住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
オーナーさま専用サイト
お役立ちコラム
【目次】
都市部の住宅密集地や狭小地でも、ゆとりある住まいを実現できる選択肢として3階建て住宅が人気です。とはいえ、3階建てになると階段での上り下りが増えることもあり、「子育てには向いていないのではないか」と不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、3階建て住宅のメリット・デメリットを紹介するとともに、子育て世代が3階建てで後悔しないための間取りの工夫も解説します。
一見すると子育てに適していないと感じがちな3階建て住宅ですが、実は子育て世帯こそ向いているといえます。その理由となる4つのメリットを紹介しましょう。
都市部の住宅密集地など敷地面積が限られている場合でも、上にフロアを増やすことで十分な床面積を確保できるのが3階建ての魅力です。人数分の子ども部屋や遊びスペース、スタディコーナーを設けたい場合なども、3階建てなら希望を叶えられる可能性があります。
実際に3階建て住宅を建てた方からも、「狭小地でもリビングや子ども部屋を無理なく確保できた」「十分な収納を確保できたので狭さを感じない」といった声が聞かれます。
フロアが3つあるので、階層ごとに空間を分けられるのも3階建てのメリットです。子どもが小さいうちは1・2階で親とともに過ごし、大きくなったら3階に子ども部屋を設けるなど、ライフステージに合わせた空間の使い分けも可能です。思春期を迎えた子どもの自立性を尊重したり、二世帯同居に対応したりといったことも可能で、長く快適に暮らせるでしょう。
3階建てを建てた方からは「在宅勤務中でも、子どもの遊ぶ声が気にならない」「二世帯同居にも対応できそう」など、好意的な意見が多く聞かれます。
3階建て住宅では、フロアの多さを活用して部屋数を増やせるため、ライフステージの変化に合わせて、空間の使い方を柔軟に変えることも可能です。例えば、子どもの独立後、子どもが使っていた3階の個室は夫婦それぞれの趣味部屋やワークスペースとして活用できます。他に、来客時のゲストルームや収納スペースとして活用するのもよいでしょう。
新築時に可変性のある間取りを意識して設計すれば、子育てが終わった後も3階を有効活用できます。
3階建て住宅は高さがあるので、水害リスクのある地域でも安心して暮らせます。リビングや寝室などの主要な生活空間を2階以上に配置しておけば、洪水などで万一1階が水没してしまったとしても、被害を最小限に抑えることができます。
3階建てなら、いざというときに垂直避難もできることから、災害から家族を守りやすい住まいといえるでしょう。
子育てしやすい間取りとは?おすすめの間取りの例や住宅実例を紹介
子育てにぴったりの注文住宅にするには?ポイントやアイディアを紹介!
3階建てには多くのメリットがある一方、子育て世帯にとっては注意すべきポイントもあります。3階建てで後悔しないように、次に挙げるデメリットや課題もあらかじめ把握し、必要な対策を講じておきましょう。
3階建てでの暮らしは、どうしても階段での上下移動が多くなります。赤ちゃんを抱っこしていたり、買い物帰りに重い荷物を持っていたりすると、毎日の階段移動を負担に感じるかもしれません。
こうした負担を少しでも軽減するには、階段の傾斜が緩やかな設計にする、手すりの位置を工夫する、階下に荷物置きスペースを設けるなどの工夫が有効です。
3階建て住宅は、3つのフロアが明確に分かれているため、子ども部屋をリビングと別のフロアに設けた場合、子どもと顔を合わせる機会が減ってしまいがちです。子どもが自室にこもりがちになると、家族同士のコミュニケーションが減ってしまう可能性があります。
リビング階段やスキップフロアを採用して、親と子どもが自然と顔を合わせる動線を作ることで、フロアが分かれていても家族のコミュニケーションを維持できるでしょう。
