住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
平屋はコンパクトな動線を実現でき、家族のコミュニケーションを取りやすいことから人気が高まっています。
しかしながら、2階建てに比べると収納スペースが不足しやすいため、設計の工夫が欠かせません。
本記事では、平屋に収納スペースを設ける際のポイントやアイデアについて詳しく解説します。効果的な収納スペースのある建築実例も紹介しますので、平屋の家づくりを検討している人はぜひ参考にしてください。
平屋とは一階建ての住まいのことで、階段を使った上下の移動がないことから幅広い世代の関心を集めています。小さな子どもや高齢者の転落リスクが少なく、ワンフロアの平行移動のみで暮らしが完結するため、年齢を重ねた際に不便なく生活できることも人気の理由です。
また、平屋は2階建てに比べて建物が低く、耐震性の高さも期待できます。建物の重心が低いため、地震による揺れや強風の影響を受けにくいでしょう。
住まいの床面積に対して、収納スペースが占める面積の比率のことを「収納率」といいます。マンションで8~10%、一戸建て住宅で13%程度が理想の数値と考えられていますが、適切な収納率は家族構成やライフスタイルによって異なります。
必要以上に収納スペースが多いと、使いにくさを感じたり荷物が増える原因になったりするため注意が必要です。収納率が高いからといって、必ずしも暮らしやすくなるわけではないことを理解しましょう。
設計の段階で工夫を凝らすことによって、十分な収納スペースを備えた快適な住まいが完成します。
平屋に収納スペースを設ける際のコツを紹介しますので、ポイントを押さえたうえでプランニングを進めましょう。
まず意識してほしいのが、家族の生活動線です。
「誰が」「どこで」「どのアイテムを」使用するのか、具体的なイメージを膨らませつつ、収納スペースの適切な配置を検討することが重要です。たとえば通勤通学に使う上着やバッグの保管スペースは、玄関付近にあると外出・帰宅時の動きがスムーズです。パントリーを設ける場合は、玄関や勝手口からキッチンまでの動線上に配置すれば家事動線を短縮できます。
プランニングの際に、家族が実際に生活する様子を図面上でシミュレーションすることにより失敗を回避しやすくなるでしょう。
間取りを設計する際、デッドスペースが生じてしまう場合があります。床下や小屋裏、階段下などの利用しにくい空間に収納を設けて、収納率のアップを図りましょう。
リビングや廊下の壁面に、フックを取り付けたり棚を置いたりして収納スペースを確保するというアイデアもあります。デザインにこだわれば、機能性とデザイン性を兼ね備えたおしゃれな空間が完成するでしょう。
続いては、平屋にあると便利な収納のアイデアを5つ紹介します。
それぞれの特徴や主な用途を理解し、各特性を活かした配置を心がけましょう。
小屋裏とは天井と屋根の間に生じる空間のことで、小屋裏収納には居住スペースを削ることなく収納スペースを確保できるという利点があります。高い位置にあることから荷物の出し入れがしにくいため、使用頻度が低いアイテムの収納におすすめです。
クリスマスツリーやスキー用品といった季節物、大切に保管したいアルバムや記念品の保管に適しています。
地下収納や半地下収納も、居住スペースに影響しない収納アイデアのひとつです。
スキップフロアの下段を活用すれば、あえて地下室を設けなくとも収納スペースを確保できます。
リビング付近に配置すれば掃除用具や子どものおもちゃ、キッチンの近くに設ければ食品や備蓄品の保管場所として重宝するでしょう。
パントリーは食品だけでなく、使用頻度の低い食器類やかさばりやすい調理家電の保管にも最適です。昨今はキッチン周りをすっきりとした印象にするために、冷蔵庫や電子レンジをパントリーに置くケースも珍しくありません。
キッチンから玄関や脱衣室につながるウォークスルータイプであれば、生活動線や家事動線の効率化も図れるでしょう。
シューズクロークは靴を履いたまま入ることのできる、いわゆる土間収納です。
家族の靴はもちろんのこと、上着やバッグも1か所にまとめて保管できるため、生活動線の向上が期待できます。
目隠しの役割を果たす引き戸を設置すれば、急な来客があった際に慌てる心配がありません。広めのスペースを確保して、ベビーカーやゴルフバッグの収納場所として利用するのもおすすめです。
ファミリークローゼットとは読んで字のごとく、家族の衣類をまとめて保管するスペースのことです。
