家づくり、街づくりを通じて考えるSDGs

創業者 松下幸之助の想いは、
SDGsの取り組みの原点でもあると考えています。
パナソニック ホームズは、その想いを引継ぎ、
家づくり、街づくりを通して、
人々の豊かな暮らしを支えていきます。

公開日:2023/10/20

パナソニック ホームズ 新モデルハウス

設計の力でくらしの価値を未来へつなぐ。
日本の住まいが持つ“内と外のつながり“をベースに考えられた新しい住まいのあり方

●左から、
パナソニック ホームズ株式会社 戸建建築設計室
井本 裕治(エキスパートデザイナー)
パナソニック ホームズ株式会社 戸建建築設計室 室長
戸部 雅司(エキスパートデザイナー)
株式会社ナテックス 設計部 部長 今野 信一郎

※記事に掲載の役職名、商品・サービスについての内容は公開時点の情報になります。

関連するSDGs

  • 住み続けられるまちづくりを
  • 気候変動に具体的な対策を
  • パートナーシップで目標を達成しよう

多様化した価値観や暮らしの変化に対応する、新たな時代の住まいのあり方とは。

コロナ禍を経験したことで、人びとのライフスタイルや家族関係に関する価値観は大きく変わりました。自宅で過ごす時間が増え、家族との関わり方が変わったことで、住まいに対するニーズが多様化しています。また、日本においては異常気象による災害が頻繁に起こる中で、地球温暖化などの共通した社会課題への関心の高まりから、環境に優しい住まいの需要もますます増えています。これらの変化により住まいに対してはお客様一人ひとりのライフスタイルに柔軟に対応する空間提案や、気密・断熱性能や換気空調により快適に過ごせる空気環境、長い在宅時間においても光熱費が低減できる省エネ性能等が、これまでより一層求められるようになっています。

Q.コロナ禍での生活価値の変化の有無&Q.間取り・ゾーニングを意識すること
出典:住宅金融支援機構

2023年に創業60周年を迎えた当社は、その記念として戸建住宅の最上位商品NEW『カサートプレミアム』を発売。大阪府箕面市にモデルハウスをオープンしました。このモデルハウスは「新しい暮らしの価値を未来へつなぐ。」をコンセプトに、当社の優秀設計担当者として認定されたエキスパートデザイナーが現代のお客様が真に望む住まいについて考え具現化したものです。

NEW『カサートプレミアム』 モデルハウス外観
NEW『カサートプレミアム』 モデルハウス外観

NEW『カサートプレミアム』コンセプト
~新しい暮らしの価値を未来へつなぐ。~

「家族(人)をつなぐ、自然とつなぐ、価値をつなぐ」の3つの「つなぐ」で提案

  1. ①家族をつなぐ 「それぞれの居場所をつくり、つながりを生む空間」
  2. ②自然とつなぐ 「庭の自然との一体感・室内のグリーン提案で暮らしを豊かにし、太陽光をはじめ 各種エネルギーの活用スタイルと、災害時のレジリエンスを強化」
  3. ③価値をつなぐ 「健康快適と安心が続き、循環可能な良質のストックになる住まい」

家族が心地よいつながりを感じられる新たな住まいの形をご提案。

今回、新しいモデルハウスの設計を手掛けたエキスパートデザイナーの戸部 雅司は、お客様とのヒアリングを重ねる中で「コロナ以前はパナソニック ホームズの構造の強さを武器に、リビングなどの大空間に家族が集うという提案がメインだった。しかし、コロナ禍により職場や学校に出掛けていた父親や子どもが家で過ごすようになる中で、家族の集いをメインに考えた間取りでは逆にそれぞれの居場所が確保できなくなり、ぎくしゃくとした関係になるといった事例も出てきた。」と暮らし方における潜在的なニーズを感じ取り、これからの住まいを考える上で解決すべき課題として意識するようになったといいます。今後コロナウイルスの流行が明けたとしても在宅ワークなどの生活の変化は継続し、完全にコロナ以前の生活に戻るわけではないと想像した時、完全に囲まれた小さな書斎をつくるというありきたりな間取りを提案するのではなく、家族がそれぞれの気配を感じながらも、自分の心地よい空間を確保できる、緩やかなつながりを家の中で表現できないだろうか…。そこにこれからの住まいにおいて心地よさを生み出すヒントがあるのではと考えた戸部は、当社住まいの強固な構造体を活かしながら、家族の程よい距離感を設計の力でどのように具現化するかに取り組みました。柱をなるべくなくし2階の床を浮かせるように大空間を実現するのは、構造の強さがあるからこそ実現できることです。特に家族が集う1階では、壁によって空間を仕切るのではなく、リビングの天井に落ち着きを感じられるように木張りを施しダイニングキッチンの天井とは変化をつけた上で、リビング・ダイニングの間に広がるL字型の吹き抜けを設け、そこから入る光が廊下に降り注ぐことで、陰影によって空間を表現しました。さらに、建物の奥まで光が行きわたるように配慮した設計によって2階との緩やかなつながりを実現し、家族の気配が感じられる居心地の良さをつくりだしました。

