住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
理想の家づくりを考えるにあたって、生活の中心となるリビングの広さをどうするかは重要なポイントです。間取りを検討するなかで、「20畳のリビングって実際どうなの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
20畳という広々とした空間は魅力的ですが、間取りや家具の配置によって、快適さは大きく左右されます。
本記事では、20畳のリビングを設ける場合のレイアウト例やおしゃれに見せるコツ、失敗しないために取り入れたい工夫など、詳しく解説します。
20畳というと広いイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか。家族人数別に、快適に過ごせるLDKの広さの目安をまとめたのが次の表です。
家族人数 | 快適なLDKの広さ目安 | リビングの特徴・ポイント |
2人家族 | 約12〜14畳 | コンパクトながらも快適に過ごせる広さだが、家具の配置には工夫が必要 |
3人家族 | 約14〜16畳 | 子どもの遊び場や収納スペースも確保しやすい広さ |
4人家族 | 約16〜20畳 | 家族全員がゆったりと過ごせる広さであり、レイアウトや動線にも余裕あり |
5人家族以上 | 約20〜24畳 | 用途に応じたゾーニングも可能な広さ |
特に、4〜5人以上いる家族で、全員がリビングを中心に生活する場合や、来客が多い場合は、20畳以上の広さがあると快適に過ごせます。
ただし、スペースが広がるほど、冷暖房効率が低下したり掃除の手間が増えたりといった問題も生じるので、単に広くすればよいというものでもありません。家族のライフスタイルに応じた適切な広さを確保することが重要です。
間取り図では、LDKのほかにLDという表記も見られます。両者はどのように違うのでしょうか。
LDKは、リビング(L)・ダイニング(D)・キッチン(K)が、同じ空間にまとめられた一体型の間取りを意味します。一方、LDはキッチンが独立型(壁付けや独立した部屋にある)である場合が多く、リビングとダイニングがセットになっている間取りが一般的です。
たとえば、「LDが16畳、キッチン単体で4畳」といったように、同じ「20畳」でもスペースが分かれていると印象は大きく変わります。LDK全体で20畳なのか、LDのみで20畳なのかでは、使い勝手や開放感が大きく変わるため、間取りを確認するときは、「どの部分を含んだ畳数か」をあらかじめ確認しておくことが大切です。
同じ20畳のリビングでも、形状によって使い勝手やおすすめのレイアウトが異なります。ここでは「長方形リビング」「L字型リビング」「正方形リビング」の3つについて、詳しく見ていきましょう。
LDK(もしくはLD)が、横長や縦長の四角形になっている「長方形リビング」は、最も一般的な間取りタイプといえます。形がシンプルなので、動線がスムーズで、家具配置がしやすいのが特徴です。
横長の長方形なら、キッチン・ダイニング・リビングを横一列に並べた「横並びレイアウト」が可能になり、縦長であれば「縦割り配置」による緩やかなゾーニングにも対応できます。例えば、ダイニングテーブルの先にソファを設置すれば、ダイニングとリビングを自然にゾーニングできます。
テレビ、ソファ、ダイニングセットなどの大型アイテムの位置を直感的に決めやすく、レイアウトの失敗が少ない間取りといえるでしょう。
「L字型リビング」は、L字の角に当たる部分を使って、リビングとダイニングを自然にゾーニングできるのが特徴です。用途によって空間を分けられるため、視線の抜けや空間の仕切りを意識することで、生活にメリハリが生まれるとともに、家族同士の動線も交錯しにくくなります。
例えば、L字のリビング側のくぼみにソファを配置すれば、くつろぎエリアと食事エリアを明確に分けることができ、使い勝手のよいLDKを実現可能です。
また、キッチンをL字の中心に設ければ、両側のリビング・ダイニングどちらにも視線が届きやすくなり、家事をしながらでも子どもの様子を見守ることができるでしょう。
縦横のバランスが整っている「正方形リビング」は、LDKの空間全体に一体感を持たせやすいのが特徴です。生活動線が放射状に広がるため、部屋のどこからでもリビングにアクセスしやすく、回遊性の高い間取りを実現できます。ソファとテレビを対角に置くなど、対角線状に視線の抜けを確保することで、開放感も演出できるでしょう。
