ーまず、本計画の、立地の歴史的背景や、周辺環境の印象をお聞かせください。
富山氏:美栄橋駅周辺は、那覇の中心に位置し、歴史性もある場所にも関わらず今まで開発が進んでこなかったエリアで、地域の特色や色も特になかった場所です。土地の歴史や経緯をリサーチすると、首里や琉球王国とも関連が深い場所であることがわかりました。我々が以前手がけた「ホテル ストレータ 那覇」とともに、このエリアの持つ文化、歴史、自然を現実的な空間として体験できる計画にできないだろうかと考えました。
長沼氏:150年前までは、日本とは異なる国だった沖縄/琉球には、独自の文化と風土が醸成されていました。その痕跡が現代の街にもまだ残っています。そういった歴史や文化を継承しながら、本質的な沖縄らしさも取り入れ、シティリゾートのおおらかさを兼ね備えるデザインが必要だと思いました。
ー「沖縄らしさ」や、「この地の風土・歴史的文化」を表現している
素材やデザインについてお聞かせください。
ー「沖縄らしさ」や、「この地の風土・歴史的文化」を表現している素材やデザインについてお聞かせください。
富山氏:まず、建物の顔となる外観には、琉球王国時代から継承される伝統工芸の一つである、首里道頓織を外壁タイルの面形状パターンと陰影によって表現し、琉球の品格を全身で演出しています。また、その他の素材や塗装部分の色彩を「ホテル ストレータ 那覇」の近似色とすることにより、美栄橋エリア周辺景観の統一感の向上にも寄与します。