中庭のある平屋に住みたい！間取り・形状やメリット・デメリットを解説

【目次】

中庭と平屋を組み合わせると生活の利便性が向上し、平屋の開放感も増すため、マイホームに採用する家庭も増えています。

本記事では、平屋に中庭を取り入れる際に検討したい住宅形状やメリット・注意点を解説しています。平屋住宅を検討中で、間取りに中庭を入れるか迷っている方は、検討時の参考資料としてご活用ください。

中庭のある平屋の間取り・形状とは

平屋に中庭を設置する場合は、住宅形状を中庭に沿ったものにすることが必要です。代表的な形状として、以下の3種類から選択する家庭が多いとされています。

コの字型の間取り

コの字型は、その名の通り住宅が「コ」の形をしている住宅をいいます。中庭は住宅の中央に設置し、3辺が住宅と面しているのが特徴です。

コの字型のメリットとして、ほどよくプライバシーを守りつつも、囲われていない部分で開放感をアップさせられる点が挙げられます。囲われていない部分が道路に面しているなどで外からの目線が気になる場合は、フェンスやルーバーを設置すると安心です。また、コの字型は比較的狭い敷地面積でも建てられるため、住宅地にも向いています。

ただし、中庭の設置位置によっては採光性が下がる可能性もある点に注意しましょう。

ロの字型の間取り

ロの字型は住宅が「ロ」の形で、中庭を設置すると4辺のすべてが囲われる形状を指します。コの字型より外からの視線をカットできるため、プライバシーの確保はもちろん、防犯性も高い点が魅力です。とくに小さな子どもやペットがいる家庭では、中庭から道路に飛び出す心配をせずとも安全に遊ばせられます。

一方で、ロの字型はコの字型よりも広い敷地面積が必要です。また室内の間取りを工夫しないと、生活動線が長くなり不便に感じる場合があります。

L字型の間取り

L字型は「L」の形をした住宅内に中庭を設置するものです。二辺だけが囲われているため、3つの住宅形状の中では最も開放感がある形状でしょう。農村地帯でよく見られる形状で、周辺環境にも自然にとけ込みやすい外観となるのが特徴です。

一方で、L字型で中庭を設置するには、居住部分を狭くする必要があります。それでも、コの字型やロの字型の中庭に比べ広々とした中庭を実現でき、手入れの負担も軽減できる点はメリットでしょう。

L字型の平屋につきましては以下の記事にて詳しく紹介しておりますのでご覧ください。
L字型の平屋住宅とは？間取りの活用方法やメリット・デメリットを紹介

中庭のある平屋のメリット

平屋に中庭を設置すると、多くのメリットがあります。とくに、平屋のデメリットとされる採光性や通気性の問題の解決につながります。

ここでは、中庭のメリットをさらに深掘りして解説します。

日当たりが良い

中庭があると、自然光があたたかく室内に届く平屋にできます。

そもそも平屋は、住宅の中心部分に日が当たりにくい構造のため、どうしても室内が暗くなりがちです。しかし、中庭を設置することで、サッシや窓から効率良く光を取り込めます。日中なら、照明器具に頼らずとも生活ができるでしょう。

また、日当たりが良くなれば、室内空間全体も明るい雰囲気に変わります。

平屋は天井を高く設計できるため、勾配天井を活用して縦の空間にも明るい光を届けることが可能です。中庭に面している部分を部屋の窓や開口部とすれば、どの部屋も明るく居心地の良い平屋にできるでしょう。

風の通り道を確保しやすい

採光に加えて、通気性を向上させられる点も中庭のメリットです。

中庭のある平屋では、窓や開口部を多く設置します。そのため、窓を開けるといつでも新鮮な空気が部屋に広がります。コの字やロの字、L字型住宅といった複雑な住宅形状でも、風の通り道を効率良く確保できるでしょう。

一般的な平屋では、窓を開けると外からの視線が気になり、なかなか開けっ放しにできないといった声も聞きます。しかし、中庭を経由して空気を取り込む設計であれば、周辺環境に左右されずに窓を開けられて安心です。

