住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】

まず、鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨造(S造)の違いをみてみましょう。
RC造の「RC」とはReinforced Concrete(補強されたコンクリート)を略した表記で、鉄筋によって補強されたコンクリートで造られた建築構造を指します。
骨組みとなる部分に鉄筋を組んで型枠を設置し、その中に水、セメント、砂、砂利で構成されたコンクリートを流し込んで固めます。鉄筋は引張力に強く、コンクリートは圧縮力に強いので、両者の組み合わせは強度と耐久性に優れています。
RC造は耐震性、耐火性、遮音性に優れるため、大規模なマンションや高層ビルなどに多く採用されています。また設計や工法によりますが、コンクリートは成形しやすく強度が高いことから、曲線を用いたデザインが建設でき、設計の自由度も高くなります。
RC造では、「ラーメン構造」か「壁式構造」が採用されることが一般的です。ラーメン構造のラーメンとはドイツ語の「Rahmen(枠・額縁)」が語源で、柱と梁を組んで枠を形成して建物を支える構造です。柱と梁は鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込み、ワンフロアずつ建てる工法です。設計や工法によりますが、建物の階数が1層増える毎に工期が約1ヵ月かかります。
「壁式構造」は柱や梁を使用せずに、ワンフロアずつ壁と床を分けてコンクリートを打設します。地震に強く、仕切りが厚いため音漏れしにくいのが特長です。さらに柱が不要なため、同じ空間でもすっきりと見えます。ラーメン構造よりもコンクリート量が多くなります。また、高層化は不向きです。
鉄骨造「S」とは英語のSteel「鋼鉄」の意味です。S造の鋼鉄は一般的に、6mm以上の鋼材「重量鉄骨」、厚さ6mm未満の「軽量鉄骨」があります。重量鉄骨造はラーメン構造が採用され、壁に地震の揺れを軽減する制振装置を取り付けることにより、制振構造となることが一般的です。鉄骨を使用した柱と梁を強固に剛接合します。構造材の鉄骨を工場で加工してから現場で組み上げるため、短期間での多層階が施工可能です。構造体に水を使用しないことから、施工時が雨天でも建物の品質が担保されるなどの施工安定性が高いです。また、ロングスパンによる大空間設計が可能で住宅はもちろん、商業施設などにも多く活用されています。
S造(鉄骨造)は、施工性が高く、さまざまな敷地条件に柔軟に対応できます。鉄骨は柱や梁を比較的細く設計できるため、限られたスペースでも広い室内空間の確保が可能です。さらに、構造体が軽く強度も高いため、地盤への負担が小さく、狭小地や変形地などの制約がある敷地でも設計の自由度が高い点も魅力です。鉄骨は細かなモジュール設計にも対応できるため、RC造では難しい形状や寸法の敷地でも柔軟なプランニングが可能です。このようにS造は、限られた土地条件の中で空間を有効的に活かせる構造として、都市部の密集地や傾斜地など、さまざまなプロジェクトで採用されています。
軽量鉄骨造は、戸建住宅や小規模なアパートに広く採用されています。ハウスメーカーでは鉄骨造の一戸建住宅や小規模なアパートを建てる際、構造体の大部分を工場で精密に生産し、現場でそれらを一体化し完成させるユニット工法が採用されます。建築現場で手軽にすばやく組み立てられるように、工場であらかじめ建築物の部品を製造することで部材の寸法精度や品質が均一に保たれるため、現場での施工精度が安定します。現場作業をできるだけ少なくできるため、天候の影響を受けにくく、工期を短縮できることも大きな利点です。
結果として、S造(軽量鉄骨造)は、品質の高さと施工効率を両立した住宅構造として多くのメーカーに採用されています。

それでは、RC造とS造の特長を比較するとどうなるでしょうか。費用面や耐震性、断熱性と遮音性を比べてみましょう。どちらにもメリット・デメリットがあるので、ご自身の重視する譲れないポイントはどれなのか考えた上で、建物を建てる際には参考にしてください。
