家づくり、街づくりを通じて考えるSDGs

創業者 松下幸之助の想いは、
SDGsの取り組みの原点でもあると考えています。
パナソニック ホームズは、その想いを引継ぎ、
家づくり、街づくりを通して、
人々の豊かな暮らしを支えていきます。

公開日:2023/12/14

パナソニック ホームズ 新モデルハウス

お客様の思い入れのあるパナソニック ホームズを次の住み手に受け継ぐ「スムストック」。全社一貫の推進により住まいを取り巻く社会課題に貢献したい

●左から、
パナソニック ホームズ株式会社
ストック戦略企画部 佐藤将英
パナソニック ホームズ不動産株式会社
住宅流通部 小島善弘

※記事に掲載の役職名、商品・サービスについての内容は公開時点の情報になります。

関連するSDGs

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • パートナーシップで目標を達成しよう

「既存住宅を住み継ぐ」ことで日本の様々な社会課題と向き合う。

人生100年時代と言われる令和の時代、住宅の寿命について皆さんは考えたことはありますか?諸外国に比べて住宅の使用期間が約38年と大幅に短いと言われている日本ですが、イギリスの住まいは築100年を超えてもメンテナンスが行われていると言われています※1人生を長く生きられる時代になり、より長く住み続けられる住まいが、私たちが生きる日本でも重要になってきています。「長く住まう」ことの選択肢のひとつとして、「既存住宅を住み継いでいく」という方法があります。平成30年の国土交通省の報告によれば、日本の既存住宅流通シェアは14.5%であり、アメリカ81.0%、イギリス85.9%、フランス69.8%など欧米諸国と比較すると日本の既存住宅流通シェアはとても低いことが分かります※2。その原因として、経年による住まいの不具合などに対する住宅診断(ホームインスペクション)が日本では習慣化されていないことにより、既存物件におけるリスクの見極めが難しいことや、既存住宅の物件価格の評価基準が築年数に重きが置かれていることなどが挙げられます。この結果、メンテナンスやリフォームなどを行った既存住宅であっても、査定において価値を適正に反映されづらいなど、日本特有の課題もあると言われています。
内閣府の試算によれば、日本とアメリカの1969年以降の住宅投資額(国民が住まいの新築・増改築にかける費用)と、住宅資産額(既存住宅の評価額)を比較すると、2015年時点で日本では、新築時にかけた価格から約600兆円も滅失していることが分かり、日本における既存住宅の価値が著しく低下していることがわかります。一方でアメリカでは新築時の価格より、既存住宅の方がその資産価値が上回っています。

住宅資産額と住宅投資額累計 アメリカと日本の比較

投資額がストック額を上回っています。初期投資だけでなくリフォーム関連の投資が評価され、適切な減耗率によりその価値が維持されます。そのため、景気などで再調達原価が上昇すると、「ストック額」が投資総額を上回ることがあります。
(資料)住宅資産額:「Financial Accounts of the United States」(米連邦準備理事会)
住宅投資額累計:「National Income and Product Accounts Tables」(米国商務省経済分析局)
※野村資本市場研究所の「我が国の本格的なリバース・モーゲージの普及に向けて」を参考に作成
ストック額が資産額を大きく下回っています。ストック額は築年数の経過に伴って急速に減耗すると見なされることに加えて、リフォームによる投資が住宅資産額に適切に反映されにくい状況にあります。
(資料)国民経済計算(内閣府)
※野村資本市場研究所の「我が国の本格的なリバース・モーゲージの普及に向けて」を参考に作成
※住宅資産額の2000年以前のデータは、平成17年基準をもとに推計
※1969年以前は統計がないため、1969年以降の累積。

国土交通省|中古住宅市場活性化ラウンドテーブル 平成25年度報告書(案)付属資料(案)

加えて、既存住宅を取り巻く日本特有の社会問題として「空き家」も挙げられます。これには、日本の総人口に対する新築住宅の供給量の不均衡に加え、人口減少や少子高齢化の他、固定資産税に関わる相続問題などが複雑に絡み合っていると言えます。このように日本には既存住宅にまつわる様々な社会課題が挙げられ、地域の空き家を資産として再活用していくことは、結果として地域の治安を守ることにも繋がると考えています。

私たちハウスメーカーは新築の住まいをただ量産するだけでなく、当社の事業を通じて社会課題の解決に貢献したいと考えています。そのために、優良な住宅を建て、適正な暮らしサポートによりその資産価値を適正に判断し、「次の住まい手に住み継ぐこと」にも力を入れています。そのような既存住宅の流通にまつわる社会課題の解決策の一つが、2008年に当社を含む大手ハウスメーカー10社が連携して設立した「一般社団法人 優良ストック住宅推進協議会(スムストック)」による取り組みです。

※1 スムストック|活動報告
※2 国土交通省|既存住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組み

