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住まいと相続税

住まいの相続に小規模宅地等の特例

平成27年以後の相続については、基礎控除額の引き下げや最高税率の5%アップなど、相続税が増税方向へと改正されました。
その結果、相続税の課税割合は大幅に増加しています。

図(1) 相続税の申告状況

図(1) 相続税の申告状況

図(1)は1年間に亡くなった方(被相続人)の中で、相続税の申告書が提出された件数の推移です。
平成26年に申告書が提出された被相続人の数は7万3,134人、そのうち課税対象となった被相続人の数は5万6,239人で、申告書の提出はあったが納税額がゼロのケースが1万6,895人という状況でした。
平成27年に申告及び課税対象の数は急増し、以降は微増傾向で推移しています。
平成30年の実績では、申告書提出数が14万9,481人、課税対象数が11万6,341人という状況で、平成26年に対して、約2倍に上昇しています。
内容別には、申告書提出数は2.04倍、課税対象数は2.06倍、納税額ゼロの申告数は1.96倍となっています。

相続税は正味の遺産額が基礎控除額に満たない場合は、課税されません。また申告の必要もありません。ただし、正味の遺産額が基礎控除額を超える場合で、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などの適用を考慮した結果、納税額がゼロとなる場合は、特例の適用を受けるために、相続税申告書の提出が必要となります。
全申告数に対する納税額ゼロの申告数の割合は、平成30年では22.2%を占めています。毎年同程度の割合で推移している状況です。

納税額ゼロの申告書提出については、以下のケースが考えられます。

  1. 遺産額1億6千万円までの範囲で配偶者がすべての遺産を相続し、税額軽減の特例を適用したケース
  2. 小規模宅地等の特例を適用して、居住用宅地の課税価格を大幅に軽減したケース

いずれも特例の適用を受けるため申告ですが、配偶者の税額軽減の特例は、二次相続の税負担にも考慮した効果的な利用の検討も必要です。また、小規模宅地等の特例については、制度の理解と積極的な活用が必要と思われます。相続財産の多くの部分が居住用の土地建物となる課税対象者にとっては、小規模宅地等の特例が相続税対策のポイントといえるでしょう。

⼩規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例とは、被相続人が居住していた宅地や事業を行っていた宅地について、一定面積を限度に相続税の課税価格が80%または50%減額される特例です。相続人の生活や生活の糧を得る基盤を維持することに配慮した制度です。

小規模宅地等の特例によって課税価格が減額される宅地には、特定居住用宅地等、特定事業用宅地等(特定同族会社事業用宅地等含)、貸付事業用宅地等の3つがあります。
限度面積と減額される割合は、特定居住用宅地等は330m²を限度に80%、特定事業用宅地等(特定同族会社事業用宅地等含)は400m²を限度に80%、貸付事業用宅地等は200m²限度に50%です。

小規模宅地の特例を適用して納税額ゼロとして相続税申告を行うケース

相続人は子3人、遺産額は自宅土地4,000万円及びその他財産(自宅建物含)4,000万円、合計8,000万円で、土地の面積は330m²未満とします。

特例を適用しない場合と特例を適用した場合

※1 基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 相続人の数3人) = 4,800万円

※2 相続税の総額
課税遺産総額を相続人(子3人)の法定相続割合で按分した課税価格をもとに、各人の税額を算出します。
各人の税額の合計が相続税の総額となります。
子1人分の税額 = 3,200万円 ÷ 3人 × 税率(15%)- 50万円 = 110万円
相続税の総額 = 110万円 × 3人分 = 330万円

※相続税の計算手順についての詳細は、「相続税課税の実情」のページをご参照ください。

小規模宅地の特例(特定居住用宅地等)の適用を受けることによって、課税価格4,000万円の自宅土地が80%減額されて800万円、その他財産4,000万円を含めて正味の遺産額は4,800万円となります。
正味の遺産額4,800万円から基礎控除額4,800万円を控除すると課税遺産総額はゼロ、その結果、納税額がゼロになります。
このように納税額がゼロでも、特例を適用するために相続税の申告をしなければなりません。

