住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
近年、平屋と2階建てのメリットを併せ持つ「1.5階建て」の住宅が人気を集めています。1.5階建ては、子育て世代やコンパクトに暮らしたい世帯におすすめの住宅様式です。
本記事では、1.5階建ての住宅について概要やメリット・デメリットを詳しく解説しています。実際の建築実例も載せておりますので、住宅設計の参考にご活用ください。
平屋にコンパクトな2階をプラスしたのが1.5階建てです。通常平屋にロフトを設ける場合、天井高1.4m以内という制限がありますが、1.5階建てではその制限がなく、縦の空間を広く使えます。この場合、建築確認申請上は2階建ての扱いになります。
また1.5階建てでは、ワンフロアを充実させられる平屋と、居室を十分に確保できる2階建ての双方の良さを体感しながら生活できます。
たとえば1階部分にメインの空間を設け、1.5階に趣味の部屋や仕事部屋など必要な居室だけをコンパクトにまとめる間取り設計も可能です。あるいは子ども部屋のみを1.5階に設置し、子どもが巣立ったあとは1階のみで親世帯が生活しながら、1.5階をゲストルームや収納部屋として使う方法もあります。
このように家族のライフステージに合わせて、使い方を変えられるのもメリットのひとつです。
1.5階建ての住宅は、平屋と2階建てのメリットを存分に盛り込みながら設計できます。
ここでは、1.5階建てのメリットについて把握しておきましょう。
1.5階建ての住宅は、個室や収納が足りないと感じた場合に必要な部屋だけを1.5階部分に追加できます。
一般的な平屋は1階部分に広いLDKを設置すると、家族一人ひとりの居室を確保するのが難しいケースがあるかもしれません。そのような場合でも、1.5階に個人の居室を確保することができます。
家族が多く、広い収納スペースが必要な場合は、1.5階に収納を設けることで、1階の生活スペースを犠牲にすることなく収納スペースを確保することができます。
生活環境に合わせて柔軟に部屋数を調整できる点は、1.5階の大きなメリットだといえます。
通常の2階建てと比べると、耐震性の面でも1.5階建ての方が有利です。
1.5階建ては2階建てに比べると高さが低く、上階の重量も抑えられるので、構造上安定していて耐震性の面でも有利と言えます。
平屋の耐震性って本当に高いの?地震に強い構造や理由についてご紹介!について詳しくはこちら
普通の平屋でも吹き抜けは可能ですが、1.5階建てならより開放的な吹き抜けがつくれます。
たとえばLDK上部に吹き抜けをつくって、立体感のある開放的な空間を生み出せます。リビングの床を1段下げるダウンフロアと吹き抜けを組み合わせると、より縦の広がりを強調したダイナミックな空間になるでしょう。他にも、玄関ホール内に吹き抜けを設置して、ゲストが訪れた際にパッと明るい印象を与えることも可能です。
1.5階建てでも間取りを工夫すれば、平屋のように天井勾配を使った個性あふれる空間設計が叶います。
吹き抜けのある平屋を建てたい!メリットデメリットや注意点を紹介について詳しくはこちら
2階建てより上下階のつながりが感じられる点も、1.5階建てのメリットです。吹き抜けやスキップフロアを導入していれば、上階にいても1階にいる家族の気配が感じられます。
2階建てのように個人のプライベート空間を確保しつつも、1.5階の居室から家族の存在を感じ取れる空間は、居心地の良い安心感のある住まいになります。上下階のつながりによって家族同士のコミュニケーションも自然に増えるでしょう。
また、家のどこに家族がいるのかわかれば、家族の体調が悪いときや緊急時にもすぐに対応できるかもしれません。
1.5階は、構造上は2階建てですが、平屋のように1階部分に居住スペースをまとめられます。
たとえば、1階部分にLDK・水回り・寝室をまとめれば、日頃の生活はワンフロアで完結させられ、階段を上る必要はありません。仕事や趣味の作業のときだけ1.5階に設置した部屋へ行くといった生活スタイルも可能です。
また、子ども部屋のみを1.5階に設置した場合は、子どもが巣立ったあとに親世帯が自分たちの居住スペースを変更する必要がありません。1階にメインの居住空間がまとまっていれば、バリアフリー化する際もスムーズに進められるでしょう。
一方で、1.5階建てにもデメリットがあります。
特によく言われるデメリットを紹介しますので、1.5階建てをプランニングする際の参考にしてください。
通常の2階建てと比べて建築コストが割高になりやすい点は、デメリットのひとつです。