畳んだ洗濯物をまとめて収納できるほか、洗面脱衣室やランドリールームにつながるウォークスルータイプであれば、家事動線を大幅に短縮できます。衣類用の収納スペースを各所に設置する必要がないため、床面積を有効活用できるのも大きな利点です。
ここからは、効果的な収納スペースのある平屋の建築実例を紹介します。
魅力的だと感じたアイデアがあれば、ぜひ今後の家づくりに採り入れてください。
こちらの住まいでは、洗面室に大容量の壁面収納が設けられています。壁面収納の手前にはアイアンの物干し竿が設置されており、収納スペースと室内干しスペースの二役を兼ねた空間になっています。
キッチンから洗面室、クローゼットへと回遊できる間取りで、家事を効率的に進められるのも魅力です。また、玄関横には家族全員分の靴を収納できるシューズインクロークが設けられています。ウォークスルータイプになっており、室内へスムーズにアクセスできる動線が利便性を高めています。
壁面収納のある洗面室や大きなシューズインクロークを設けた住まいの建築実例を見る
続いて紹介するのは、スキップフロアの下部に収納スペースを設けて、すっきりとした家族の団らん空間を実現した平屋の住まいです。壁でほどよく仕切られた半個室のスキップフロアは、ワークスペースとして利用されています。
こちらの住まいではリビングのほか、ランドリールーム付近や玄関横など適所に収納スペースが配置されています。収納するアイテムを事前に決めて設計することで、室内にモノがあふれにくい空間づくりができるでしょう。
生活感を出さない家づくりがしたい人は、各所に収納が設けられたこちらの住まいを参考にしてはいかがでしょうか。
こちらも随所に収納スペースを設置し、スタイリッシュで生活感を出さない住まいを実現しています。
主寝室に設けられた約4.3帖のウォークインクローゼットは、玄関側からもアクセスできる設計です。効率良く身支度ができるほか、帰宅時に上着やバッグを収納してスムーズに室内へ入ることができます。
玄関ホールには納戸があり、広々とした玄関の優雅な雰囲気を崩すことなく、いつでも来客を出迎えることができる魅力的な住まいです。
各所に設けた収納スペースで生活感を出さない洗練された住まいの建築実例を見る
家族や親戚など、大勢で集まる機会が多いこちらの住まいでは、キッチンと寝室に大容量の収納スペースが設けられています。
広々としたキッチンの随所に収納を配置することで、来客時に大人数で料理を楽しめる空間を実現しています。
寝室には造り付けのカウンター収納のほか、ウォークインクローゼットが設けられており、朝の身支度がスムーズにできる魅力的な設計です。
キッチンや寝室で大容量の収納を確保した快適な住まいの建築実例を見る
平屋で快適な暮らしを実現するためには、プランニングの段階で適切な収納計画を立てることが大切です。まずは家族のライフスタイルや荷物の量、収納したいアイテムを把握し、必要な場所に適切な大きさの収納スペースを配置してください。
本記事で紹介した収納アイデアや平屋の建築事例も参考にしつつ、後悔のない家づくりをしましょう。
平屋の収納率は、建物全体の床面積に対する収納スペースの面積の割合で決まります。
一般的には、全体の床面積の約10%〜20%が収納スペースとして設計されることが多いです。
しかし、これはあくまで一般的な目安であり、住宅の設計や住む人の収納ニーズによって変わります。
平屋は他の階数の住宅と比べて全体の床面積に対する壁面の割合が少ないため、効率的な収納計画が重要になります。
二階建てと平屋のどちらが安いかは、建築する家の規模や設計、使用する材料によって異なります。
一般的には、同じ床面積の場合、平屋の方が基礎工事や屋根の施工にかかるコストが高くなる傾向があります。
これは、平屋は広い基礎を必要とし、屋根も広範囲にわたるためです。
一方で、二階建ては土地の有効活用ができ、同じ敷地でより多くの居住スペースを確保できるため、土地コストを抑えることができます。
しかし、二階建ては構造上の強度を確保するためのコストや、階段の設置など追加のコストがかかる場合があります。
結局のところ、どちらが安いかは建物の具体的な条件によって左右されるため、具体的な計画を立てる際には専門家と相談することが重要です。
平屋の新築にかかる費用は、土地の価格、建築費、設備や仕様のグレードによって大きく異なります。
一般的に、平屋建ての場合、建築費用だけで見ると、約1500万円から3000万円程度が目安とされています。
しかし、高いデザイン性や高性能な設備を求める場合、この費用はさらに上がることがあります。
また、土地の価格や付帯工事費、設計費、諸経費なども総費用に含まれるため、全体の予算を考える際にはこれらの費用も考慮する必要があります。