図(2) 小規模宅地等の特例 適用状況

図(2) 小規模宅地等の特例 適用状況

図(2)は相続税改正前の平成26年と改正後の平成27年の小規模宅地等の特例が適用された件数を比較したグラフです。特例の適用状況については、特定居住用宅地等の件数が一番多く、次いで貸付事業等宅地等、そして特定事業用宅地等の順になっています。
特に、特定居住用宅地等については、平成26年の2万7,638件から平成27年の4万9,494件に、約1.83倍と大きく伸びています。
また、平成27年の申告数は13万3,176(図(1)参照)でしたが、そのうち特定居住用宅地等の適用割合は37.1%を占めています。

⼩規模宅地等の特例には対象となる宅地の要件と、相続人に対する適用要件があります。
平成27年の相続税の改正以降も、平成30年度および令和元年度の税制改正で、小規模宅地等の特例の見直しが行われています。これからは、この⼩規模宅地等の特例適用の可否が相続税対策のポイントと⾔えます。しっかりとした制度内容の理解が必要です。

⼩規模宅地等の特例の概要は、下の表の通りです。

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相続する土地 評価減の割合 限度面積 相続する人
1.特定居住用宅地等
※被相続人の居住の用に供されていた宅地等
▲80% 330m²
  1. 配偶者(無条件)
  2. 被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族(居住継続・保有継続)
  3. 配偶者及び同居親族でその被相続人の相続人である人がいない場合
    ②及び③以外の別居親族(保有継続)

※相続開始前3年以内に日本国内にある自己、自己の配偶者、三親等内の親族又は特別の関係がある一定の法人の所有する家屋に居住したことがないこと。相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがないこと。

2.特定事業用宅地等
(特定同族会社事業用宅地等)
▲80% 400m² 親族(申告期限まで保有継続・事業引継ぎ)

※相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地は特例の対象外(ただし、宅地上の事業用の減価償却資産が宅地価額の15%以上である場合を除く)

3.貸付事業用宅地等 ▲50% 200m² 親族(申告期限まで保有継続・事業引継ぎ)

※相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地は特例の対象外(ただし、相続開始まで3年を超えて引き続き特定貸付事業(事業的規模の貸付)をおこなっていた場合を除く)

※1 居住継続とは、相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその建物に居住していること。
※2 保有継続とは、特例対象の宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること。
※3 事業引継ぎとは、被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、申告期限までその事業を営んでいること。

複数の宅地が存在する場合の併用適用について

  • 特定居住用宅地等と特定事業用宅地等の2つの併用適用については、それぞれの限度面積まで特例の適用が可能です。
  • 貸付事業用宅地等とそれ以外の宅地を併用適用する場合は、対象地面積の調整計算が必要です。最も有利になるように選択適用することができます。

貸付事業用宅地等とそれ以外の宅地等が混在する場合は、下記の算式で対象地面積を調整します。

計算式

例えば、自宅の敷地200m²に特定居住用宅地等を適用しますが、限度面積330m²に対して130m²利用できていません。この未利用分相当を貸付事業用宅地等に適用する場合、貸付事業用宅地等の限度面積200m²に対して130m²/330m²(=39.4%)の割合だけ利用することができます。

記例の調整計算の考え方

上記例を調整計算式に当てはめると、次のようになります。

計算式

計算の結果、特定居住用宅地等200m²、貸付事業用宅地等78.78m²に対して特例の適用が可能です。このようにして小規模宅地等の特例をほぼ100%適用することができます。

特定居住用宅地等の適用要件

特定居住用宅地等の適用については、対象の居住用宅地を相続する人の要件が厳しく限定されています。相続する人の住まいの状況によって相続税が大きく変わってきます。
特定居住用宅地等として特例の適用を受けられる相続人は、①配偶者は無条件で、②同居親族は相続税申告期限まで保有・居住を継続していることを要件に適用を受けることができます。また、③配偶者がなく、かつ、同居親族でその被相続人の相続人がいない場合で別居親族が相続する場合は、その別居親族の相続時または相続開始前3年以内に居住していた「住まい」が適用の要件になります。

図(4)特定居住用宅地等の適用要件

図⑷特定居住用宅地等の適用要件

別居親族が特例の適用を受けることができない住まいは、以下のとおりです。

過去3年以内の住まい

  • 自己または配偶者の持ち家
  • 三親等内の親族が所有する家屋
  • 相続人と特別の関係がある法人が所有する家屋

相続開始時の住まい

  • 過去に所有していた家屋(過去の時期は問わず)

