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お役立ちコラム
【目次】
マイホームを建てるきっかけが、ご両親との同居という方も少なくありません。二世帯住宅の間取りを考える際には、それぞれの種類の間取りの特徴を理解して、ライフスタイルに合うものを選ぶことが大切です。
本コラムでは、二世帯住宅の種類ごとの実例を踏まえて間取りを紹介します。
二世帯住宅の間取りには、主に融合タイプと半融合タイプ、半独立タイプ、独立タイプの4つがあります。それぞれ詳しく説明します。
融合タイプはリビングやキッチン、浴室などの設備を二世帯で共有し、それぞれ家族の個室を別に設けるタイプです。
家の中に設備を1つ設置すればよいので、コストを抑えられます。また、母と娘で家事の協力がしやすい間取りのため、妻の両親と同居する際に向いているといえるでしょう。ただし、多くの生活空間を親世帯と子世帯で共有するため、生活スタイルや活動時間帯によるストレスも生じやすいデメリットがあります。
融合タイプは、多くの空間を共有するのでお互いに不満をうまく解消して設備を共有できるかが重要なポイントです。
半融合タイプは、玄関やリビング・ダイニング、浴室など居室の一部を二世帯で共有するタイプです。融合タイプほど共有部分は多くありませんが、一緒に使う設備も多いため、半融合タイプも妻の両親との同居または大家族の暮らしに向いた間取りといえます。
半融合タイプは、助け合えるメリットはありますがお互いの暮らしを尊重して各世帯のプライベートな空間をしっかり確立させることがポイントになります。
半独立タイプは、玄関やリビング、ダイニングなどを共有しながらも浴室をそれぞれに設けるなど、設備や空間の一部をほどよく共有するタイプです。
融合タイプや半融合タイプより世帯間の独立性が高まるので、大家族でもプライバシーを尊重しながらストレスが少なく暮らせるでしょう。半独立タイプは、夫の両親との同居に向いています。
独立タイプは、玄関やリビング・ダイニング、キッチン、浴室なすべての生活空間を親世帯と子世帯で分けたタイプです。お互いのプライバシーも守ることができるため、夫の両親との同居に適しています。
また、独立タイプなら完全にプライバシーを確保できるので将来的に一世帯を賃貸として貸出することも可能です。ただし、完全に生活が分かれるため、世帯間のコミュニケーションが少なくなりがちです。二世帯で集まれるスペースを家の中に設けるとよいでしょう。
それぞれの二世帯住宅のタイプの実例を見ていきましょう。
ご実家を建て替えられ、お母さまとの二世帯同居をスタートされたオーナー様のご自宅は、吹抜けが広がる開放的なLDKが中心にある融合タイプです。南面の大きな開口からは明るい日差しがたっぷり入り、のびやかな空間になっています。
全館空調なので室内どこにいても快適です。キッチンはオープンなアイランドキッチンを採用、家族がいつも顔を合わせられるようにリビングを通って各部屋へ続く動線にしました。
二世帯がほどよい距離で暮らせるよう2階にはご夫妻専用のセカンドリビングを設置してあります。家族が自然とLDKに集まる住まいです。
お母様と同居するために築28年のご実家を建て替えたオーナー様の新居は、片流れ屋根全体に16.66kWの大容量の太陽光発電システムを設置してあります。1階にお母さまのスペースとご主人のオフィススペース、2階に約28帖の広いLDKと子世帯の居室を設置した半融合タイプの二世帯住宅です。
玄関や浴室、洗面所を共用にすることで、2階の子世帯のリビングのためのスペースを確保、明るい日差しがたっぷり降り注ぐ伸びやかなリビングが完成しました。室内の至る所に調湿建材を使っているため、「空気がさわやかで夏場も快適です」とオーナー様はおっしゃっていました。
