔からある市街地では、道路幅が狭く曲がりくねっていたり、土地の形状が複雑であったりすることがあります。このような土地は、活用には工夫が必要になります。住宅や公共施設を建てるにしても、道をつくるにしても区画にそって変形せざるを得なくなってしまうからです。
そこで、住みやすいまちづくり政策の一環として、不便な土地の区画を整理し直す「土地区画整理事業」が行われます。不整形地の一部を削って区画を整理していくと、結果的に新たな区画が生まれます。この区画が「保留地」です。最終的には売却予定地となり、売却した代金は事業資金の一部に充当されます。
保留地は権利関係を中心に、一般の宅地とは異なる扱いになります。区画整理のために、土地の権利を持っていた人たちが自分の土地の一部を削って提供した結果生まれた土地であり、区画整理が完了するまでは、土地の所有者は土地区画整理事業の施工者(組合や自治体)が預かることになります。
そのため、売買には不動産会社の仲介を必要としません。事業施工者が直接土地の販売を担当するので、仲介手数料がかからず、その地域の相場より安く売買される場合が多いです。
条件が良いため人気が高い保留地ですが、区画整理事業が完了するまで登記ができない、購入希望者が多いために購入が抽選になる、住宅ローンが利用しにくいなどの懸念点もあります。


保留地は、土地活用に適した土地です。周辺を含めて区画整理が行われているので、住宅にしても商業施設や公共施設にしても、新たな建物を建てやすいという特長があります。
区画整理時に道路やインフラも整備されるので、新たに環境整備を考える必要もなく、快適な住環境が約束されているので、将来的に周辺一帯が発展することも予想できます。
その結果、安全性の向上、地域の活性化、商業施設や公共施設への雇用の促進なども見込めるでしょう。
こうした保留地を活用するなら、中長期的な視点が必要です。多様な活用方法が考えられますが、主に住宅地にするか、店舗経営や集合住宅経営での投資的な活用が考えられます。
住環境が整備されて、相場より安く買えることから戸建用の土地として購入する人も多いでしょう。家族で住むなら、公園や学校、病院などの公共施設までの距離、買い物のしやすさなども検討材料になります。
街道付近で駅や商業施設が近いなど、集客が見込めるエリアに位置しているのなら、賃貸住宅経営という選択肢も有効です。
用途地域を確認する必要はありますが、立地や周辺の環境次第では商業施設の建設、駐車場やトランクルームの経営など、事業的な土地活用にも適しています。


保留地の購入・活用を考えるにあたって、いくつかの懸念点と注意事項があります。
一番の問題点は、区画整理事業が完了するまで「登記できない」ことです。
保留地は、いわば区画を整理するためにはみ出た部分を寄せ集めた土地なので、区画整理が完了するまでは隣接地との境界や面積が確定せず、法的には存在しない土地とみなされます。
そのため、確定するまでは購入しても買主名義の登記ができません。一時的に施工者が所有権を取得し、区画整理事業完了後に、購入者名義の所有権移転登記が行われるという流れになります。
区画整理の途中でも保留地の販売はできるため、早い段階で土地を手に入れることはできます。ただし、区画整理中は周辺のインフラ整備が完了していなかったり、登記上の問題ですぐには建築工事が始められないこともあります。
また、用途地域や建築制限が定められている場合もあるので、十分な確認が必要です。どのような建物を建てるか計画する段階で、地盤や災害リスクも確認し、地盤の強化や改良工事の有無を検討しておくことが望ましいでしょう。
保留地の現状の地目や、今後の変更可能時期の確認が必要です。現状の地目が「農地」の場合は、売買の際に農地転用届が必要になるからです。
また、区画整理が完了するまで地目変更ができないので、区画の地目を「宅地」に変更するまでに時間がかかり、当然登記も遅れることになります。
登記できない間は抵当権を設定できないため、金融機関から担保評価で指摘されて住宅ローンの審査が不利になるケースも考えられます。金融機関で融資が認められないと、利用できるローンが限定され、特定の地銀や信用金庫、提携する金融機関の保留地ローンなどしか使えないこともあります。

相場より安い可能性があり、周辺を含め住環境が整備された保留地。魅力的な土地ではありますが、区画整理事業によって生まれる土地なので、区画整理事業の状況に左右される点も少なくありません。保留地の売買に関しては、一般的な不動産取引と比較すると公開されている情報が少なく、自発的な調査や情報収集が必要になります。
どれほど事業の完了を待ち望んでいても、計画通りに区画整理が進まない場合もあり、保留地の購入から活用までの見通しが立てづらいことは否めません。中長期的な視点で、じっくりと腰を据えて取り組むことをおすすめします。
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