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【目次】
キッチンの間取りを自由に設計できるのは、注文住宅の大きな魅力のひとつです。しかし、毎日使う場所だからこそ、間取りのちょっとした失敗や不満が大きな後悔につながる可能性もあります。それだけに、キッチンの間取りプランは慎重に検討したいところです。
この記事では、注文住宅で実際によくあるキッチン間取りの失敗例とその対策を解説します。動線を意識した使いやすい間取りの工夫や、家事ラクを叶えた理想の建築実例も紹介しますので、家づくりを検討中の方はぜひ参考にしてください。
キッチンは毎日使う場所だけに、小さな間取りの失敗が大きな後悔につながりかねません。
ここでは、注文住宅でよくあるキッチン間取りの失敗例と対策をまとめて紹介します。以下の失敗例を反面教師にして、使いやすいキッチンを叶えましょう。
冷蔵庫の配置は、キッチンの使い勝手を大きく左右します。冷蔵庫の位置を軽視し、調理スペースやパントリーから遠い場所に配置すると、食材を取り出すたびに移動しなければならず非効率です。また、扉の開閉スペースを考慮しないと、開けるたびに通路を邪魔してストレスを感じやすくなるでしょう。
冷蔵庫・コンロ・シンクを結ぶ三角形を「ワークトライアングル」と呼びます。調理中の作業効率を上げるには、このワークトライアングルの三辺の合計を3.6〜6mの範囲に収め、なるべく正三角形に近づけるのが理想です。また、冷蔵庫からパントリーまでの距離を短くすることで、食材を取り出すときのストレスが軽減されます。
ゴミ箱の置き場所は事前によく考えておかないと、いつも視界に入ってしまい、生活感が出てしまいます。使いづらい場所に設置した場合、分別が面倒でキッチンが雑然としたり、ゴミ出しや片付けが非効率になったりといった問題も起こりかねません。
キッチンレイアウトの検討時には、あらかじめゴミ箱の設置スペースを考えておくことが大切です。勝手口や外へのアクセスがしやすい場所にすると、ゴミ出しに便利です。リビングやダイニングから見えない位置に専用収納を設けるとともに、分別しやすいように配慮することで使い勝手が向上します。
キッチンでは多くの調理家電を使用します。コンセントの設置場所や口数をよく考えておかないと、延長コードだらけになって見た目や使い勝手が悪くなります。コンセントが十分でないと、家電の追加や買い替えに支障がでる可能性もあります。
キッチンの間取りを決めるときは、必要な家電をセレクトしたうえで、それぞれどこで使うのかを事前に想定しておくことが重要です。将来家電を追加する可能性も考慮して、コンセント数に余裕を持たせるのもポイントです。収納や作業スペースの邪魔にならないよう、コンセントの高さや向きにも注意しましょう。
調理中に、複数人でキッチンを利用することもあります。キッチンの通路幅が狭いと、作業中に家族とぶつかってしまい、ストレスがたまってしまうかもしれません。特に、子どもやペットがいる家庭では危険を伴います。背面収納や冷蔵庫の扉が開けづらくなるのも問題です。
キッチンの通路幅は90cm以上確保するのが理想です。70cmだとかろうじて1人が通れるスペースしかなく、狭さを感じてしまいます。余裕のあるスペースを確保するためにも、背面収納や冷蔵庫の開閉スペースも考慮し、適切な通路幅を確保することが大切です。加えて、並んで調理するスペースや子どもが通る動線も確保しておくと、安全で使いやすいキッチンになります。
キッチンは数多くの調理道具や食器、食材を収納する場所です。そのため、収納が不足すると作業スペースやシンクが散らかってしまい、スタイリッシュなキッチンにしたくても生活感があふれてしまいます。収納不足を解消するために家具を追加した結果、スペースが圧迫されてしまったという事例も少なくありません。
キッチンの収納不足を防ぐために、キッチンに収納したい物を洗い出してから、収納スペースを計画しましょう。毎日使う物は取り出しやすい位置に収納できるようにし、使用頻度の低い調理家電は、背面収納やパントリーに片付けられるようにすると便利です。食器類は、キッチンカウンター下の収納も有効活用しましょう。
食材ストックや調理家電などを収納できるパントリーがあると便利ですが、キッチンとの距離が遠いと、日々の移動が面倒となり、ストレスを感じるかもしれません。買い物後の収納や調理がスムーズに行えないと、結局使わずじまいのデッドスペースになる可能性もあります。
パントリーは、キッチンまたは玄関の近くに配置すると便利です。調理時や帰宅時の動線をコンパクトにすることで「買い物→収納→調理」の流れがスムーズになります。スペースが限られている場合は、可動棚や引き戸などを取り入れることで、省スペースでも出し入れしやすい収納を実現できます。
カウンターの高さが合っていないと、調理や片付けの際の姿勢が悪くなり、疲れのもとになります。カウンターは高すぎると圧迫感が出ますが、逆に低すぎてもリビングから手元が丸見えになってしまうため、好ましくありません。また、子どもや高齢者がよく使う場合は、カウンターの高さが合わないと不便なうえに危険を伴います。
キッチンカウンターの高さの目安は「身長(cm)÷2+5cm」です。たとえば、身長160cmの方であれば、85cmが理想的な高さとなります。キッチンをよく利用する方の身長に合わせて、高さを決めるとよいでしょう。ショールームで実際に使い勝手をチェックするのがおすすめです。
調理家電が作業台を占領していると、調理スペースが狭くなり、使いにくいキッチンになってしまいます。また、配線が目立って見た目が悪くなるうえ、炊飯器などの蒸気で家具が汚れたり劣化したりする恐れもあるでしょう。
炊飯器や電子レンジ、トースターなどのよく使う調理家電は「置き場所ありき」でレイアウトを考えることが大切です。特に、蒸気が出る家電は周囲のアイテムに大きく影響するため、引き出し式の収納棚や通気スペースを設けることで、安心して使用できます。
キッチンからダイニングまでの動線が悪いと、配膳や片付けが面倒になってしまう可能性があります。また、家族と会話しづらかったり、子どもの様子が見えなかったりといった問題も生じがちです。小さな子どもや高齢者のいる家庭では、目の届かない状態が大きなリスクになります。
キッチンとダイニングをできるだけ近くに配置することで、配膳や片付けがしやすくなります。カウンター越しに家族とやりとりできる設計にしておくと、リビングやダイニングにいる子どもや高齢者の様子をいつでも確認できて安心です。
ここでは、家事の時短を叶えるとともに、家族との関わりも深められる動線の工夫を紹介します。
キッチンと洗面脱衣所・ランドリールームを隣接して配置すると、調理と洗濯を同時進行でき、家事を効率化できます。仕事や育児で日々忙しい共働き家庭に、特におすすめの間取りアイデアです。
玄関からパントリーへ一直線で行ける間取りにすると、重い食材をすぐにパントリーへ収納できます。キッチンとパントリーを含む回遊動線を設定すると、片付けや食品の取り出しがスムーズになります。また、キッチンに勝手口を設置することで、スムーズにゴミ出しや外からの荷物の搬入ができます。
毎日使うキッチンを回遊動線の中心に配置すれば、調理する人だけでなく、家族全員にとって使いやすい住まいとなります。キッチンを含む水まわりを集約することで、リビング・ダイニングから洗面やトイレへのアクセスも良くなるでしょう。キッチンを中心として家族のコミュニケーションが生まれ、子どものお手伝い習慣を育むのにも有効です。
家事の効率化を叶えたいなら、買ってきた食材や荷物を、玄関からすぐキッチンやパントリーに運べる間取りにするのがおすすめです。買い出しのたびにリビングを通らずに済むので、部屋が散らかるのを防ぐこともできます。特に人気なのが、玄関〜パントリー〜キッチンの動線がスムーズな間取りです。
キッチンの近くに子どもが遊んだり宿題をしたりするスペースを設けることで、調理をしながらでも見守りや声がけができます。小さな子どもがいる家庭では、リビング・ダイニングの様子が見える「対面式キッチン」と、子どものお昼寝やプレイルームに最適な「小上がりの畳スペース」という組み合わせも人気です。
キッチンの脇にワークスペースやスタディコーナーがあると、子どもの宿題や読書を見守りながら家事を進められます。ダイニングテーブルと区別することで、食事の時間と勉強の時間を切り替えやすくなり、子どもの規則的な生活習慣づくりにも有効です。また、家族がお互いの気配を常に感じられ、安心して暮らせる住まいを実現できます。
ここでは、パナソニック ホームズが手がけた建築実例の中から、効率的な動線を実現したキッチンレイアウトを3つ紹介します。