子どもが自室を使っているうちはいいものの、子どもが巣立った後の3階建て住宅では、「使わなくなった部屋が増えてもったいない」という声もよく聞かれます。
子ども部屋は将来使わなくなる可能性も考慮して、可変性のある設計にしておくといいでしょう。多目的スペースや書斎、趣味部屋などとして活用できるつくりにしておけば、ライフステージの変化に対応でき、限られたスペースを無駄にせずに済むでしょう。
3階建て住宅の暮らしは上下の移動が多くなるため、洗濯物を「干す・たたむ・しまう」動線が複雑になったり、掃除や片付けのための階段移動が発生したりと、毎日の家事に負担を感じやすい点は要注意です。
家事負担を軽減するには、水まわりやバルコニーなどの家事に関わるスペースを2階に集約する、ファミリークローゼットやランドリールームを設けるなど、家事動線をコンパクトにする工夫を検討しましょう。
平屋は子育て世代に人気!間取りアイディアやメリット・デメリットを解説
3階建て住宅での後悔を避けるためには、間取りと家事動線に次のような工夫を取り入れるとよいでしょう。
日頃の家事負担を軽減したいなら、生活の中心となるLDKや水まわりを2階に集約する「2階中心型」の間取り設計がおすすめです。1階は玄関や収納スペース、3階は寝室や個室などのプライベート空間とし、日常生活や家事の大半を2階で完結できるようにしましょう。階段の上り下りの回数が減り、効率的な暮らしを実現できます。
朝の忙しい時間帯を例に考えると、LDKと水まわりが2階に集約されていれば、朝食・着替え・身支度といった一連の動作がワンフロアで完了します。子どもを見守りながら自分の準備もできるので、時間に余裕のない共働き家庭でも、ストレスなく暮らせるでしょう。
帰宅後も、2階で手洗い・着替えが完了し、そのままリビングでくつろいだり宿題をしたりできれば、生活リズムが整いやすくなります。
3階建てで負担になりやすいのが、毎日の洗濯における階段移動です。これをなくすには、天候に左右されず洗濯物を干せるランドリールームや、家族全員分の衣服を収納できるファミリークローゼットの導入をおすすめします。
洗濯機置き場と物干しがそろったランドリールームを設置し、隣接してファミリークローゼットやリネン収納を配置すれば、「洗う・干す・たたむ・しまう」の作業を最小限の移動距離で完結できます。
洗濯時の移動をコンパクトにする動線設計が、日々の家事ストレスを軽減するためのカギです。
ここでは、パナソニックホームズが手がけた住宅の中から、子育て世帯におすすめの3階建て建築実例を3つ紹介します。
最初の実例は、リビング階段と吹き抜けを採用し、開放感と空間のつながりを大切にした3階建てです。
2階全体を仕切りのないLDKとすることで、限られた面積でも広々と感じられるようになっています。リビングにある2ヵ所の吹き抜けを通して3階とつながっているので、フロアが分かれていても、家族同士の声や気配を感じられるのが魅力です。水まわりは全て1階に集約しており、スムーズな生活動線を実現しました。
2つ目に紹介するのは、将来のライフステージの変化も想定して設計された3階建てです。
こちらも2階にLDKを配置し、一角にはワークスペースを設けています。1階は寝室と水まわり、3階には個室を配置しました。2つの個室はご夫婦の趣味部屋として使っていますが、将来は子ども部屋にすることも見込んでいます。1室は防音仕様になっているので、子どもの独立後も趣味部屋として重宝することでしょう。
子ども部屋と仕事部屋を両立した3階建ての建築実例を見る
3つ目に紹介するのは、下町エリアの住宅密集地にある3階建てです。この家に住むご夫婦は「地震に強く、子どもの代まで安心して住める家にしたい」との思いから、パナソニックホームズの重量鉄骨構造の都市型3階建てを選ばれました。
外壁の窓は最小限にしてプライバシーやセキュリティを確保しつつ、コの字型の中庭を設けることで、明るく開放的な空間を実現しています。洗面室、キッチン、「洗う・干す・たたむ」を完結できるランドリールームがダイレクトにつながっており、家事動線もコンパクトです。
