住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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【目次】
階段がなくワンフロアで生活が完結する平屋は、シニア世帯や親との同居を考えている方にとって、将来を見据えた住まいの選択肢になるでしょう。
ただし、介護が必要になったときに、平屋というだけでは不十分です。本当に暮らしやすい家にするには、廊下やドアの幅、水回りの配置、車椅子でスムーズに移動できる動線など、綿密な計画と工夫が欠かせません。
本記事では、介護しやすい平屋の建築事例を紹介するとともに、設計ポイントや建築費用の目安などをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

ここでは、将来の介護に備えた住まいとして平屋が注目される3つの理由を紹介します。
平屋はすべての生活空間がワンフロアにまとまっているため、階段の上り下りによる身体的負担がありません。高齢になるにつれて高まるとされる転倒リスクを、階段をなくすことで抑えられます。また、介護する側が移動介助の負担を軽減できる点も大きなメリットです。
平屋は空間が横に広がるため、LDK・寝室・水回りを近くにまとめて配置できます。シンプルで短い動線は、日々の家事や介護の負担軽減につながるだけでなく、認知症の方や夜間の移動が多い方も安心して暮らせるメリットがあります。
地震や火災などの災害が発生した際、平屋は屋外への避難がスムーズです。万一のときに高齢者や車椅子の方が避難しやすいことは、大きなメリットといえるでしょう。災害リスクが高い日本において、避難のしやすさは特に大きなメリットと言えるでしょう。
介護がしやすい平屋づくりでは、間取りの工夫が暮らしやすさに直結します。特に重要な7つの設計ポイントを紹介しますので、間取りを考える際のヒントにしてください。
介護しやすい平屋の間取りのポイントは、被介護者の寝室とLDK・トイレ・浴室を近くに配置し、生活動線を短くすることです。これにより、被介護者が移動しやすくなると同時に、介護者の負担も軽減されます。
車椅子や歩行器での移動を考慮し、廊下幅は90cm以上、可能であれば1m以上を確保しましょう。廊下の幅にゆとりがあると並んで歩けるため、介助する側もされる側も安心です。
廊下や部屋の動線をループ状に設計することで、どの部屋にも複数の経路からアクセスできるようになります。行き止まりのないスムーズな移動ができると、日常生活はもちろん、車椅子での移動や介助が必要な場合もストレスを感じにくいでしょう。緊急時の対応もしやすくなります。
夜間のトイレ移動や入浴介助を考慮し、寝室とトイレ・浴室はできるだけ近くに配置するのが望ましいでしょう。移動距離を短くすることで、転倒などの事故リスクを軽減できます。また、介護者の負担も大幅に減らせます。
開き戸は開閉時にスペースを必要とし、体のバランスを崩す原因にもなりがちです。その点、横にスライドする引き戸は車椅子でも開閉しやすく、空間を有効に使えます。床にレールがない上吊りタイプの引き戸を選ぶと、転倒リスクを減らせて安全性がさらに高まります。
介護用ベッドや医療機器の設置を想定し、収納やコンセントは多めに配置しておくと便利です。スイッチは車椅子に座った状態でも操作しやすい高さにするなど、細やかな配慮が毎日の暮らしやすさにつながります。
ユニバーサルデザインを意識し、手すりや窓の高さ、収納の位置などは「車椅子に座った目線」で考えることが大切です。車椅子を利用しても無理なく手が届く配置にすることで、体への負担が少なくなり、将来の暮らしもぐっと楽になります。
介護しやすい間取りの平屋とはどのようなものか、実際の建築実例を見ていきましょう。

寝室や水まわりの開口部を引き戸にし、廊下や水まわりの適所に手すりを設置しました。これにより、車椅子での移動や介助が必要になった際も、安心して暮らせます。
また、リビングから寝室、廊下に至るまで快適な温度を保つ全館空調を導入し、家族全員が快適に過ごせる空間を実現しました。家全体の温度を一定に保つことで、ヒートショックのリスクを抑える効果が期待できます。健康なときも介護が必要になったときも、世代を超えて安心して住み続けられる住まいです。

回遊しやすい動線にこだわった、バリアフリーの平屋です。主寝室のウォークインクローゼットは、玄関ホールからも出入りできる2WAY動線になっており、収納や家事の負担を軽減できます。
勾配天井で開放感を演出したリビングの床は、肌に心地良いウォルナットの無垢材です。床暖房を採用しており、冬は足元から暖かく、快適に過ごせます。LDKに隣接する和室は引き戸で空間を仕切れるため、来客時はもちろん、将来的に介護が必要になったときの個室としても活用できます。