こちらの間取りは、キッチンを中心とする回遊動線が確保されています。キッチンを囲んで、洗面・脱衣室・浴室・リビング・ダイニングを一周できるようになっており、調理と洗濯を並行して進めやすいです。水まわりが集約されているので、家事中の移動距離を最小限に抑えられるうえ、洗面所の横の勝手口を使えば、ゴミ出し動線もコンパクトに抑えられます。
さらに、横並びダイニングで配膳・片付けもスムーズです。キッチンからリビング・ダイニングを見渡せるので、子どもの様子が常に視界に入るのも魅力的といえるでしょう。
回遊動線で家事もラクラクなキッチンの建築実例を見る

続いて紹介するのは、コンロとシンクが2列に分かれたII型キッチンの間取りです。通路幅が広く、作業スペースも十分にあるため、夫婦が並んで作業してもストレスを感じません。キッチン横にはパントリーが設けられており、食材や調理器具をすぐに取り出せて便利です。
調理家電の置き場もしっかり考えられていて、いつでもスッキリとした状態を保つことができます。背景に窓があるので、キッチンに立ちながら自然光を感じられるのも魅力です。

最後に紹介するのは、豊富な背面収納と広々としたスペースが特徴的なキッチン間取りです。背面収納には家電置き場が確保されており、下部には分別しやすいゴミ箱スペースも設けられています。ゴミ箱スペースはリビング側から見えにくくなっていて、生活感も抑えられます。調理家電、冷蔵庫、ゴミ箱、コンロ、シンク、調理スペースがコンパクトにまとまっており、調理や片付けもスムーズです。
キッチンの奥は洗面所、その先は玄関までひと続きになっているため、帰宅時の動線がコンパクトに収まります。家事のマルチタスクもしやすい間取りに仕上がっています。
注文住宅は、自分たちのライフスタイルに合わせ、自由度高くキッチンの間取りを決められる点が大きな魅力です。しかし、自由に決められるからこそ、動線や収納、設備、家電の配置などをしっかり計画しないと、後悔してしまう間取りになってしまう可能性があります。今回紹介したアイデアを参考に、見た目の良さだけでなく、使いやすさも意識したキッチン間取りを考え、長く快適に暮らせる住まいを叶えましょう。
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