住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
「家事室って便利そうだけど、実際どんな間取りがいいの?」そんな疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。洗濯やアイロンがけ、ちょっとした作業にも活用できる家事室は、共働き世帯を中心に人気があります。ただし、広さや配置を誤ると、使いづらくなってしまう可能性もあります。この記事では、家事室のメリットとデメリット、設計のコツ、そして家事効率がグンと上がる間取り実例を分かりやすく紹介します。
まずは、家事室の基本的な役割と、導入することで得られるメリット・デメリットを解説します。
家事室とは、洗濯やアイロンがけ、書類整理、ちょっとした雑作業など、日々の家事を効率よくこなすためのスペースです。キッチンや洗面室の近くに設けることが多く、家の中で作業に集中できる“もうひとつの仕事場”のような存在です。
「ユーティリティスペース」とも呼ばれ、完全な個室として独立させる場合と、部屋の一角を区切って設置する場合があります。「家事をまとめて片づけたい」「洗濯グッズを出しっぱなしにしたくない」という方などに便利な空間です。
家事室があると家事動線が短くなり、毎日の負担が軽減されます。たとえば、家事室に室内物干しスペースを設けると、「洗濯」「干す」「畳む」「しまう」の作業を1カ所で完結できます。キッチンとは別の空間で作業できるため、集中しやすいのもメリットと言えるでしょう。
また、家事道具を出しっぱなしにせず片づけられるので、生活空間がすっきりと整います。ライフスタイルに合わせて家事室を設計すれば、家事の負担をグッと減らすことができます。
家事室は便利な反面、ほかの生活スペースを狭くしてしまう可能性があるので注意が必要です。特に限られた床面積では、リビングや収納を狭くしてしまう可能性があります。また、家事動線を考慮せずに設計すると、かえって移動が増え、作業の手間が増えるかもしれません。
さらに、洗濯専用など用途を限定してしまうと、使われなくなるリスクもあります。将来の使い方も想定し、柔軟に活用できるよう設計することが大切です。
家事室の活用法は家庭の生活スタイルによってさまざまで、暮らしをより快適にしてくれる工夫が詰まっています。ここでは、家事室の代表的な活用方法を紹介します。
家事室をランドリースペースとして使えば、「洗う」「干す」「たたむ」「収納」までの一連の流れを1カ所でこなせます。洗濯機や乾燥機のそばにアイロン台や収納棚を設けることで、無駄な移動が減り家事効率が大幅にアップします。天候に左右されない室内干しスペースとしても使えるため、共働き家庭にも適した活用方法です。
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家事室をパントリーとして活用すると、食品や日用品のストックを一元管理できます。広めの棚を設けて缶詰、乾物、調味料などを整理すれば、料理をスムーズに進められます。買い物後もすぐに収納できるため、在庫の管理がしやすく、買い忘れを防ぎやすいでしょう。さらに、ストックの見える化によって計画的な買い物が可能となり、家計のムダ削減にもつながります。
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家族全員の衣類をまとめて収納できるファミリークローゼットとしての活用もおすすめです。ランドリースペースに隣接させておけば、洗濯物を取り出してすぐに収納できるので、家事に費やす時間を大幅に削減することが可能です。洗面室や寝室と近い配置にすれば、朝の支度もスムーズに進められるでしょう。
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家計簿をつけたり、パソコンで作業をしたりする空間としてもおすすめです。リビングやダイニングよりも静かで、家族の出入りも少なく、集中しやすい環境がつくれるので、在宅ワークや趣味の作業にも適しています。また、自分だけの「こもりスペース」として確保すれば、気持ちの切り替えもしやすく、作業の質が向上しやすい点も魅力です。
便利な家事室を実現するには「自分たちの生活の中で何をそこでしたいのか」を明確にすることが大切です。そこで、家事室を設計する際に押さえておくべきポイントを解説します。
家事室は、「洗う」「干す」「畳む」「収納」の流れをできるだけ短くまとめるのが理想です。たとえば、洗面室やクローゼットとつなげることで、洗濯にかかる移動を減らして、効率的な動線を実現することができます。キッチンとの動線も確保しておくと、料理の合間に洗濯作業を挟むといった時間の有効活用もしやすいでしょう。
家事室の広さは、用途に応じて1.5〜3畳が目安です。洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたりといった作業を快適に行うには、2畳以上のスペースが理想です。特に、作業台や収納棚を設ける場合は、動線を妨げないための空間確保も重要です。一方で、スペースに限りがある場合は、壁面を有効に使ったレイアウトを検討しましょう。
