住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
お役立ちコラム

【目次】
家づくりをスタートするにあたって、欠かせない行事の一つが「地鎮祭」です。家を建てる土地の神様に、工事の安全と家の繁栄を祈る伝統的な儀式で、昔から大切に受け継がれてきました。言葉自体は聞いたことがあっても「地鎮祭って何をする儀式なの?」「やらないとどうなるの?」など、疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、地鎮祭の意味や目的、費用、当日の流れなどをわかりやすく解説します。実施しない場合の影響や当日のマナー、よくある質問と答えなども紹介しますので、これから家づくりを始める方はぜひ参考にしてください。

そもそも地鎮祭とはどのような儀式なのでしょうか。ここでは、地鎮祭を執り行う意味や目的といった基本知識と、やらない場合の考え方について解説します。
地鎮祭は、その土地を守る神様(氏神様)に着工を報告し、工事の安全や新居で暮らす家族の健康・繁栄を祈願する神道の儀式です。
住宅会社や工務店の担当者、設計士、施工関係者なども参列し、工事のスタートを全員で共有する場でもあります。こうしたことから、地鎮祭は「家づくりの第一歩」として大切にされています。
地鎮祭は、基礎工事の着工前に行うのが一般的です。日程は、神社や施工会社に相談して決めるケースが多く、暦の六曜や十二直にしたがって決めるのが慣習です。地鎮祭の日程は、六曜の「大安」や「友引」、十二直の「建(たつ)」「開(ひらく)」といった吉日が好まれます。
ただし、家族の予定や工事スケジュールも考慮の上で決めることが重要です。雨天でも実施できますが、テント設営などの追加準備が必要になることを知っておきましょう。
地鎮祭は法律で定められた行事ではなく、あくまで神道上の宗教的な儀式です。実施しなかったからといって、その後の工事に支障が出るわけではありません。実際、施主が無宗教であったり、予算や日程の都合が合わなかったりする場合に、地鎮祭を行わないケースも増えています。
その場合は「家族だけで塩や酒をまいてお清めする」「施工会社が代行して簡易的な儀式を行う」「神社で建築祈願をする」といった代わりの方法も考えられるでしょう。
しかしながら、地鎮祭には、家づくりをスタートする区切りや地域の慣習といった意味合いのほか、家族間の意思統一や近隣挨拶など、礼儀面で実施する側面もあります。実施すべきか迷う場合は、地域の慣習をリサーチしつつ、施工会社に事前確認するのがおすすめです。
次に、地鎮祭の準備や神社への依頼方法について解説します。地鎮祭の進め方や準備物は全国でほぼ共通ですが、地域によってお供え物や費用相場、慣習が異なる場合もあります。形式や準備に迷ったときは、施工会社や地元の神社に相談すると安心です。
地鎮祭は、その土地を守る氏神様を祀る神社に依頼するのが一般的です。建築会社や工務店に相談すれば、地域の氏神様を紹介してもらえる場合もあります。その際、神主が神社の外へ出向いて祈祷を行う「出張祭典」に対応しているかを確認しましょう。
費用(初穂料)や準備物を事前に確認し、希望日程がある場合は早めに予約しておくと安心です。
地鎮祭の準備から当日までの基本的な流れを確認しておきましょう。
時期 | 準備する内容 |
1カ月前 | 開催日時を決め、神社へ依頼する |
2〜3週間前 | 施工会社・工務店と、参加者の人数や内容を調整する |
1週間前 | お供え物、関係者用・近隣挨拶用の粗品を用意する |
前日 | 当日の天候確認、集合時間や開催場所の最終確認を行う |
当日 | 現地集合(開始30分前が目安)、進行は神主と施工会社に任せる |
スケジュールにあるように、開催1週間前を目安にお供え物や粗品を準備しましょう。主な準備物は次のとおりです。
・神饌(しんせん):
神様にお供えする食べ物として、米・塩・水・酒・魚・野菜・果物などをそろえる
・御神酒(おみき):
神様にお供えするお酒として、日本酒の一升瓶を1〜2本用意するケースが多い
・のし付きの初穂料(玉串料):
神主への謝礼として、2万〜5万円程度を目安に用意する
・粗品:
工事関係者や近隣住民への挨拶用に、タオルや日用品を用意する
必要なものを工務店が一式そろえてくれる場合もあるため、事前に「どこまで自分で用意するか」を確認しておきましょう。
地鎮祭にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。一般的な費用相場を、項目別に紹介します。