プライベート空間をつくることができる

中庭の設置によって、家族で過ごせる空間を増やすことも可能です。

平屋は居住スペースの全てが1階にまとまるため、広々とした個室やプライベート空間を満足に確保できない場合があります。LDKを広く取ると寝室や子ども部屋が狭くなってしまったり、家族一人ひとりの個室を確保するために共有スペースを削ったりと、調整が難しいこともあるでしょう。

そこで、中庭を部屋のひとつとして活用する方法があります。LDKの延長として屋外のプライベートリビングとしたり、眺望を楽しみながら昼寝や読書をする書斎テラスのようにしたりして、家族の生活に沿ったプラスアルファの空間を作れるでしょう。

また、平屋ならではの設計として、ロフトやスキップフロアなど縦の空間を活用した間取りも併用するとさらに広々と過ごせる住宅に仕上がります。

中庭のある家の間取りは？メリット・デメリットや注意点も解説について詳しくはこちら

中庭のある平屋のデメリット

中庭と平屋は相性が良く、設置すると快適な住環境にできるのが魅力ではあるものの、注意すべき点もあります。

そこで、平屋に中庭を取り入れるデメリットについてもチェックしておきましょう。

建築費用が高くなる

中庭を設置するには、当然ながら費用がかかります。平屋の居住スペースに上乗せして中庭を設ける場合は、それだけ多くの敷地面積が必要です。敷地分だけでも一般的な平屋より多くの土地代がかかります。

また、中庭のある平屋は、ロの字やコの字型と複雑な形状です。ロの字やコの字住宅は、中庭と面している外壁や窓が増える分だけ必要な建材も増えるため、建築費用が高くなります。中庭と室内を行き来できるように出入り口も設置するなら、サッシやドアも別で設計しなければならず、コストはどんどんと上乗せになり予算オーバーする可能性が高まります。

そのため、希望する居住スペースや予算を事前に決めておくなどの、計画的な設計が求められるでしょう。

メンテナンスが必要

中庭のある住宅は外壁面積が大きい分だけ、メンテナンスの手間がかかります。

住宅の外壁は10年程度で経年劣化し、一般的には塗り替えや張り替えが発生します。また、雨風などの汚れによる外壁洗浄などのこまめなお手入れも発生します。ほかにも、中庭のゴミ掃除や除草、窓やサッシの拭き掃除など、中庭のない住宅に比べると多くの作業が必要です。

さらに、塗装などの作業は専門会社へ依頼します。そうなれば、メンテナンス費用もさらに上乗せされるでしょう。

外気の影響を受けやすい

窓など開口部の多い中庭住宅では、外からの空気が室内に多大な影響を与えます。

例えば、冷暖房のスイッチを入れてから設定した温度になるまで時間がかかるでしょう。冷暖房の効きが悪くなれば、光熱費も一般的な住宅より高くなりやすい傾向があります。

また、花粉症やPM2.5に悩むアレルギー体質の方は、中庭を通して多くの空気が入ることで、以前よりもストレスを抱えてしまうかもしれません。そのため、外気の影響を受けにくい空調設備や窓・サッシの導入が別途必要になる場合があります。

平屋の中庭はさまざまな用途で活用できる

デメリットを意識しつつも良い部分を平屋に活かすには、中庭を多用途に使える間取りに設計するのがおすすめです。

例えば、中庭を単に景色を楽しむ庭として捉えるのではなく、日々の洗濯物を干す家事の場所やお茶を楽しむリラックススペースとして利用するのもよいでしょう。ほかにも、室内では難しいアウトドアを楽しむ趣味の空間や、DIYスペース、自転車のメンテナンス場所にも向いています。

室内の生活動線や過ごし方の幅を向上させられるような中庭にすると、失敗のない中庭にできるでしょう。

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中庭がある平屋で自然を感じる住まいを実現しよう

平屋を検討しているのであれば、中庭を設置するのがおすすめです。中庭があると、快適度や開放感を向上でき、家族やゲストとの時間もさらに充実させられるでしょう。

ただし中庭づくりでは、メンテナンス頻度の軽減や家事の効率化を実現できるような間取り設計が重要です。どのような住まいにしたいかよく家族で話し合いながら、優先順位を決めて間取りを決めていきましょう。