二世帯住宅と小規模宅地等の特例

二世帯住宅には、2つのタイプがあります。建物内部で二世帯がつながっている融合タイプと、親世帯と子世帯が独立した住戸となっている独立タイプがあります。融合型二世帯住宅は同居ということですが、独立型二世帯住宅は同居ではなく一棟に居住しているという考え方になります。同居と一棟居住とは少し意味合いが異なります。

独立タイプは、別々の住戸になります。登記上も、別々に登記をすることが可能です。登記を分けることを区分登記といいますが、独立型二世帯住宅で親世帯と子世帯を区分登記すると、一棟居住という考え方から逸脱しますので、その場合は、特例の適用を受けることはできません。住宅ローンの借り入れなど、区分登記を検討される際には注意が必要です。

(例)500m²の土地を、区分登記されていない独立型二世帯住宅に居住する子が特例の適用を受けて相続する場合

一次相続では、子が限度面積330m²相当の持分を相続し80%の減額適用を受け、配偶者は特例の適用を受けずに残りの170m²相当の持分を相続します。
二次相続では、一次相続で配偶者が相続した残りの170m²相当の持分を子が相続し80%の減額適用を受けます。
その結果、子は一次相続と二次相続で500m²の宅地を全て特例の適用を受けて相続することができます。

もちろん、一次相続で配偶者が相続することも考えられますが、その場合、子は一次相続で特例の適用を受けることはできません。二次相続で特例が適用できる面積は330m²が限度です。
配偶者は、一次相続で特例を受けずに相続することになりますが、配偶者の税額軽減を適用することで納税額を抑えることが可能です。必ずしも、配偶者がすべての特例を適用する必要はなく、二次相続の税負担を見据えて特例適用対象者を検討することも相続税対策につながります。

区分登記なしの場合

下図は、同じ独立型二世帯住宅で区分登記されたケースと、戸建住宅2棟のケースです。
この場合は、どちらのケースも一次相続および二次相続ともに子は特例の適用を受けることはできません。

区分登記の場合

2棟の場合

二世帯住宅といっても、近年、都市部においては中高層建物の中に親世帯・子世帯の住戸に加えて賃貸住宅を併用した建て方も多く見受けられるようになってきました。このような賃貸併用住宅は居住用と貸付事業用が混在することになり、宅地の評価も建物の利用割合(面積割合)に応じて区分し、それぞれの評価額を計算します。
なお、この場合は貸付事業用宅地等との併用適用になるので、先述のとおり特例適用対象面積についての調整計算が必要となります。

賃貸併用住宅の宅地の利用区分に応じた特例適用の考え方は、下図のとおりです。
(敷地面積200m²、建物の利用区分による面積割合は、親世帯および子世帯の住戸はそれぞれ1/4、賃貸住宅は2/4とします)

2棟の場合

親世帯・子世帯部分に対応する土地(50m²+50m²)は特定居住用宅地等として80%減額、賃貸部分に対応する土地(100m²)は貸付事業用宅地等として50%の減額が適用されます。
なお、貸付事業用宅地等の場合は、貸家が建っている宅地として評価を控除した貸家建付地評価額に対して50%の減額となります。

※賃貸併用住宅における小規模宅地等の特例の考え方についての詳細は、「賃貸併用住宅と相続税」のページをご参照ください。

住まいづくりにも相続への備え

住まいを相続する人によって小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の適用可否が異なってきます。
同居や二世帯住宅に居住する場合は、一次相続、二次相続、それぞれのタイミングで評価額の80%が軽減されます。また、子供たちが独立して同居の予定がなければ、夫婦二人だけの必要なスペースを確保し、残りのスペースを賃貸住宅で活用する賃貸併用住宅なども効果的です。居住用部分に対応する宅地に特例が受けられなくても賃貸部分に対応する宅地に貸付事業用宅地等の適用を受けることができます。家族の状況や住まいの形に応じて特例適用の効果も変わってきます。
これからの住まいづくりは、将来の相続への備えも十分考慮してご検討されることをお勧めします。

監修/FPオフィス東京
ファイナンシャルプランナー 川嵜 信⼆


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