地鎮祭でかかる費用の中で大きいのが、神主への謝礼として渡す「初穂料(玉串料)」です。相場は2万〜5万円程度ですが、地域や神社の規模によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
初穂料は新札を用意し、紅白蝶結びののし袋に包みます。表書きは「初穂料」または「玉串料」とし、下段に施主の氏名を記入します。
渡すタイミングは地鎮祭の開始前または終了後で、施主から神主に直接手渡すのが一般的です。工務店が代わりに渡すケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
初穂料以外にかかる費用として、お供え物の購入費、会場の設営費などがあります。工務店が一式を用意してくれる場合、費用は後日まとめて請求されます。
項目 | 費用の目安 |
神饌(米・酒・塩など) | 5,000〜1万円程度 |
御神酒(一升瓶1〜2本) | 2,000〜3,000円程度 |
テント・祭壇などの設営 | 1万〜3万円程度 |
初穂料と上記の費用を合わせると、地鎮祭全体で10万〜15万円程度が一般的な目安です。
続いては、地鎮祭当日の基本的な流れや各儀式の意味を見ていきましょう。所要時間や直会(なおらい)についても詳しく解説します。
地鎮祭の基本的な流れは、以下のとおりです。
儀式の進行は基本的に神主が担当しますが「8.玉串奉奠」で榊を神前に捧げる際は、施主や家族も参加します。また、施工会社や工務店の担当者は「7.地鎮の儀」の中の「刈初め(かりぞめ)・穿初め(うがちぞめ)」で役割を担うことがあります。
地鎮祭で執り行う儀式について、それぞれの意味を知っておくと理解がより深まるでしょう。儀式ごとの意味は、以下のとおりです。
修祓(しゅばつ) | 神主が参列者や会場を清め、災いを祓う儀式 |
降神(こうしん) | 祭神を土地に招き、その場に宿ってもらう儀式 |
献饌(けんせん) | 祭神に神饌をお供えする儀式 |
祝詞奏上(のりとそうじょう) | 神主が工事の安全と家族の繁栄を祈願して祝詞を読み上げる儀式 |
四方祓い(しほうはらい) | 土地の四方を清めて、工事の安全を祈願する儀式 |
地鎮の儀(じちんのぎ) | 施主や施工者が草を刈り(刈初め)、土を掘る(穿初め)所作を行い、工事開始を象徴する儀式 |
玉串奉奠(たまぐしほうてん) | 参列者全員が玉串を神前に捧げて拝礼する、最も重要な儀式 |
撤饌(てっせん)・昇神(しょうしん) | お供え物を下げ、神様をお送りする儀式 |
直会(なおらい) | 参列者が御神酒をいただき、神の恵みに感謝する儀式 |
地鎮祭の所要時間の目安は、全体で30〜40分程度です。参列者が多い場合や儀式を丁寧に行う場合は1時間程度かかることもありますが、近年は儀式の簡略化で30分以内に終わるケースも少なくありません。
儀式終了後は、参列者全員で御神酒や神饌をいただく「直会」を実施するのが一般的です。神主や施工関係者に感謝を伝え、今後の工事をともに進めるための交流の場でもありますが、短時間で済ませることもあります。
出席が必要なのは、地鎮祭の主催者である施主とその家族です。できるだけ家族全員での参加が望ましいですが、難しい場合は代表者のみでも問題ありません。親族や知人の参加は任意ですが、参加の有無に関わらず「工事をみんなで見守る」という意識を共有することが大切です。
また、施工会社の担当者や工務店、現場監督も同席し、祭壇やお供え物の手配を担当します。「刈初めの儀」など、一部の儀式にも参加して工事の安全を祈願するのが一般的です。

地鎮祭は家づくりのスタートを象徴する重要な儀式であり、服装やマナーには一定のルールがあります。ここでは、当日の服装やマナー、振る舞いのポイントについて見ていきましょう。
参列する施主や家族の服装について、男性はブラックやネイビーなど、暗めの色のスーツを着用するのが基本です。首元には、落ち着いた色合いのネクタイを締めましょう。
女性はワンピースやスーツなど、フォーマル寄りの服装を選ぶと安心です。季節によってジャケットを羽織るなど、コーディネートは清潔感を意識しましょう。
男女ともに「きちんと感」が伝われば、黒一色でそろえる必要はありません。ただし、ジーンズやスニーカーなどのカジュアルすぎる服装は避けるのが望ましいでしょう。
子どもが参列する場合、無理にフォーマルな服を用意する必要はなく、制服や落ち着いた印象の私服で問題ありません。
親族や施工会社・工務店の関係者は、スーツやきれいめのシャツスタイルを選ぶと安心です。こちらも「清潔感」と「整った印象」があれば十分です。夏場は半袖シャツでも問題ありませんが、派手な色柄は避けましょう。
靴は、土の上でも歩きやすいものを選ぶのがポイントです。
