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建築家が家族のために自宅をフルリノベーション!建築家が考えるリノベーションの極意って?
主婦目線で徹底解説します。

最近、デザイン性が高く機能的な住まいを実現するために、建築設計事務所にリノベーション設計を依頼する方が増えています。
設計のプロであり芸術的感性と知性を兼ね備えた建築家が、自分と家族のために手がけた自邸は、自身の価値観や設計思想が反映され、また建築家ならではのアイディアも詰まっています。
リアリエでは今回、中古マンションを購入し自身でリノベーション設計を手がけた、R.E.A.D. & Architects代表で建築家の一級建築士・岡田 一樹さん、インテリアプランニング担当・岡田 絢子さんに、お話を伺いました。物件探しのポイントや設計コンセプト、間取りの工夫、収納計画など、理想の住まい作りの参考にしてみてください。

第1回 物件探し編

岡田絢子岡田絢子
Ayako Okada
建築デザイン事務所 R.E.A.D. & Architects インテリアプランニング担当
二人の幼児を育てる傍ら、建築家である夫・岡田一樹と共に、建築デザイン事務所にて主婦ならではの目線を活かしインテリアプランニングを担当。インテリア関係の執筆も行っている。

岡田一樹
Kazuki Okada
建築デザイン事務所 R.E.A.D. & Architects 代表 / 一級建築士
1984年 兵庫県芦屋市生まれ。2009年 京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築設計学 修了。2009年~2017年 谷口建築設計研究所勤務を経て、2017年12月 R.E.A.D. & Architects 設立。

※プロフィールは、取材当時のものです。

フルリノベーションした自宅:キッチン側を見る

昨今、身近となった住宅のリノベーション。
そもそも「リフォーム」と「リノベーション」の違いをご存知ですか?
リフォームは、壊れたり老朽化したものを修復したり、綺麗にして元の機能を回復させること。
一方リノベーションは、改革や刷新を意味し、既存のものを活かし、新たなる価値を創造することです。
リノベなら土地が高い都心でも、既存の環境を活かして、自分達だけの宝物のような唯一無二の家を生み出すことができる。そう思い、5年住んだ新築の分譲マンションを売却し、中古マンションを購入、建築家の主人と共に自らフルリノベーションすることにしました。

新築マンションから中古マンションへ住み替えた理由

以前購入した新築マンションのリビング

結婚と同時に購入した新築マンション、大きな不満はありませんでした。
でも、分譲マンションって言わば大量生産された既製服。
マンションの敷地条件いっぱいに建てられた建物の中で、いかに部屋数を増やすか、いかにターゲット層のニーズに応えた数字的な条件(部屋数、設備等)を満たすか、ということに重点を置いて非常に合理的に設計されるケースが多いです。
つまり、住む人のことを考えて、1部屋ずつ丁寧に設計されている訳ではありません。だから、家具が配置しづらかったり、収納が足りなかったり、変な所に無駄なスペースがあったり。私たちも、小さな不満がたくさんありました。でも、便利だし、まぁこんなものかな?と。
その不満は、年齢と共に自分達のスタイルが明確化し、家族が増え、生活が複雑化していくごとに、漠然としたストレスとなって暮らしに陰を落としていきました。

家は、人生で一番高い買い物であり、一番長く時間を過ごす、暮らしそのもの。

変わり始めたライフスタイルを見つめ直した時、もう似合いもしない既製服ではなく、私達にぴったりな心地良いオーダーメイドの服を着たくなったのです。

フルリノベーションした自宅:リビング側を見る

いざ、物件探しへ。リノベーションに向いている物件とは?

私達が物件を絞る上で、気をつけている基本的なポイントは、4つ。

  1. 1.新耐震基準が施行された1981年以降の物件か?

    新耐震基準では、RC造において極めて希に起こる大地震に遭っても、倒壊しない構造にすることが義務付けられるようになり、安心材料の一つになります。

  2. 2.マンション管理規約でリフォーム工事が制限されていないか?

    水回りの位置を動かしてはいけない等、マンションによっては規約がありますので、担当者に確認することをおすすめします。当然、自由度の高い方が満足度の高いリノベーションができます。

  3. 3.間取り図で、構造的に動かせない箇所を確認する

    構造壁、パイプシャフト等工事でも動かせない箇所は、内覧の際にもらう間取り図で、ある程度はチェックできます。

  4. 4.築年数が15年を越えている場合、設備が更新されているか

    エアコン、給湯器などは、10年~15年が寿命ですので、15年を超えているなら取り換えが必要となり、リノベ費用を圧迫してしまうことも。

建築家が考える、物件とは?

上記の基本的なポイントに加えて、建築家ならではの基本ポイントがあります。

間取り図 左:改修前、右:改修後(提供:R.E.A.D. & Architects)

  1. 1.光と風

    住宅設計の基本は、光と風です。当事務所でも戸建住宅を設計する場合において、最も重視することの一つ。光と風はダイレクトに心地よさを生みます。窓が多く、光や風を取り込みやすい角部屋はおすすめです。
    我が家も改修前はリビングが狭くて暗く、風も光も抜けにくい間取りでしたが、三方に窓がある角部屋ですので、壁を取り払えば風も光も抜けることが想像できました。

  2. 2.眺望

    当事務所では、窓からの眺望は、家(敷地)の一部と捉え設計します。緑や海、空の抜けなど周辺の眺望を取り込むことで、床面積以上に空間が広がり、その場所ならではの空間に。
    我が家は、低層マンションですが、隣には寺院があり豊かな緑が望めます。その環境は、永続的に失われないものか、チェックも必要です。

    寺の境内の緑への眺望を取り込んだリビング(撮影:吉村昌也・Copist)

  3. 3.部屋の形状

    間取りは、いくらでも変更できますが、問題は部屋の形。都心の分譲マンションによくあるうなぎの寝床のような縦型長方形よりも、少し変わった形状や、開口部の広い横長長方形の方がプランニングしやすいです。

そして、いい物件に出会うために最も大切なことは、既存の価値基準に囚われすぎないことです。そのためにも、自分達の価値基準を明確にしておきましょう。
我が家は北向きで緑の向こうには墓地が見えますが、リノベ後は風も抜け明るいです。墓地も私達は全く気にならないので、お得に購入できました。

この条件を考えていけば、自ずと物件が絞られてくるのではないでしょうか。
もし物件を探す時点で、依頼するリノベーション会社や建築家が決まっていたら、この時点で相談し、場合によっては同行してもらうとより安心ですね。
次回は、いよいよリノベーションのプランニングです。

(文:岡田絢子)

ご自宅の詳細をリノベーション事例集でご紹介


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