ファミリークローゼットで失敗しないために知っておきたいポイント

【目次】

近年マイホームに、ファミリークローゼットを取り入れるケースが増えています。ファミリークローゼットには多くの魅力がありますが、採用する際には注意すべき点もあります。

本記事では、ファミリークローゼットの設置に関して事前に押さえるべきポイントや注意点などを紹介します。家づくりを検討している人は、本記事をぜひ参考にしてください。

ファミリークローゼットの基礎知識

ファミリークローゼットとは名前のとおり、家族全員で使うクローゼットのことです。大型の収納スペースに家族全員分の衣類や荷物などをまとめてしまえるため、ほかの居室が散らかりにくくなるというメリットがあります。

収納のほかにも着替えなどの身支度ができるスペースや、洗濯物を干すスペースを設けるといった多目的な使い方ができるのが、ファミリークローゼットの大きな特徴です。

基本的な4つのレイアウト

ファミリークローゼットには「Ⅰ型」「Ⅱ型」「L型」「コの字型（U字型）」など複数のタイプがあり、収納棚やハンガーパイプのレイアウトによって分類されます。

もっともシンプルなのが、一辺の壁に向かって収納棚が設けられているⅠ型です。

Ⅱ型は向かい合う二辺の壁に収納棚が構えられており、L字型は文字通りL字の形で二辺に収納棚が設置されています。

収納棚が多いほど収納できるアイテムの量は増え、三辺に収納棚のあるコの字型は収納力の高さが期待できます。

2つの動線

ファミリークローゼットは動線の違いにより「ウォークインクローゼット」と「ウォークスルークローゼット」の2種類があります。

ウォークインクローゼットは歩いて入れる収納部屋、いわば単純な物置タイプです。出入口は一か所のみですが、それ以外の３面を収納として使えるので十分な収納量を確保できます。

一方、ウォークスルークローゼットには２カ所以上の出入口があり通り抜けることができます。回遊動線を取り入れることで家事の効率化も期待できます。

ただし、ウォークスルークローゼットは人が通る通路のスペースが必要になるので、その分ウォークインタイプに比べて収納スペースが少なくなります。

またウォークスルータイプは、設置する場所によっては目かくしや匂いの付着を防ぐためにドアを設置した方がいい場合があります。

ファミリークローゼットでよくある失敗

ファミリークローゼットの失敗としてまず挙げられるのが、配置の問題です。たとえば、リビングやランドリールームから離れたところに設置すると、畳んだ洗濯物を運んで収納するまでに手間がかかります。

また、もう少し広くしておけばよかったという声もよく耳にします。荷物をぎっしり詰め込んだ状態になると、何をどこにしまったか分かりにくくなり、使い勝手が悪くなる恐れがあります。

逆にファミリークローゼットを広く取り過ぎて、他の空間が狭くなってしまっては本末転倒です。

このような失敗は、いずれも漠然としたイメージのまま設計を進めたことが原因です。

ファミリークローゼットはどこに設置すると失敗しない？

ファミリークローゼットに関する失敗を避けるために、おすすめの配置をいくつか紹介します。設置の目的や用途、ほかの生活空間とのバランスなどを考慮しながら最適な配置を検討しましょう。

洗濯物干しスペースや脱衣所の近く

衣類のほかに下着やタオル類をファミリークローゼットへ収納する場合は、洗濯物干しスペースの近くに設置するのがおすすめです。洗った洗濯物を干して取り込み、収納するまでの動線がスムーズになります。

いずれかの空間に洗濯物を畳めるテーブルなどを設置しておけば、毎日の家事がより快適になるでしょう。また、脱衣所の近くに設置すれば、朝の支度や帰宅後の着替えがスムーズになります。

起床時や帰宅直後にシャワーを浴びる習慣がある人も、脱衣所付近への配置をぜひ検討してください。

玄関の近く

外出時の身支度や、帰宅時に荷物を片付けて着替えをおこなう際の動線を意識する場合は、玄関付近にファミリークローゼットを配置しましょう。ウォークスルータイプの設計で、玄関まで直接つながる間取りにするとより便利です。

玄関の近くに設置する場合は、着替え以外にコートや帽子、カバンや靴など、外出に必要な小物類を収納するのが理想です。外出前や帰宅後の動きがスムーズになるほか、コートに付着したホコリやウイルスを居室へ持ち込みにくくなるというメリットもあります。

リビングや家族の部屋の近く

家族が集まるリビングとファミリークローゼットをつなぐのも一つの選択肢です。

リビングはほかの空間から出入りしやすい場所に配置されることが多く、その点を考慮するとファミリークローゼットにもアクセス性の高さが期待できます。時間に追われがちな朝の時間帯にクローゼットの中が立て込んでいても、横のリビングで着替えられて便利です。

順番待ちをする必要がないため、スムーズに身支度を進められるでしょう。

ファミリークローゼットで失敗しないために必要な広さ

ファミリークローゼットには、家族の人数や荷物の量が多いほど広いスペースが必要です。4人家族の場合は最低でも3帖、スキーや登山などに使う季節物も収納する場合は4.5帖～6帖程度確保するのが理想です。洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたりするためのスペースを設けたい場合は、さらに大きくしなければなりません。

収納以外の使い道を求めるのかどうかも検討しながら、最適な広さのファミリークローゼットを設置しましょう。スペースを十分に確保できない場合は各居室にも別途収納スペースを設けて、頻繁に使用するアイテムのみファミリークローゼットに収納しましょう。

ポイントをおさえて快適なファミリークローゼットのある住まいにしよう

マイホームにファミリークローゼットを取り入れることで、生活動線や家事効率の向上が期待できます。

ただし、大きさや配置選びに失敗すると、使い勝手の悪い空間になる可能性があるため注意が必要です。ウォークスルータイプとウォークインタイプのどちらにするかは、間取りのバランスや収納したいアイテムの量に合わせて検討してください。

記事の中で紹介した注意点やおすすめの配置などを理解したうえで、ファミリークローゼットのある快適な住まいを実現しましょう。