式典中は私語を慎み、神主の指示に従って静かに行動します。玉串奉奠では神道式の「二礼二拍手一礼」を行いますが、当日神主が案内してくれるため心配は無用です。
また、式典中の写真撮影は、自分たちで行うよりも施工会社に任せるとスムーズです。ご近所挨拶の前に近隣の方と顔を合わせた際は、軽い会釈や挨拶を添えましょう。
礼儀として、地鎮祭の前後には近隣への挨拶回りをするのが一般的です。タオルや日用品などの粗品を用意し「工事でご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします」とひと言添えましょう。
挨拶回りは、施工会社の担当者や現場監督と一緒に行うのがおすすめです。誠意が伝わるだけでなく、工事に関する質問にもその場で対応できます。
近隣との関係は、今後の暮らしやすさに直結します。感謝の気持ちを込めて、丁寧に挨拶しましょう。
最後に、地鎮祭に関して寄せられることの多い質問をまとめて紹介します。
基本的には雨天決行です。雨天の場合は、テントを設営して実施します。また、雨には「禊(みそぎ)」の意味合いもあり、むしろ縁起が良いとされる地域もあります。
ただし、台風や荒天が予想される場合は、神社や施工会社と相談のうえで延期を検討しましょう。
地鎮祭はもともと神道に基づく儀式です。仏式では「起工式」、キリスト教では「奉献式」など、宗教ごとに異なる形式で実施されることがあります。
近年では、宗教にとらわれず、家族だけで簡易的に祈念するケースも増えています。自分たちの宗派や信仰に合わせて、施工会社に相談しておくと安心です。
ペットを同席させてはいけないという明確なルールはありません。まずは、神主や施工会社に確認するのが安心です。式への参加が難しくても、記念写真のタイミングだけ同席させるなど、柔軟に対応してもらえる可能性もあります。
地鎮祭終了後は、まず参列者や神主に感謝を伝えます。当日の写真や記録を残しておくと記念になるでしょう。
神主から「鎮め物」を受け取った際は、工務店に依頼して、基礎工事で家の中心部に埋めてもらいます。
地鎮祭が終わったタイミングで近隣住民へ再度挨拶回りを行い、工事がスタートした旨を伝えることも重要です。参列した工務店の担当者や現場監督と工事スケジュールについて打ち合わせをしておくと、スムーズに着工へと進められます。

地鎮祭は、家づくりのスタートを象徴する大切な節目です。形式的な行事と思われがちですが、土地の神様に工事の安全を祈願するとともに、家族全員で「新たな暮らしの第一歩」を実感する貴重な機会でもあります。
実施にあたってわからないことも多くあるかもしれませんが、本記事を参考に必要な準備や費用相場、当日の流れを把握しておけば、不安なく臨めるでしょう。
調べてもわからない場合は住宅会社の担当者にあらかじめ相談し、余裕をもって当日を迎えましょう。
▼関連する記事
一軒家の間取りはどうする?人気のおすすめ間取りとよくある失敗例を解説
注文住宅とは?注文方法の違いやメリット・デメリットなどを解説します!
建売住宅と注文住宅、どっちがいい?違い・メリットから選び方のポイントを紹介
注文住宅の間取りの決め方は?おすすめの間取り例や後悔しないためのポイントを紹介
注文住宅完成までにかかる期間は?流れや完成までの期間を早めるコツも解説
注文住宅を建てる流れは?支払いのタイミングや完成までの期間も解説
注文住宅の間取りでありがちな失敗10選|快適な家づくりのポイントも解説
注文住宅のキッチンはどう決める?おすすめスタイルや選び方をご紹介!
注文住宅の内装の決め方!知っておきたい住まいづくりのポイント
内装がおしゃれな家の建築実例10選!内装の決め方やおしゃれにするポイントも紹介
注文住宅でこだわりのポイントは?失敗しないための考え方も解説
注文住宅の予算相場は約3,861万円!費用の内訳と予算の決め方を解説
かっこいい家の建築実例ランキングとおすすめの間取りを一挙紹介!
【注文住宅】おしゃれな家のデザイン|人気のスタイルや内観・外観のポイントを紹介
【完全版】家を建てる流れを徹底解説!期間・費用・手順と成功のコツを紹介
上棟式とは?施主が知るべき流れ・費用・挨拶・マナー・準備を分かりやすく解説!
20畳のリビングってどんな感じ?暮らしやすいレイアウトやメリット・デメリットを解説
5人家族にちょうどいい一軒家の間取りとは?部屋数・広さ・実例を徹底解説
3人家族にぴったりの一軒家間取りとは?暮らしやすい広さと実例・後悔しない工夫を解説
【完全ガイド】家を建てる流れを解説!土地探しから引き渡しまでのステップと注意点
4人家族にちょうどいい間取りとは?快適な暮らしを叶える工夫と実例を紹介