築20年ほどの木造住宅を建て替えてご両親と同居されているオーナー様のご自宅は、玄関のみを共有した半独立タイプのお住まいです。LDKや水まわりはそれぞれの世帯に設置、親戚が集まる機会が多いため、二世帯で共有している玄関は十分な広さを確保して開放的な空間にしています。
1階の親世帯のスペースには広々としたLDK、お母様がLDを見渡しながら料理ができるようワイドタイプのキッチンにしました。ご家族や親戚、お客様との会話を楽しみながら過ごせます。
テラスや見晴らしのいい屋上では、バーベキューをしたりプールでお子さまたちが遊んだりとアウトドア気分も満喫できるお住まいです。
次女のご家族と同居されるオーナー様のご自宅は、玄関のみを共有する半独立タイプの二世帯住宅です。ご夫婦が大好きなハワイをイメージしたという1階のLDKはまるで上質な別荘のよう。2階の子世帯は、畳コーナーを設けたのびやかなLDKを中心にして優雅なヨーロッパ風のインテリアでまとめられています。
それぞれの世帯の好みを生かした空間、親子のコミュニケーションを楽しみながら快適な暮らしをされているようです。
高齢のご両親のお住まいの木造住宅を建て替えて完全分離型の二世帯住宅に。1階に子世帯、2階に親世帯がお住まいです。
ご両親が住まわれる2階のLDKは、赤いキッチンがアクセントになった明るい空間。家事動線を考えた配置で洗面所やバスルームへの移動がしやすく家事も楽にこなせます。1階と2階を安全に行き来するためにホームエレベーターを設置しました。
「遮音性が高いので静か。お互いの生活音を気にせずに過ごせるので快適ですし、一緒に住めるのは心強いです」とオーナー様はおっしゃっていました。
ご次男の結婚を機に、二世帯住宅を建ててご両親と同居されたオーナー様は、地震に強い家にこだわられたそうです。玄関やフロアを完全に分離したタイプで、1階に共用のビルトインガレージとゲストルームとして使える和室とセカンドリビング、2階に親世帯の生活スペース、子世帯スペースは3階に設置しました。
ご両親の老後は、生活の場を1階に移すことを想定してミニキッチンもあります。各フロアへの移動には、エレベーターも利用できます。
二世帯住宅の間取りを決めるときには、プライバシーの確保や適度な共有スペースの設置などを意識するとよいでしょう。また、将来的にライフステージが変化したときのことも考えておいてください。
親世帯と同居するときには、それぞれのプライバシーが確保できるよう適度な距離感を保てる間取りを考えましょう。親子でも生活スタイルは異なるため、同居することでお互いストレスを感じることにならないよう工夫が必要です。
特に小さな子どもがいる子世帯の場合は、親世帯の寝室と子ども部屋の距離を取る、浴室を分けるなど快適に過ごせるスタイルを検討しましょう。プライバシーを保ちながら、交流できる間取りを考えてください。
適度な共有スペースを設けると世帯間でのコミュニケーションが取りやすくなるうえ、コストを抑えることもできます。
たとえば、玄関とリビングを共有するなど、お互いがストレスを感じることなく適度な交流ができる場所を共有すると二世帯住宅のメリットを十分享受できるでしょう。
二世帯住宅にするときには、将来的にライフステージが変わったときのことも考えて間取りを決めましょう。
親世帯で介護が必要になった場合は、世帯間のスペースが繋がっている間取りの方が便利です。また、訪問看護を頼むときには完全分離型の住宅の方が、子世帯に気兼ねなく利用できます。将来の暮らし方をどうしたいのか、二世帯であらかじめ話し合って間取りを決めるとよいでしょう。
二世帯住宅の間取りには主に4つのタイプがあります。それぞれ特徴があるため、親世帯と子世帯のライフスタイルを考えて、どのような生活を送りたいのか話し合って間取りを決めるようにしてください。
プライバシーを確保しつつ適度なコミュニケーションが取れる住まいづくりがポイントです。また、現在のライフスタイルだけではなく、将来どのように暮らしたいかもお互いに考えておくとよいでしょう。
