家づくり、街づくりを通じて考えるSDGs

創業者 松下幸之助の想いは、
SDGsの取り組みの原点でもあると考えています。
パナソニック ホームズは、その想いを引継ぎ、
家づくり、街づくりを通して、
人々の豊かな暮らしを支えていきます。

公開日:2022/12/22

吉田 麻由子 植西 亮介

空き家解消とカーボンニュートラル達成にも寄与する、既存住宅の「買取再販」拡大を目指す。

パナソニック ホームズ不動産
住宅流通事業企画センター 商品企画グループ

吉田 麻由子・植西 亮介

※記事に掲載の役職名、商品・サービスについての内容は公開時点の情報になります。

関連するSDGs

  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • パートナーシップで目標を達成しよう

買取再販の一気通貫の取り組みをサポートする専任部署「住宅流通事業企画センター」

パナソニック ホームズはお客様とお住まいを生涯を通じてサポートするため、既存住宅の価値を向上させるストック事業に力を注いでいます。なかでも買取再販は、パナソニック ホームズ、パナソニック ホームズ不動産、パナソニック リフォームがグループ間で連携し、買取、リフォーム、再販、メンテナンスを一気通貫で行っていることが特長です。その取り組みの要となっているのが、パナソニック ホームズ不動産内にある買取再販事業の専任部署「住宅流通事業企画センター」です。パナソニック ホームズ施工の既存住宅や一般のマンション住戸(専有部)を対象に、物件を買い取り、パナソニック リフォームによるリフォームやリノベーションを施し、再販売までをワンストップで対応。売主さまにも買主さまにも安心していただける、スムーズな買取再販を実現しています。

吉田 麻由子吉田 麻由子
千葉県にあるパナソニック ホームズの既存住宅を、
未知のお客さまを想像しながらプランニング・リフォームしました。

千葉県船橋市薬円台(やくえんだい)にあるパナソニック ホームズの既存住宅を買い取り、子会社のパナソニック リフォーム関東支社で初めてリフォームから既存住宅の再販に向けた一連の取り組みを行いました。こちらの物件は、たとえば壁付キッチンを子どもとコミュニケーションが取りやすい対面式キッチンに一新するなど、子育ても楽しめる空間にプランニング・商品化したのが特長です。住宅を売買するにあたってはエリアごとに販売価格の相場があるため、リフォームの予算はどうしても限られてしまいます。その中でパナソニック ホームズ不動産の営業担当からの「こんな住宅なら気に入っていただける」という要望を受けて、まだ見ぬお客さまのより良い暮らしを描きながらプランニングするのは難しくもありましたが、その分やりがいも感じました。また、当社が担当した買取再販の物件は購入後にメンテナンスが発生した場合は戸建てのオーナー様と同様に手厚くサポートさせていただきますので、その点でも買主さまには安心していただけたのだと思います。

壁付キッチンから対面式キッチンに。予算に合わせた部材選びで、現代にあう内装を実現

吉田 麻由子吉田 麻由子
合同で開催した現場見学会が成功要因。
買取再販を通じて社会課題にも取り組んでいます。

薬円台の案件が成功した要因のひとつは現場見学会への取り組み方です。戸建と違い、リフォームでは現場見学会をなかなか実施できない現状がありました。今回はパナソニック ホームズ不動産やパナソニック リフォームの方々と綿密な打ち合わせをさせていただくことで、合同で現場見学会を開催できたことは大きな成果であり、結果として多くのお客さまに足を運んでいただけました。リフォームにおいても、私たちが手掛けた住まいの良さをお伝えし、お客様に実際のくらしをイメージしていただける現場見学会の開催はとても重要だと思います。今回の成功事例を踏まえつつ、現在は買取再販の実績を積み上げ、知見を蓄積している最中です。既存住宅の価値を上げて良質なストック住宅を普及させることで、空き家発生を抑制するなど、社会課題の解決にも貢献していきたいと考えています。

薬円台における買取再販のフロー例

※パナソニック ホームズ施工の住宅の場合、住宅履歴情報(設計・施工・メンテナンスなど)に基づき、査定します。
さらに、スムストックの条件を満たせば、建物自体を構造と内装・設備に分けて査定します。