上質な和の感性を取り入れたモダンな雰囲気と、将来の介護を見据えた設計が特徴の住まいです。室内の段差をなくすことで、移動の負担を軽減できる身体に優しい住まいが完成しています。LDKはチェリー材のフロアと勾配天井がくつろぎ感を演出しており、家族や友人が集まって心地良く集える空間です。
玄関ホール横に設けた和室では、格子戸や琉球畳、組子細工の欄間がモダンな雰囲気を演出しています。リビングダイニングから和室にかけて設けられた縁側からは、石灯籠や手水鉢を配した和風庭園を鑑賞でき、自然を身近に感じられる点も魅力です。
住宅金融支援機構の「2024年度 フラット35利用者調査」より算出した、注文住宅の坪単価の全国平均は109.7万円でした(建設費3,932.1万円 ÷ 住宅面積118.5㎡ ×3.306㎡)。
この坪単価をもとにした、延べ床面積別の費用目安は以下のとおりです。
上記はあくまで平均値からの試算であり、地域や土地条件によって費用は大きく変動します。たとえば、首都圏や都市部は人件費や資材費が高く、坪単価が平均より10%〜20%高くなるケースも少なくありません。一方、地方では土地の坪単価が比較的安く、平屋用の広い敷地を確保しやすいため、建築費用全体を抑えられる傾向にあります。
ただし、介護に対応したバリアフリー設計を取り入れる場合、手すりやスロープ、廊下の拡幅などで追加費用が発生します。そのため、数十万円〜数百万円程度の追加費用を見込んでおくと安心です。
出典:2024年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構
予算内で介護しやすい平屋を建てるには、設備や間取りを必要な部分に絞って取り入れることが大切です。寝室やトイレ、浴室など、使用頻度の高い空間を重点的にバリアフリー化することで、コストを抑えつつ快適性を高められます。
また、バリアフリー改修や高齢者対応住宅に関する補助金・助成金制度を活用することも有効な手段です。介護保険による住宅改修費の支給や、バリアフリー住宅に対する固定資産税の減額措置などもチェックしましょう。制度ごとに管轄や条件、申請方法が異なるため、事前に最新情報を確認しておくことが大切です。
介護に適した平屋を建てるには、動線や設備に加え、細かな部分への配慮も欠かせません。ここでは、見落としがちな4つのポイントを紹介します。
介護が必要になると、玄関から寝室までの移動が大きな負担となります。距離が長いと、車椅子の移動や介助が大変になるため、玄関と寝室はできるだけ短い動線でアクセスできる間取りを意識しましょう。
通院や介護サービスの利用時は、車の乗り降りがしやすい駐車場とアプローチが欠かせません。スロープの設置や広めのスペースの確保によって、車椅子やストレッチャーをスムーズに移動でき、送迎の負担軽減が可能です。
高齢者や要介護者は、家で過ごす時間が長くなります。暗く風通しの悪い空間は心身に負担をかけるため、適切な通風計画で明るく風通しの良い室内環境を保つことが大切です。
急病や災害などの緊急時に備えて、介護者が迅速に対応できる間取りを考えましょう。寝室から玄関までのスムーズな動線を確保し、救急隊が入りやすいように通路を広めに設計するなど、万が一の事態を想定した備えが重要です。
ここからは、介護しやすい間取りの平屋に関する質問と回答を紹介します。
介護ベッドを設置する寝室の広さとして、最低でも6帖は必要です。幅約1m×長さ約2mのベッドに加えて、車椅子での移動や介助者の動きやすさを確保するためです。余裕をもたせるなら、8帖前後あるとベッド横の移動が楽になり、収納なども置けて快適に過ごせます。
トイレは2つ以上あると安心です。1つは寝室の近くに配置することで、夜間の移動負担と転倒リスクを軽減できます。もう1つをLDKや玄関近くに設ければ、来客時や家族の同時利用にも対応できます。介助を想定し、車椅子でも入れる広さに設計しておくことも重要なポイントです。
夫婦だけの暮らしなら、LDK・寝室・水回りを近くにまとめたコンパクトな動線が理想的です。親との同居を想定する場合は、生活時間の違いやプライバシーに配慮して、寝室や水回りを離して配置するとよいでしょう。適度なゾーニングを取り入れることで、お互いに気兼ねなく暮らせます。

平屋は階段がなく安心して暮らせる住まいですが、介護しやすい平屋は「今の暮らしの快適さ」と「将来への安心」を両立させる住まいです。建築時からバリアフリーや水回りの配置、スムーズな動線などをしっかりと計画しておくことが、将来の安心につながります。老後の暮らしを見据えた早めの情報収集で、長く住み続けられるマイホームを実現しましょう。
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