一般的に住宅建築では、基礎や屋根部分に多数の建材を使うとコストが高くなるとされています。なかでも平屋は、基礎や屋根部分が2階建ての2倍近くの面積を占め、費用が高くなる傾向があります。
1階部分を広く取る1.5階建ても、平屋と同様に基礎部分に多くの面積を確保するため、費用が高くなってしまうでしょう。
新築平屋の価格相場はいくら?2階建てとの比較や費用を抑えるポイントを解説について詳しくはこちら
1.5階建ては、2階建てよりも建物の高さが低くなるのが特徴です。それによって、防犯面に不安を抱く場面もあるかもしれません。
たとえば、近隣に2階建て以上の建物があると、上から生活の様子が見られる可能性があります。特に1.5階建てでは1階部分に生活スペースをまとめることが多いため、1階で過ごしていると周囲からの視線が気になるかもしれません。
1.5階建ては平屋ほどの土地面積は必要ではありません。しかしながら、2階建てと同じ延床面積を確保したい場合は、通常の2階建てより大きな土地を確保する必要があります。
1.5階建ては、1階部分に大部分の居住スペースを配置する設計が基本です。そのため、一般的な2階建て住宅よりも広さのある1階が必要で、その分広い土地を用意しなくてはなりません。
ただし平屋と比較した場合は、平屋と同じ土地面積でも多くの居室を設けられるため、その点はプラスだといえるでしょう。
平屋に適した坪数は?間取りと実例を紹介について詳しくはこちら
ここからは、1.5階建てを採用した住宅の実例を紹介します。どの実例も間取りにこだわった魅力あふれる住宅に仕上がっていますので、ぜひ参考にしてください。
こちらの1.5階建て(平屋)ではLDK内に大きな吹き抜けを設け、開放的な空間を設計しました。
吹き抜けと面している部分にはロフト空間を設計し、収納スペースや子どもの遊び場、書斎コーナーとしても使えるようにしています。
またLDKから同じフロアの和室や子ども室の様子もわかるため、子どもの様子を把握しながら家事に取り組めるのも魅力的なポイントです。
木のぬくもりが家族の時間を心地よく包む、開放感あふれる平屋の住まいの建築実例を見る
こちらの1.5階建て(平屋)では玄関ホールとLDKをひとつなぎにするほか、メインの居住スペースをワンフロアにまとめてスムーズな生活動線を実現しました。
メインのフロアとは別にロフト空間も設けており、家族がゆったりと過ごせる多目的スペースとして活用されています。またロフト空間や主寝室、子ども室は生活スタイルに合わせて柔軟に用途を変更できるのも特徴的です。
子ども達と一緒にのびのびと過ごせる平屋の住まいの建築実例を見る
こちらの1.5階建て(平屋)では、LDK内にスキップフロアとロフトを採用しています。
スキップフロアには木のぬくもりがあふれる家具を配置し、ナチュラルな雰囲気のリビングに仕上がりました。またスキップフロアの床下部分は、収納スペースとして活用できるのも魅力的なポイントです。
スキップフロア横の梯子からロフトに上がれる設計で、縦の空間を存分に活かした住まいが完成しています。
自分達らしいインテリアにこだわった、スキップフロアのある平屋の住まいの建築実例を見る
1.5階建ての住宅は柔軟に間取りを調整できるだけではなく、耐震性が高い点や家族の存在を近くに感じられる点も大きな魅力です。一方で建築費用が割高になることや、防犯対策が必要となる点などがデメリットとして挙げられます。
それでも平屋と2階建ての良さを存分に取り入れられるのは、1.5階建てならではのメリットだといえるでしょう。
本記事で紹介した建築実例も参考に、満足のいく家づくりを検討しましょう。
40坪の平屋を建てる費用は、建築する地域、使用する材料、設備のグレード、デザインの複雑さなどによって大きく変動します。
一般的に、平屋の建築費用は坪単価で計算され、坪単価は30万円から60万円程度が相場とされています。したがって、40坪の平屋を建てる場合、概算で1,200万円から2,400万円程度が目安となります。
しかし、これには土地の購入費用や外構工事、設計費用などは含まれていません。また、高い断熱性能や最新の設備を求める場合、さらに費用が上乗せされることもあります。
正確な費用を知るためには、建築会社や設計事務所に相談し、具体的な見積もりを取ることが重要です。
プラスカイとは、自然光を室内に取り入れるための天窓や大きな窓などを設けた住宅設計の概念です。これにより、室内を明るくし、開放感を持たせることができます。
また、プラスカイの設計は、エネルギー効率の良い住宅を目指す際にも有効で、自然光の利用により照明の使用を減らし、暖房や冷房の負担を軽減することが期待されます。
このような設計は、居住者の快適性の向上だけでなく、環境に優しい住まい作りにも寄与します。