その反面、家具の配置によっては、家族の動線が重なりやすいという課題も。動線に配慮したレイアウトにしないと、家族が同時に行動する朝や夕方を中心に家族同士の動きがバッティングして、使いづらさを感じることがあるかもしれません。
20畳の広さを活かした設計やレイアウトを盛り込んだリビングにすれば、生活の質を高めることができます。具体的にどのようなメリットが期待できるのか、見ていきましょう。
20畳の広さがあれば、同じ空間にいても、家族一人一人が程よい距離感のなか、思い思いの時間を過ごすことができます。その結果、リビングで過ごす時間が増え、家族のコミュニケーション促進につながるでしょう。
また、子どもの勉強や遊び、大人の仕事、家事など、多目的に使えるのも大きな魅力です。
20畳のリビングは、ライフステージの変化に対応しやすいのもメリットです。例えば、空間の一部を仕切ってワークスペースにしたり、畳コーナーをキッズスペースにしたりと、比較的自由なゾーニングや用途変更が可能です。
20畳の広さがあれば、子どもの成長、独立、二世帯同居など、将来訪れるライフスタイルの変化にも対応しやすいでしょう。
20畳あれば、ソファ、ダイニングセット、収納家具、テレビなどをゆったり配置できます。アイテムが多くても動線を邪魔しにくく、空間をスッキリと見せることができます。家具同士の間隔も広く取れるので、圧迫感を感じることもないでしょう。
20畳の広いLDKでは、上部に大きな吹き抜けを設けたり、外に面して大開口の窓を設けたりすることも可能です。そこから自然光を十分に取り込めるので、明るく開放的な空間を叶えられます。
また、大開口窓や吹き抜けの高窓・天窓を開け放てば、自然の風が吹き抜けます。換気性が高くなるので、いつでも快適な室内環境を保てるでしょう。
20畳あるリビングは、椅子やテーブルを無理なく追加できるので、友人や親族が集まる場面でも、空間にゆとりを持たせられる点も強みです。たくさんの人が集まっても窮屈さを感じにくく、ゲストが快適な時間を過ごせます。
広くて快適な20畳のリビングですが、設計やレイアウトによっては後悔することも考えられます。ここで紹介するデメリットを理解したうえで、プランを検討しましょう。
空間が広くなるほど、冷暖房は効きにくくなります。その結果、光熱費の負担が大きくなるかもしれません。特に、天井が高かったり吹き抜けがあったりする場合、冷暖房効率が低下しやすいため、空調の位置や数を慎重に検討するとともに、断熱性と気密性の高い設計に配慮しましょう。
床面積に限りのある住宅でLDKを広げようとすると、必然的にほかの居住スペースの広さが制約を受けます。個室や水まわりが狭くなって、使い勝手が悪くならないよう、各部屋のスペースのバランスを考慮することも大切です。
「20畳も広さがある」と考えて、家具を増やし過ぎると生活動線が悪くなりかねません。せっかくの広さを十分に活かすためにも、メリハリのあるゾーニングやレイアウト計画を立てるようにしましょう。
20畳もあると、必然的に掃除の手間と時間がかかるもの。家事負担を少しでも減らすため、ロボット掃除機や家事の時短アイテムを活用することをおすすめします。スペースに余裕があると、かえって物が散らかりやすくなる可能性もあるので、アイテムごとの収納場所をしっかり決めておきたいところです。
「リビングは広ければ広いほどよい」と考えがちですが、家族の人数やライフスタイルによっては、むしろ広さを持て余す可能性もあります。また、子どもの独立などの変化によって、将来的に空間が余ってしまうこともあるでしょう。
スペースを無駄にしないため、将来を見据えて広さを決めることもポイントです。
前述のデメリットを踏まえ、20畳のリビングのレイアウトで失敗しないために取り入れたい工夫を5つ紹介します。
まずは、自分たちの暮らしを振り返って、リビングに必要な機能を洗い出すことから始めましょう。リビングに求められる代表的な機能は次のとおりです。
これらのなかから、自分たちに必要な機能を把握することで、配置やアイテムの優先順位が明確になり、レイアウトで失敗しにくくなります。
家具も、家族の人数やライフスタイルに合った物を選ぶことが大切です。家具はデザインだけでなく、掃除のしやすさ、動線確保、将来の変化まで想定し、適切な物を選びましょう。
