住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
上野 典行(うえの のりゆき)氏 プリンシプル住まい総研 所長
リクルートに入社後、採用の編集企画室、続いて新領域推進室にて新規事業に携わった後に住宅領域に異動。「住宅情報タウンズ編集長」「住宅情報マンションズ編集長」「SUUMO編集長」を経て独立。「プリンシプル住まい総研」設立。日本賃貸住宅管理協会 研修副委員長、全国賃貸住宅新聞等、連載中。
※プロフィールは、取材当時のものです。
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第2回「子育てワーキングママたちのリフォーム・片づけ」
中古マンションを購入し、理想の暮らしを実現するためにリフォームを行う際には、どんなポイントに気をつければいいのか。また、その暮らしを維持していくために、じょうずに家族の協力を得るにはどう工夫するといいのでしょうか。みなさんの今、住んでいるお家を拝見しながら、収納アドバイザーとしても活躍されているみなさんの経験談を交えつつ、それぞれの工夫やアドバイスについて話していただきました。聞き手/プリンシプル住まい総研 所長 上野典行
尾崎さんとやまざきさんは中古マンションを購入してリフォームをされましたが、こだわったポイントはありますか?
やまざき築20年の中古マンションで経年の汚れもひどく、カビも生えてましたね。でも風通しが良かったので「しっかりリフォームすれば大丈夫だな」と思いました。
橋場初めてのリフォームだったんですよね?
やまざきそうです。私、不動産屋でアルバイトをしていた経験があって、知識も少しあったので、心配はしてませんでした。ただ予算には限りがあるので、優先順位をつけてやっていきました。まずは和室を洋室に変えましたね。壁紙とフローリングも一新しました。
尾崎私も壁紙と床を全て変更し、キッチンも取り替えました。全面リフォームでしたね。
橋場お二人ともお子さんは男の子ですよね。うちも男の子なんです。マンションだと、子どもの出す音が気になりませんか?それもあって私は一戸建ての貸家に決めたんです
やまざき気を遣いましたよ。和室部分は床が薄かったので、厚めにクッション材を入れるリフォームをしました。
尾崎マンションは床のリフォームをする際、規約で素材や防音性能の基準が定められていることが多くあります。それに合わせてリフォームをかけることになりますね。
やまざきそれでも何度か階下の方からクレームを受けました。近くの公園に行って走らせて、疲れさせたりしてましたね(笑)
尾崎うちも以前の家がメゾネットタイプだったので「2階に行って遊びなさい」としつけてました。今は三男が6歳なので、ある程度は落ち着きましたね。でもやっぱり公園には行かせます。
橋場みなさん苦労されるんですね(笑)
子ども部屋はどうされてますか。男の子って、自分の空間を欲しがるでしょう?
やまざきそれぞれに一部屋与えて、元和室のところを夫婦の部屋にしてますね。
尾崎上の二人の子どもには個室を与えてます。長男が家を出たタイミングで、三男の部屋にリフォームしようかと思っていますね。
橋場うちも子ども部屋は与えてますね。子どもが自分で収納できるよういろいろ工夫してます。
お片付けの話がでたところで、みなさんの住まいを実際にみせていただきましょう。橋場さんは整理収納アドバイザーとして活躍されていますが、自分で自由に変更できない賃貸物件では苦労されているんじゃないですか?
橋場物件探しの際、重視したのはお気に入りの長いダイニングテーブルが置けること、収納スペースが取れることでした。優先する条件に合わせて、色や造りなど、涙を飲んだ場所もありますよ。
やまざき白いテーブルですね。ガマンしたというのは、この床ですか?
橋場そうなんです。見せる収納が好きなので、グリーンを置いたり、テーブル下に冬場にラグを敷いて隠したりして、自分好みに変えていってます。
尾崎面をそろえるというのも大切ですよね。本などは、奥までぐっと押し込みがち。それだと見える正面がガタガタになってそろいません。
橋場私は箱に収納してそろえてます。同じ物が並ぶと気持ちいいですよね。
やまざきさんのお宅も、当たり前ですがさすがに片付いてますね(笑)チャイルドマインダーや収納アドバイザーならではコツみたいなのはありますか?