「スムストック」は優良な既存住宅を社会の共有資産として住み継ぐための仕組み。

スムストックとは、参加する10社のハウスメーカーが製造した高品質な住宅を共通基準となる適切なメンテナンスと管理を通じて長期的に維持し、適正な価格で既存住宅として流通させるビジネスモデルです。
私たちハウスメーカーでは新築の住まいをお引き渡しして終わりではなく、定期的なメンテナンスやリフォームのお手伝いを引き続き対応させていただくことで、お客様ご自身が大切なお住まいの資産価値を正しく理解いただき、住まわれている間はもちろん、ライフステージの変化などに伴い将来的に売却される際にもご安心して任せていただきたいと思っています。
スムストックで認定された住まいは、協議会独自の研修や試験をクリアして認められた「スムストック販売士」という資格を持つ者が査定し、売買の仲介を行います。協議会に加盟している10社のうち、これまでに認定された販売士は約6,000名。その内、現在は全国で約1,500名の販売士が実働しています。2022年度には、当社グループのパナソニックホームズ不動産(株)に所属するスムストック販売士・織田星児が、1年間で最も「スムストック住宅」を販売したとして、「優良スムストック住宅推進協議会」から表彰をいただきました。

従来の査定方式では、築年数と共に価値が急速に減少し、20年で価値がないと見なされてしまうことが一般的です。一方で、スムストック査定では、築年数だけではなく様々な要素を考慮することで、建物がもつ本当の価値を価格に反映させます。
スムストック|国民経済計算確報(ストック編) 2015年度
2022年スムストック住宅販売件数1位を獲得した
パナソニック ホームズ不動産 織田 星児

当社では以前から、自社で建築した住宅を買い取り、リノベーションを施した上で新しいオーナー様に住み継いでいただく買取再販事業に取り組んでいますが、私たちがスムストックに力を入れている背景として、「新しい住まいをお探しのお客様に既存住宅も含めた様々な選択肢をご用意したい」「新築住宅の買主様には将来のこともご安心いただいて当社の住まいを選んでいただきたい」と織田は語っています。

ワンストップで提供する高品質な住宅とサービスで、
売主様も買主様も安心して「住み続けられる住まい」をお届けしたい。

スムストック住宅3原則具体的な取り組みとして、パナソニック ホームズでは耐震性に優れた高品質な住まいづくりだけでなく、メンテナンスやリフォーム、売買サポートまでを当社グループのパナソニック リフォーム(株)およびパナソニック ホームズ不動産(株)と連携し、ワンストップで対応しています。「長く住まう&住み継ぐ」ことをコンセプトとして、当社の「生涯おつきあいシステム」に定められた定期点検などのメンテナンスプログラムを通じて建物の価値を維持・管理されてきた住まいを、様々なご事情に 売却されたいと望まれるお客様からのご依頼を受けて、当社グループで不動産流通を担当するパナソニック ホームズ不動産(株)の「スムストック販売士」が、メンテナンスやリフォームなどの実績を正確に記録した住宅履歴データベースに基づいて評価を行います。一般の既存住宅における市場流通価格よりも納得の価格で査定し、次の住まい手を見つけるまでをお手伝いします。当社が先に買取りリフォームを施した上で再販を行う「買取再販事業」もお客様の住まいを売買する際の選択肢の一つとしてご提案しています。
例えばリフォーム済みの住まいをスムストックの独自基準で査定した場合、まずはリフォームにかかった費用の約70%を評価し、その上で経年により劣化している部分を減価していくというような査定を行います。一般的にも築20~30年の既存住宅を購入された場合には、同時にリフォームを検討される買主様が多くいらっしゃいます。当社の「買取再販物件」ではない住まいを購入されたお客様であっても、住まいを良く知っている私たちが、理想の暮らし方に合ったリフォームプランをご提案させていただけることも当社の強みです。私たちが大切にしているのは「長く住まう&住み継ぐための選択肢をご用意すること」。そのためにはまず、新築の住まいをお客様にご紹介する際は「将来、この住まいを売却されることがあるかもしれません。そのような事態を見据えて、メンテナンスやリフォームによって住宅の価値を維持することが必要です」とお伝えしています。スムストックの理念とサービスをご理解いただいた上で、全てのお客様には最初の住まいを将来の暮らしを見越した最善な選択で悔いのないようにしていただきたい。その結果として、一般住宅を含めて日本の住宅市場における既存住宅の価値が見直され、お客様の住まいに対する選択肢が広がり、ご自身やご家族の暮らし方に合わせて柔軟に住み替えができるような社会につながることを願っています。

パナソニック ホームズがご提案するスムストック住宅のメリット

一般の査定とスムストック査定の違い

比較内容 一般

査定
スムス
トック
の査定
比較結果
優良なスムストック住宅の基準がある × 優良ストック住宅推進協議会各社合意の独自の基準を持っています。
点検済みの物件を査定 一般的には、査定する為の検査(インスペクション)を行うケースは少ないですが、スムストック査定で扱う物件は定期点検(もしくは査定時点検)済みとなります。
建物と土地を分けて価格の表示をする × 売却時、建物と土地を分けて価格の表示を行います。
スケルトン(構造躯体)とインフィル(内装や設備機器等)に分けて査定する × スケルトンとインフィルに分けて査定することにより、建物を適正に査定することができ、スムストックとして認定すれば、築50年に亘って資産価値を評価します。
付帯物も各ハウスメーカーの特徴に応じて詳細に査定 付帯物に関しても、各ハウスメーカー毎に評点を定め、詳細に評価します。
再調達価格は、請負契約時価格を算定基本とする × 購入時の請負契約価格を査定の算定基本として査定致します。私たちが建てた住宅だからこそ可能となりました。(但し、請負契約が不明等の場合、予め定められた基準価を元とします)
査定者の資格 × 宅地建物取引士の資格を有し、各社ハウスメーカーが規定した試験に合格し、且つ、優良ストック推進協議会が定めた規定により、会員各社が認定した者が査定します。