例えば、小さな子どものいる家庭では、角の少ないロータイプの家具を選んだり、親が見守りながら宿題をできるようなテーブルや収納の配置を検討したりするのがおすすめです。3人家族であれば、コンパクトなL字形ソファと小ぶりのダイニングテーブルを組み合わせることで、空間を有効活用した効率的なレイアウトになります。
20畳のリビングにおいて、部屋の主役になり得るのがソファです。広さがあるからといって、考えもなく大きなソファを選んでしまうと、圧迫感や使いにくい動線の原因になりかねません。
背の低いデザインや脚付きの軽やかなデザインのソファを選ぶことで、視線の抜けを確保しやすくなり、圧迫感が生じにくくなります。また、動線上にソファを置かないよう注意しましょう。
このように、家族の集まる場所の中心にふさわしいソファ選びとレイアウトを意識すれば、広さを活かした快適なリビングを実現できます。
20畳あっても、収納スペースが不足していると、すぐ物で散らかってしまいます。20畳という広さを十分活かすためには、収納もレイアウトの一部として計画することが大切です。
壁面収納やTVボード下収納などを最大限活用し、おもちゃ・書籍・生活用品など、アイテムごとの居場所を明確にしましょう。「隠す収納」と「見せる収納」のバランスも考え、整った状態を保てるようにすることが、快適なリビングを実現する鍵となります。
畳コーナーや小上がりスペースなど、フレキシブルに使える空間を取り入れることで、20畳のリビングの使い勝手がさらにアップします。
これらの空間は、子どもの遊び場やお昼寝スペース、洗濯物をたたむスペース、くつろぐスペース、ゲストをもてなすスペースなど、さまざまな用途で利用可能です。小上がりの場合、床下を大容量の収納として使うこともできます。
使い勝手のよいリビングにしたいなら、室内に1ヵ所、こうした「目的を限定しない空間」を設けるのもおすすめです。
せっかく広いリビングにするなら、見た目もおしゃれにしたいところです。ここでは、20畳のリビングをおしゃれに見せるためのポイントを紹介します。
20畳のリビングをおしゃれに見せるには、視線の抜けを作り、開放感を演出することが大切です。具体的には、視線の抜ける部分に低めの家具、両脇に高めの家具といった具合に、高低をバランス良く組み合わせれば、洗練された印象のリビングになります。
例えば、低めのソファに背の高いグリーンやフロアライトを合わせたり、空間を区切るのに背面がオープンになった棚を使用したりするとよいでしょう。
1個のシーリングライトだけで空間を照らすと、どうしても単調な雰囲気になりがちです。ダウンライト、間接照明、ペンダントライトなどの複数の照明で「光のレイヤー」を作ることで、陰影による奥行きや立体感が生まれ、夜の雰囲気がぐっとおしゃれになります。
食事スペースとくつろぎスペースで照明の色温度を変え、照明計画でゾーニングするのもおすすめです。
種類の異なるフローリング、アクセントクロス、天井の躯体現しなど、部分的に違う素材を取り入れることで、広い空間でありがちな「のっぺり感」を防ぐことができます。
和紙や織物など質感のあるクロスを使用したり、木目の天井にしたりすれば、温かみのある落ち着いた空間を演出できるでしょう。
20畳の広さがあれば、用途ごとに空間を緩やかにゾーニングすることも可能です。背の高い家具、フローリングの切り替え、下がり天井、ラグなどで空間を区切れば、開放感を活かしつつも視覚的にメリハリをつけられます。
広い空間では、何もない余白をどう見せるかがおしゃれ度を大きく左右します。余白部分に観葉植物やアートパネルを設置すれば、空間が引き締まり、一層洗練された印象を演出できるでしょう。例えば、窓際や部屋の角にシンボルツリーを配置したり、ソファの背面や壁面にアートを飾ったりすることで、広い空間に動きとリズムをつけられます。
20畳のリビングやLDKは、家族それぞれの時間を大切にしながらも、家族としてのつながりを感じられる理想的な広さです。ただし、広いからこそ「どう使うか」「どう見せるか」が大切なポイントになります。今回紹介したポイントを押さえて計画すれば、20畳のリビングが単に広い空間ではなく、心地よく、暮らしやすい空間へと生まれ変わるでしょう。
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