RC造よりもS造の方がコストを抑えられます。S造はコンクリートを使わない分、材料費が抑えられる上、工期も短いので人件費が抑えられます。同じ耐震等級の建物を建築した場合でも、地上部分での構造物が軽いS造では、基礎工事を小規模化できることもコストが抑えられる要因です。また、賃貸経営観点では建築だけでなく解体費用も考えて置かなければなりません。建替えの必要が生じた時、RC造はS造と比較して地域や規模、杭工事の有無などで解体費用が高くなり得ることがあります。RC造の場合、基礎工事で杭工事をしている場合が多く、その杭の長さと径によっては解体費用が多額になることがあります。総じて、コストを重視する場合はS造がおすすめと言えます。
S造(鉄骨造)とRC造(鉄筋コンクリート造)の耐震性は、基本的に同等です。 どちらの構造も、建築基準法で定められた現行の耐震基準(震度6強〜7程度の地震でも倒壊しない強度)を満たすように設計されており、構造種別による優劣はありません。ただし、地震への抵抗の仕方にはそれぞれ特長があります。
S造は鉄骨のしなやかさを利用し、地震のエネルギーを吸収し建物の倒壊を防ぐのに対し、RC造ではコンクリートの圧縮強度と鉄筋の引張強度を組み合わせ、地震の力に対して粘り強く、変形しにくい特性を持っています。このように、RC造は「揺れを受け止める」構造、S造は「揺れを逃がす」構造といえます。どちらも地震時の安全性を確保するため、構造計算や接合部設計などで綿密に耐震性能を検証しています。
特にS造は、部材の軽さと柔軟性を活かし、地震エネルギーを効率的に吸収して損傷をできる限り小さく抑えることができます。これに加えて、「制震ダンパー」とよばれる地震に対する建物の揺れを制御する装置を用いることで、より強固な耐震対策を実施できるでしょう。パナソニックホームズでは、柱・梁の接合部に高力ボルトや溶接(パナソニック ホームズは無溶接ボルト工法)と、耐力壁に「座屈拘束+低降伏点鋼」を使用した「アタックダンパー」等を用いることで、変形への追従性と復元力を両立しています。
RC造とS造の断熱性能は、構造そのものよりも断熱材の施工方法に大きく左右されます。ただし、一般的な傾向として、RC造の方が断熱対策が難しく、S造の方が調整しやすいという違いがあります。
コンクリートは熱を通しやすく、一度熱を蓄えると放出に時間がかかる「熱容量の大きい素材」です。 そのため、夏は熱がこもりやすく、冬は冷えたコンクリートが室内の温度を奪いやすいという欠点があります。十分な断熱性能を得るためには、外断熱工法や厚みのある断熱材の施工が必要となります。ただし、適切な断熱施工を行えば、温度変化が緩やかで快適な室内環境を維持できるというメリットもあります。
一方でS造は、柱や梁が鉄骨で構成されているため、構造体の外側に断熱層を設けやすいのが特徴です。外壁材の組み合わせにより断熱仕様を柔軟に設計でき、高性能グラスウールや硬質ウレタンフォームなど、多様な断熱材を選択可能です。さらに、内部結露を防ぐための気密施工も比較的容易で、高断熱・高気密仕様を実現しやすい構造といえます。
対応表
項目 | RC造 | S造 |
熱の伝わりやすさ | 高い (熱がこもる) | 低い (外断熱しやすい) |
熱容量 | 大きい (温度変化が緩やか) | 小さい (断熱層で調整可能) |
断熱対策の自由度 | やや低い (厚い断熱材が必要) | 高い (外壁構成で柔軟に設計可) |
結露リスク | 室内側に発生しやすい | 対策しやすい (外張り断熱など) |
壁が厚く、隙間ができにくいRC造の方がS造よりも遮音性に優れています。S造でも重量鉄骨造の方が柱がより分厚い分、軽量鉄骨造よりも遮音性は高いですが、やはり構造上空間が生まれやすいため、ある程度の生活音は聞こえてくるものと思ってよいでしょう。
遮音性を重視するなら、RC造(鉄筋コンクリート造)でも「壁式構造」が優れています。壁そのものが建物を支える構造のため、コンクリートが連続しており、質量と密度が高く、外部音や隣室の生活音をしっかり遮断します。一方、S造(鉄骨造)やRC造でもラーメン構造の場合は、遮音性能が仕様によって大きく変わります。
ラーメン構造は柱と梁で建物を支えるため、間の壁は非構造体(乾式間仕切り)として設けられることが多く、この場合は鉄骨造とほぼ同等レベルの遮音性になります。
つまり、構造の種類よりも「壁の仕様」が遮音性を左右するのです。
たとえば、RCでも乾式間仕切り(石膏ボード+空気層)を採用している場合、