尾崎男性って濃い色が好きじゃないですか。でも白系の壁紙や床、扉にすると静かな感じが出ますよ。
橋場キッチンに出ているものがないというのがすごいですね!
やまざき調味料や調理器具が見えていると、それだけでゴチャゴチャするでしょう?あれが苦手なんです(笑)
橋場私もです!アドバイザーとして呼ばれる家の特徴で多いのが「物が多い」ということ。
尾崎わかります。必要かどうかを考えないで買っちゃってるんですよね。やまざきさんも橋場さんも収納する箱をそろえて、それがきちっとはまっているのが気持ちいいですね。
橋場部屋に入ってきたときの印象がまったく違いますよね。色が同じで、面がそろってて、物が少ないと、心も落ち着くんですよ。
やまざきまずはこうやってそろえるところがスタートですね。最初は中にゴチャッと詰めこんでも良いから(笑)
最後に、ミニマリストと呼ばれる尾崎さんのお宅を見せていただきましょう。本当にシンプルですね。これは畳ですか?
尾崎以前はフローリングでソファを置いていたんですが、掃除の際に動かすと、おもちゃが出て来たり、ソファにビー玉がつまっていたり、と……。それに、みんなソファを背もたれにして床に座るんです。「だったらいらないね」とソファを撤去。畳だと寝転べてクッションも要らず、音も静かですね。
やまざき白系統でとても清潔感がありますね。
橋場家具がほとんどないのが特徴ですね。お洋服などはどこに片付けられているんですか?
尾崎一つの部屋を家族全員の収納部屋にしています。各部屋に分別する手間が省けるので、これはオススメです。子どもも、ここに来れば母を手伝えるというのが分かりやすいのか、よく手伝うようになってくれましたよ。
橋場片付けで苦労している方のほとんどは、「子どもが言うことを聞いてくれない」というイライラが原因だったりしますよね。ルールが簡潔だと片付けの習慣も身につきやすいし、家族も協力しやすく、長続きしそうですね。
家族に協力してもらうために、みなさんが工夫されていることを教えてください。
橋場私はわかりやすく「ここにはこれを入れるんだよ」という収納で、子どもが覚えてできるようにしています。
やまざきどこに何が入っているか明確だと、子どもが片付けやすいですよね。服も、下の子に着せるモノや、次のシーズンも使えそうなモノは、サイズなどを書いた紙を貼っています。誰もが分かるように収納するというのも、手間を減らして家族が協力しやすくするコツですよね。
尾崎私がリフォームでカウンターからオープンキッチンに変えたのは、家族が収納に参加しやすくするためなんです。カウンターは、受け取る人がいる前提。キッチン内はお母さんが取り仕切るという認識の上に成り立っているんですよ。オープンにすると、気軽にみんなが入ってきて手伝ってくれますね。うちは洗い物は各自が担当することになってます。
収納のプロは当然お母さんのプロでもあるんですね~!いやあ、そうやって家の中がしっかりとされていると確かに協力しやすいかもですね。では次回はリフォームについてより詳しく聞いていきたいと思います。
プロフィール
※プロフィールは、取材当時のものです。
上野 典行(うえの のりゆき)氏 プリンシプル住まい総研 所長
リクルートに入社後、採用の編集企画室、続いて新領域推進室にて新規事業に携わった後に住宅領域に異動。「住宅情報タウンズ編集長」「住宅情報マンションズ編集長」「SUUMO編集長」を経て独立。「プリンシプル住まい総研」設立。日本賃貸住宅管理協会 研修副委員長、全国賃貸住宅新聞等、連載中。
※プロフィールは、取材当時のものです。