薬円台における、「買取再販」案件一丸となって取り組んだ
パナソニック リフォーム、パナソニック ホームズ不動産
各担当者にも聞きました

パナソニック ホームズ不動産 東日本住宅流通事業企画センター 営業担当 高井 俊太朗さん
「オーナーさまと築いてきた信頼関係や、物件に対する安心感がスムーズな買取再販につながりました」
パナソニック ホームズ不動産 東日本住宅流通事業企画センター 営業担当 高井 俊太朗さん

売主である薬円台にお住まいのオーナーさまは、早期に資金化の目処がつくため、買取再販を選択されたようです。これまでメンテナンスなどを通じて築かれたパナソニック ホームズとオーナーさまとの信頼関係があることも、私たちにお声かけいただいた理由のひとつでした。一方、買主さまは子どもの頃に薬円台周辺にお住まいで、子育て世代となり新たな住まいを探されていました。当社は既存のパナソニック ホームズの物件をグループで共有し扱うことができるため、住宅履歴情報(設計・施工・メンテナンス)も把握しております。そのため、パナソニック ホームズ不動産で売却をされる際には査定もしやすく、住まいの長期保証の継続も可能ですから、買主さまにもご安心いただけました。

パナソニック リフォーム 関東支社 関東建築技術部 所長 吉田 裕之さん
「パナソニック ホームズの住宅の特長を打ち出しながら、持続可能な住まいを提供していきたい」
パナソニック リフォーム 関東支社 関東建築技術部 所長 吉田 裕之さん

既存住宅の再販にあたり販売価格の相場があるとはいえ、設備に関しては妥協したくありませんでした。新築に劣らない質の高い住宅にするため、各部門で連携のうえ調整していただき、リフォームによってコストパフォーマンスに優れた住まいを実現しました。リフォームにおいても、換気・空調・断熱といったパナソニック ホームズの住宅ならではのメリットを打ち出していくために、現場でも与えられた役割を果たしていきたいですね。空き家問題などの社会課題がある中、次にお住まいになるお客さまのニーズを汲み取りながらリフォームすることで、持続可能な住まいを提供し続ける取り組みは、非常に大切なことだと思います。

パナソニック リフォーム 関東支社 千葉営業部 営業担当 高橋 育美さん
「住まいについて悩まれているお客さまへのご提案に、既存住宅を購入する「買取再販」という選択肢が増えました」
パナソニック リフォーム 関東支社 千葉営業部 営業担当 高橋 育美さん

買主さまから私たちにご相談いただいたのがカーテンやエアコンです。いずれもお客さま自身でご用意できるものではありますが、何を選べばいいのか悩まれる方も多いのです。買主さまのお悩みに寄り添い、お客さまが描くくらしのイメージをお伺いしながらご提案させていただき、それがお客さまの満足にもつながったと思っています。また私の場合、リフォームのご相談をいただくのはご高齢の方が多く、「受け継がせる相手もいないし、家を解体しようかな」とのお話を聞く機会もあります。薬円台の実例ができたことで「解体してしまうのではなく、買取させていただき再販して現金化するという方法もありますよ」とご提案の幅が増えたと感じています。

ストック住宅の価値を高めて住み継ぐことで、社会課題や環境問題の解決へ

たとえば既存住宅の場合リフォームの際に省エネ基準に準じた設備を搭載すれば、カーボンニュートラル達成の一助となるのはもちろん、ヒートショックの防止などといった住まう方の健康にもつなげることができます。まだ新しい試みである買取再販ですが、パナソニック ホームズの既存住宅の価値をリフォームによって高め、現場見学会で多くのお客さまに実際に見ていただくことが、この事業においては非常に重要です。私たちが手掛けた住宅の魅力を直接お客さまにお伝えしながら、お客様のお悩みやご要望をキャッチし、新たなストックを発掘してリフォームしていく。この積み重ねによって買取再販を発展させ長く住み継げる住まいを提供することで、空き家発生の抑制や、街の再生につなげることができ、住まいに関わる社会課題の解決にも貢献していけると考えています。