エキスパートデザイナー 戸部 雅司
「リビング・ダイニングに天井を設けつつ、その通路の上部をスリット状の吹き抜けにするアイデアを思いついた」と語る
エキスパートデザイナー 戸部 雅司
エキスパートデザイナー 井本 裕治
「1階から2階へ続く階段の中間部分は、つながりを意図しつつ、多様な用途に利用できるユニークなスペースになっています」と話す
エキスパートデザイナー 井本 裕治

同じく、この新しい住まいの設計に関わったエキスパートデザイナーの井本 裕治は戸部の設計案を基に、一緒に吹き抜けの幅などを検討してきました。2人が検討した設計図から、実際にモデルハウスの建設が進む中で、L字に作った吹き抜けから光によって1階に“見えない廊下”が現れたように感じられた井本は、「『光の回廊』というキーワードが頭に浮かんだ」と言います。加えて、1階から2階へつづく階段の中間部分は、吹き抜けを通じて各部屋にいる家族の気配を感じながら落ち着いた籠り感のある小空間となっています。この空間では一人読書を楽しんだり、時には考え事を巡らせたりなど、没入感をもたらす空間として心理的に居心地の良さを感じることができる「エッジ効果」を狙った設計になっています。さらに、このステージ直下にはキッチンがあり、パントリーにつながる収納が設けられたことで日々の暮らしにおける家事動線の快適さにも配慮したものになっています。

また現代の新しい生活様式を踏まえ、従来の心地よさや快適な暮らしをより高める住まいづくりを考えた時、柱を極力減らし、L字型の吹き抜けを設けるという、構造の強さに裏打ちされた新しい空間設計が生まれただけではなく、このモデルハウスでは外から見た時の住まいの顔となる正面のシンボルツリーを収める大スパンの軒先も実現。これにより、光の回廊の向こう側に、いつでも自然を感じさせる中庭空間も実現しました。1階から2階へと続く大開口は、室内から見た時には光の演出を叶える重要な要素であると同時に家の各所からこの家のシンボルツリーを眺めることができるよう工夫されており四季折々、自然とのつながりも感じられるようになっています。

L字型に配置された吹き抜けによる「光の回廊」イメージ図
L字型に配置された吹き抜けによる「光の回廊」イメージ図
ダイニングキッチンと大開口の間の吹き抜けが「光の回廊」をつくり出す。
個人の心地よさと家族をつなぐ階段途中の空間ステージ