キッチンに立てば、リビングダイニングで過ごす子どもの様子もよく見えて、子育てにやさしい間取りになっています。
吹き抜け×中庭でのびのび暮らせる、開放感たっぷりな3階建ての建築実例を見る
3階建て住宅は、限られた敷地でもゆとりある住まいを実現できる反面、子育て世帯ならではの注意点も存在します。ここでは、設計段階で押さえておくべき7つのポイントを紹介します。
3階建てでは、日常的に階段を利用することになるため、特に小さな子どもの転落やつまずきには注意が必要です。具体的には、次のような安全対策を検討しましょう。
3階建ては上階の生活音や足音が下の階に響きやすいため、小さな子どもがいる家庭では、防音性の高い床材や建具の選定が求められます。また、周囲に建物が密集している3階建ての場合、2階リビングや上階の窓からの侵入対策も施しておくと、住まいの安全性が向上するでしょう。
上下にフロアが分かれる3階建てでは、各フロアの用途に合わせた収納スペースを設けることで、収納の使い勝手がアップします。一つのフロアに収納をまとめようとすると、上下移動が増えて非効率です。
キッチンに隣接するパントリー、水まわりに隣接するファミリークローゼット、階段下収納など、用途や動線を考慮した収納計画を立てましょう。
3階建ては高さがあるため、上下階の温度差や地震の揺れの影響が気になるケースもあります。快適性と安全性を実現するには、省エネ性や耐震性など、基本的な住宅性能をしっかりと確保するようにしましょう。
そのため、高性能な家づくりに長けた、信頼と実績のあるハウスメーカーを選ぶことが重要です。
高齢になったときや、育児・介護で上下移動が難しくなったときのことを考えるなら、ホームエレベーターを設置するのも選択肢の一つです。新築時に設置予定がなくても設置スペースだけ確保しておくなど、後からエレベーターを導入できる構造設計にしておくと、将来の選択肢の幅が広がります。
通常に比べて高さのある3階建ては、建築基準法や都市計画法に基づく用途制限の影響を大きく受けます。建ぺい率・容積率、高さ制限、斜線制限など、建築予定地にかかる制限内容を事前に確認し、建てられる建物の条件を正確に把握しておくことが大切です。判断には専門知識が求められるので、早めにハウスメーカーや建築会社に相談するとよいでしょう。
3階建ての家づくりでは、地震や火災といった非常時の避難経路や安全確保に配慮した設計が欠かせません。特に小さな子どものいる家庭では、「もしもの時にどう動くか」を想定し、子どもを連れて安全に避難できる空間づくりが求められます。
例えば、1階玄関からだけでなく2階や3階からでも外へ直接避難できるよう、2階・3階の部屋に避難経路となるバルコニーや避難ハッチを設置しておくと安心です。また、階段や廊下に非常用照明や停電を自動で検知するライトを設置しておけば、停電時の安全性も高まります。
3階建て住宅は、限られた敷地でもゆとりある住まいを実現できるため、広いスペースを必要とする子育て世帯にとっても有力な選択肢です。子どもの成長やライフステージの変化に合わせて、空間を柔軟に使い分けることもでき、将来を見据えた住まいづくりにも適しているでしょう。
ただし、3階建ては階段の上下移動が前提となるため、階段の安全性や家事動線などには十分な配慮が必要です。今回紹介した注意点を踏まえて設計すれば、子育て世帯も安心して暮らせる3階建て住宅を叶えられます。
▼関連する記事
3階建てビルトインガレージの間取りは?|メリット・デメリットも紹介
おしゃれな3階建てを建てるには?間取りのポイントや実例を紹介
【後悔しない】3階建てのおすすめ間取り実例10選|メリット・デメリットも紹介
3階建て住宅で後悔しやすいこととは?事前に知っておきたいポイントを紹介!
50坪の広さで3階建ての間取り|おすすめの家族構成や実例を紹介
【注文住宅】3階建ての価格はどのくらいかかる?メリット・デメリットや注意する点も紹介
30坪で叶える理想の3階建て!基本設計や間取りプラン、建築費用を解説