その部分の音の伝わり方はS造とほぼ同じで、生活音が感じられるケースもあります。逆に、S造でも遮音ボードの二重貼り+グラスウール充填+二重壁構造といった設計を行えば、 RCラーメン構造と同等、またはそれ以上の遮音性能を確保することも可能です。
総じて言えば、RC造だから必ず静か、S造だから音が響くという単純な区別はできません。遮音性は、「構造形式× 壁仕様 × 施工精度」の三要素で決まります。もし遮音を重視するなら、「RC壁式構造」や「遮音仕様のS造・ラーメンRC」を選ぶことが重要です。
構造形式 × 壁仕様 × 施工精度
項目 | RC造 (壁式構造) | RC造 (ラーメン構造) | S造 (鉄骨造) |
構造体の 一体性 | 高い (壁が構造体) | 柱・梁で支えるため 中間壁は非構造 | 骨組み+ 間仕切り構造 |
壁の仕様 | 厚いコンクリート壁(150mm〜) | 乾式間仕切り (石膏ボード等) | 乾式間仕切り (石膏ボード等) |
遮音性の 傾向 | 非常に高い (音が伝わりにくい) | 中程度 (仕様次第) | 中程度 (仕様次第) |
主な音の 経路 | 躯体伝搬音 (低減しやすい) | 間仕切り透過音 (仕様依存) | 間仕切り透過音 共鳴音 |
対策の ポイント | 特になし (基本構造で高性能) | 遮音ボード 吸音材の追加で補強 | 二重壁 遮音ボード 防振材で改善可 |

では、賃貸経営の観点から建物を見た場合、RC造とS造ではどのようなケースにおいてそれぞれメリットがあるのでしょうか。
これまでの比較のとおり、RC造は耐震性や防音性・断熱性などに優れ、不動産としての資産価値も比較的高い建築構造の種類と言えます。一方で、高い階層の建築物になればなるほど建築コストそのものも増大するため、比較的家賃相場の高い物件を長期で運用することが前提となります。また、大規模な足場を組む必要があったり工期が長くかかるとそれだけ人件費などのコストも多くかかるデメリットも考えられるでしょう。
そのため、建築費をはじめコストがかかったとしても不動産としての資産価値や耐久性の高さを第一に求める場合、RC造の建築物を運用するのがおすすめです。火災や地震などのリスクも他の建築構造と比較すると軽減できるうえ、防音性の高さは集合住宅に快適さを求める人にとってはメリットの大きなポイントと言えます。家賃相場が比較的上がっても、安定した住環境を求める人にターゲットを絞った賃貸経営ができそうです。一方で、解体工事が一番高額となる工種でもあるため、解体工事にかかる費用は収益から貯蓄をしていくことをおすすめします。
一方で、S造の建築構造の大きなメリットはコストを抑えられる点と工期の短さです。RC造と比較して工期が短い分、収益発生が早く、余計な金利もかかりにくいです。家賃もマンションの相場で賃貸できるうえに、木造よりは耐久性が高いという構造としてのメリットもあります。減価償却も34年(居住用重量鉄骨造の場合)と、一般的な借入期間35年と近いため、安定的なキャッシュフローになります。通気性の高さという点も、日本の高温多湿という厳しい気候に即している大きな利点と言えるでしょう。
また、重量鉄骨造のS造は、柱の本数を減らして広いスパン(柱間距離)を確保できるのも大きな特徴です。 構造的な強度を保ちながら、大空間や開放的な間取りを実現しやすいため、
他の物件にはない個性的なプランや印象的なファサードデザインを取り入れることができます。
この自由度の高さは、賃貸住宅としての差別化にもつながり、「広がり」や「デザイン性」を重視する入居者層に対して、“建物そのものがブランドになる”物件価値を生み出すことが可能です。
ここまで、RC造(鉄筋コンクリート造)とS造(鉄骨造)の違いについて見てきました。建物の構造を支える主な材質が異なり、RC造は鉄筋をコンクリートで包み込んで一体化させた構造で、強度と耐火性に優れた“重厚な建物”をつくることができます。一方、S造は鉄の柱や梁を骨組みとして組み上げる構造で、軽くて強く、設計の自由度が高い“柔軟な建物”を実現できます。
つまり、RC造は「堅牢さ」、S造は「軽快さ」と「柔軟性」をそれぞれ強みに持つ構造と言えるでしょう。
パナソニック ホームズの構造は、たびたび起きる地震にも耐える設計。高い耐震性と制震性能を兼ね備えた構造体は、万一の災害から家族と暮らしをしっかり守ってくれます。ご自身が望まれる建物はRC造の方が良いのか、S造が良いのか、しっかりと比較した上で決められることをおすすめします。