設計士の想いを受け止め、室内から発想した新しい外構を実現。

戸部がこのモデルハウスの設計を行う上で、室内のつながりに加えて大切にしたのは“内と外のつながり”です。コロナ禍を経た現代の新しい住まいをイメージし、家族や自然との程よい距離感を追求する中で思い至ったのは、昔懐かしい伝統的な日本の住まいでした。伝統的日本家屋は、壁ではなくふすまなどで間仕切ることでフレキシブルに空間を使うことができ、家族の気配も身近に感じられます。部屋の外周には縁側があり、現代の住まいよりも外と緩やかにつながる設計になっています。そのような気づきから、今回のモデルハウスでは「自然との共生」という概念を重視し、これまでの“家が主役”ではなく、“家と外が同等”もしくは“外に配置された樹木が主役”という発想へ転換しました。そして、“どこの部屋からも樹木が見える”ことを強く意識し設計しました。
この強い想いを受け止めたのは、当社のグループ会社で外構の設計・施工を専門的に対応する株式会社 ナテックスの外構設計士である今野でした。今野は、「住まいの設計を考えた戸部さんと井本さんから、家の構造や光の回廊について動画などを使って熱い想いを聞かせてもらった。」と言い、その体験が外構を計画する際の大きなヒントになりました。これまでの外構提案は外からの視点で設計を行ってきましたが、今回は“室内から外構を発想する”という明確な方針が示されたことで、外の樹木の緑が家の内側に流れ込んでくるような、“内と外が一体化”した新しい発想の外構提案が生まれました。戸部・井本・今野が共に真剣に対話を重ね、どのような意図で光が家の奥まで届く廊下が設計され、吹き抜けの幅が設定されたのか。リビングのソファがテレビでもダイニングでもなく、庭に向いて配置されているのはなぜなのか。一つひとつ丁寧に確認し、共に新しい住まいの在り方を創り上げていきました。

戸部、井本との検討資料として、今野が描いた外構スケッチ

この外構提案を実際の住まいとして具現化するに当たっては、みんなで山林に赴き自生している樹木を見ながら選定したのも新しい試みでした。このような取り組みを経て約3メートルもの奥行がある軒下にはヤマボウシの木をシンボルツリーとして採用し、新しいモデルハウスの顔となりました。印象的な大スパンの軒先にシンボルツリーを植えるにあたって、軒が高いことから光合成には問題がないと判断できた一方、夜露が当たらないという軒下の環境に対しては、自動灌水システムを用いて対策しました。これは少し挑戦的な選択でもありましたが、竣工後もヤマボウシの木は瑞々しく枝葉を伸ばしています。室内ではこのシンボルツリーが家族の生活する家の各所から見えるように設計されているのもこのモデルハウスの特徴で、これにより「外や自然との緩やかなつながり」を常に感じられるように考えられています。さらに軒下の縁側部分に採用した床タイルは、光の回廊で使われている室内のものと同素材を使用し、空間としての一体感を持たせることで「外や自然との緩やかなつながり」が感じられるよう工夫しました。
今回の経験を踏まえ、今後も住まいの設計段階から建物と外構の一体化を図り、設計者の互いの高い専門性を活かしていくことで、パナソニック ホームズグループとして、新しい暮らし価値の提案につなげていきたいと考えています。

シンボルツリーとして選ばれたヤマボウシについて「四季折々の表情が楽しめる樹木で、冬には枝ぶりが美しく見えます」と話す
今野 信一郎。
シンボルツリーのヤマボウシの木

創業60周年記念に、当社が暮らしの目指す未来とは。

60周年を機に暮らしやすさという原点に立ち戻り、家族のコミュニケーションのあり方、自然との関わり合いを踏まえながら、どのような暮らしが今の時代にマッチしているのかを考え尽くした先に完成したNEW『カサートプレミアム』の新モデルハウス。
同モデルハウスが体現する、「家族をつなぐ、自然とつなぐ、価値をつなぐ」暮らし提案は、創業60周年を記念に展開されるパナソニック ホームズの住まいに共通するコンセプトです。
当社はこれからも住まいづくりを通して、人と人、人と自然をつなぎ、未来への価値をつなぐことで、持続可能な社会の実現に向けて貢献したいと考えています。

住まいと暮らしのテーマパークをコンセプトにした
新しい展示場「ABCハウジング ウェルビーみのお」

今回ご紹介した戸建住宅NEW『カサートプレミアム』は、新しいスタイルの総合展示場「ABCハウジング ウェルビーみのお」で体感いただけます。「ウェルビーみのお」はこれまでの住宅展示場とは異なり、 サステナブルな家族の幸せと健やかな毎日があふれる「住まい」と「暮らし」のテーマパークをコンセプトに展開しています。こちらにはNEW『カサートプレミアム』の第一展示場に加え、第二展示場として、3階建の多層階賃貸集合住宅NEW『Vieuno(ビューノ)』のモデルハウスNEW『Vieuno(ビューノ)』も併設。IoT技術を採用し、職住一体をイメージした賃貸併用住宅をご覧いただけます。