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Life Style Magazine 「好き」を育てる暮らし
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lifestyle interview自分が
楽しくなることを
大切に

児童文学作家角野栄子さん

心が躍り出すものに出会ったら
ちょっとだけでも、やってみる

 角野栄子さんの日常には、お気に入りがたくさん散りばめられています。ワンピース、インク壺、飴玉みたいなアクセサリー、旅先で見つける小さなお土産、本、いたずら描き、水玉模様、あんこ、コーヒー、海辺の散歩……。
 「ワクワクドキドキすることが大好きなんです。珍しいものに出会ったらやってみたい、ちょっとだけでもなめてみたいの。もしも苦かったら、やめればいいんだもの」と、角野さん。
 アトリエをぐるりと見渡すと、壁も本棚も椅子も、いちご色!心がワクワクしてきます。この色は、角野さんが40代の時に決めた「私の色」。
 「自分の色があると、買い物する時にも迷わなくなりますよ」
 カラフルなメガネもトレードマーク。「メガネが面白いと、顔のシワには気を取られないものなのよ」と笑います。
 自分が気持ちいいかどうかを大切にするのは、執筆時も変わりません。人気の『魔女の宅急便』や『小さなおばけ』シリーズも、角野さん自身が誰よりも心躍らせながら書き上げました。 「デビュー後の7年間は、誰にも見せずに書いたの。人に見せたら、きっと褒めてくれるけれど、そのあと注文を付けるでしょう。それを聞いたら、心が揺らいでしまうと思ったから。自分の『いい気持ちライン』って、大切なんですよ」

いたずら描きは、子どもの頃から好き。手の動くままに。

代表作『魔女の宅急便』と、近作。

アトリエの角野栄子さん。毎日、窓辺のテーブルでいたずら描きをする。絵の具が余ったら、小さな木の空き箱にも描く。

一人ひとり自由に、
人と違ってていい

 角野さんの代表作『魔女の宅急便』は、魔法使いの女の子キキの成長物語です。
 「キキに限らず、魔法は誰でも持っていると、私は思っています。魔法を、想像する力と言い換えてもいいかもしれないわね。心が動くと、だんだんとその人の魔法が育っていくの」と、角野さん。
 「魔法」を育てていくには、どうしたらよいのでしょう。そのヒントになりそうなのが、「小さな本棚」です。アトリエにちょこんと置いてあった、うさぎの耳がついた小さな本棚。ここに、20〜30冊ほどが収まります。
 「お子さんが小学校に入学したら、小さな本棚をプレゼントすることをおすすめしているんです。ここには、好きな本を並べていいんです。自分だけの本棚ね」
 年齢が上がるにつれて、お気に入りの本も増えてくる。さらには、入れ替えも出てくる。そうやって二十歳ぐらいには、自分の好きな本だけが詰まった、自分だけの本棚ができあがっている……。
 暮らしの空間も、きっとこの本棚と同じ。心がワクワクするものを見つけて、並べて、眺めて磨いて……そうやって暮らしていくうちに「魔法」が育まれます。
 「人と同じ考えを持って暮らしたら楽と思うこともあるけれど、それではクリエイションが生まれてこない。だって、心がワクワクしないでしょう。一人ひとり、みんな自由でいいんですよ」

旅が大好き。リビングにあるガラス棚には、主に旅先で手に入れた小さなお土産が並んでいる。旅先で買うのはポケットに入るサイズ、と決めているのだとか。かさばらないし、持ち帰って飾っておくと、大切な思い出がよみがえる。

「魔法は誰でも持っているのでは。魔法を、想像する力と言い換えてもいいかもしれない」と、角野さん。

  • 好きな本だけを並べるための、小さな本棚。

  • 壁際に飾られた長新太さんの絵は、角野さんが若き日を過ごしたブラジルがモチーフ。

  • 髪の毛が白くなってから、鮮やかな色のものを身に着けるようになったという。メガネもカラフルなものを選んで、自分らしく自由に。

  • 自分で絵付けをしたカップアンドソーサー。「私の幼い頃、子どもが自分で選ばせてもらえるものといったら、鼻緒の紐とごはん茶わんぐらいだったわね」と、角野さん。茶わんは、自分の「好き」を育むひとつのアイテムだった。

  • 「靴下は、おしゃれの中でも特におすすめね」と角野さん。手頃な値段で手に入るし、思いきった色やデザインでも取り入れやすい。足元から明るい色がちらりと見えると、気持ちが弾む。

  • 「魔法の文学館」でも来館者に親しまれている、うさぎをモチーフにした椅子。

Profile ● かどの・えいこ

1935年東京生まれ。出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年間滞在。その体験を元に書いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。代表作『魔女の宅急便』は、1989年にスタジオジブリ作品としてアニメーション映画化された。2018年児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞。2023年11月、「魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)」開館。●WEB kikismuseum.jp

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