家事室を快適に使うには、必要な物をすぐに取り出せる収納の工夫が必要です。よく使うアイテムを手元に集約すれば、無駄な動きが減り、作業効率がぐっと高まります。たとえば、洗剤、アイロン、ミシンなどをしまえる棚や引き出しを備え、作業台や可動棚、パイプハンガーを組み合わせて収納を立体的に活用するとよいでしょう。動線を妨げないように配置を工夫することで、作業中のストレスも軽減されます。
収納の多い家の間取りアイデア集!メリット・デメリットや建築実例を紹介
洗濯物を室内干しする機会が多い家事室では、湿気対策が欠かせません。湿度が高い状態が続くと、カビや臭いの原因にもなりかねません。快適な環境を保つには、窓を設けて自然換気を行うか、換気扇を設置して空気の循環を促す方法が手軽です。また、アイロンやミシン、パソコン作業を想定する場合は、使いやすい高さや位置にコンセントを配置しておくことも忘れないようにしましょう。
ここでは、パナソニック ホームズが手がけた家事室の建築実例をもとに、実際に使いやすさを重視した間取りレイアウトを5つ紹介します。
こちらの実例では、玄関ホールから洗面室、家事室へとスムーズにアクセスできる直結動線を採用しています。家事室内には大容量の壁面収納と室内干しスペースが設けられており、LDKへも回遊できる設計です。この配置により、脱衣・洗濯・収納といった日常の動きが効率的になり、ストレスの少ない暮らしが実現しています。
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こちらの実例では、キッチン横に玄関ホールや廊下、キッチンにつながるユーティリティスペース(家事室)を設置しました。回遊動線が生まれたため、洗濯から干す、畳む、収納するという家事の一連動作を1カ所で完結できるようになりました。さらに、部屋干しファンと調湿タイルの採用により、湿気対策も万全です。
多機能ユーティリティで家事を完結!調湿&回遊動線が叶える住まいの建築実例を見る
こちらの実例では、リビング横に畳敷きの家事室を設け、バルコニーとの動線を確保しています。洗濯物を取り込んでからの動きがスムーズになった家事室には、室内干しにも対応した広いカウンターや物干しユニットを設置しています。洗面台も併設されており、天候に左右されず、効率的に家事を進められる環境が整っています。
リビング隣接の家事室で、洗濯から収納までの家事効率を向上した住まいの建築実例を見る
こちらの実例では、キッチンに隣接して家事室を新設しました。洗濯機の隣にシンクを配置し、汚れ物の予洗いにも対応できます。リビングとの仕切りには引き戸「スクリーンウォール」を採用しており、開放感と独立性を両立しています。料理の合間に洗濯やアイロンがけができるなど、動線が改善され、家事全体の効率が格段に上がる間取りになりました。
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こちらの実例では、2階に設けた4.5帖のフリールームと2.5帖のサンルームを新設しました。フリールームはメイクやアイロンがけ、将来的にはお子さまの勉強スペースとしても活用可能な柔軟性の高い空間です。隣接するサンルームには洗濯機と室内干しユニット「ホシ姫サマ」を設置し、天候に左右されず洗濯物を干せる環境が整っています。
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最後に、家事室づくりを進める際にチェックしておきたいポイントと工夫点を紹介します。
【家事室づくりのチェックリスト】
■家事動線はスムーズにつながっているか?
■家事室のために他の部屋が狭くなっていないか?
■収納棚や作業スペースは足りているか?
■換気・採光・コンセントの配置は適切か?
■将来は別の用途でも使える設計か?
【家事室を快適にする工夫】
■回遊動線や多目的利用を意識する
■家族の動き方に合った位置に配置する
■作業だけでなく収納や在宅ワークにも活用できる設計にしておく
■長く使い続けられる空間にするためには、少し余裕を持たせた設計がおすすめ
これらのチェックポイントと工夫を取り入れると、家事室は毎日の暮らしを快適に支える空間になります。家事効率の向上には、動線や収納、設備の配置を見直すことがポイントです。また、将来の使い道も考慮して設計することで、長く活用できる多目的な空間になります。設計段階でしっかりと計画を立て、後悔しない家づくりを目指しましょう。
家事室は、暮らしに“効率”と“ゆとり”をもたらす便利なスペースです。間取りや配置を工夫すれば、毎日の家事が驚くほどスムーズになります。ただし、広さや動線、将来の使い方までを見据えて計画しないと、思ったように使えない部屋になることも。今回紹介したポイントや実例を参考に、自分たちのライフスタイルにぴったり合う家事室をぜひ検討してみてください。
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