住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
公開日:2025/04/25

大型施設のリフォームで
新たな価値を創造し、社会貢献と自社の発展の両立を目指す。
【大型施設のリフォーム】
パナソニック リフォーム(株)の取り組み
※記事に掲載の役職名、商品・サービスについての内容は公開時点の情報になります。
関連するSDGs
お客さまに寄り添った“リフォーム”で既存建築物に新たな価値を生み出す取り組みを進めています。
日本では、1950年代半ばから1970年代にかけての高度経済成長期に建てられた建物が多く、築50年以上となる大型建造物も増えています。建物と設備の老朽化、耐震性の不安、デザイン面の課題などが顕在化していると言われていますが、それらを壊すのではなく、改修して新たな価値に結び付ける「リフォーム」という選択肢は、今後の国の方針や環境保全の観点からも、ますます重要になっていくことが予想されます。
そのような中で、2024年12月に国土交通省より「既存建築物現況調査ガイドライン」および「既存建築物の緩和措置に関する解説集」が公表されました。これは国が、人が住むための建物だけでなく、会社や病院・学校を始めとする大規模建築物を含めたストックに対しても力を入れて推進していこうとしているということです。
この流れに先駆けて、私たちパナソニック ホームズでは、2020年4月よりストック事業部を設置し対応を強化すると共に、当社グループのパナソニック リフォーム(株)、パナソニック ホームズ不動産(株)、パナソニック ホームズ賃貸サポート(株)と連携しながら、幅広い分野でのリフォーム案件を手掛けてきました。
今回は、その中のパナソニック リフォーム(株)における大型施設のリフォームを取り上げ、当社事業を通じた社会貢献についてご紹介いたします。
パナソニック リフォーム(株)近畿支社特建営業部が手掛けた80戸ある賃貸マンションの「サバービア泉大津(大阪府)」では、外壁などの外部改修と共に、共用部の照明器具・駐輪場のサイクルラックの取り換えをご提案し、ご採用いただきました。ご提案に当たって現地調査を実施したところ、駐輪場のサイクルラックが錆びついており、さらに古い設備のため3人乗り自転車などは収納できず、駐輪場以外の場所に自転車が停められている実態に気づきました。また、照明器具も水銀灯からより明るく耐久性のあるLED電燈への切り替えをご提案をしたところ、入居者目線の提案が受け入れられ契約につながったといいます。
●サバービア泉大津の対応一例


また、パナソニック グループの社員寮である「ソルテ草津(滋賀県)」の事例では、老朽化が進み入寮者が少なくなっていることが課題でしたが、改修を経て全120室すべてが満室に。共用部分にコミュニケーションをとれるようなバーカウンターやソファスペースを設置し、フィットネスルームも設け、若い世代のライフスタイルに応じた空間をつくりました。
●ソルテ草津の対応一例


このようにリフォームを通じて、不動産資産の活用・保全・価値向上を実現する同社の取り組みに、今後も期待が高まります。
●企業社屋での対応一例


これまでの経験と住宅分野で培った提案力で、オーナーさまや利用者に寄り添った大型施設リフォームを推進しています。
当社グループでリフォーム領域を担うパナソニック リフォーム(株)は、主に一般の戸建やマンション内装のリフォーム・リノベーションに強みを持ち、特にマンションリフォーム分野では4年連続「オリコン顧客満足度®調査 マンションリフォーム」で総合第1位(※2021-2024年 オリコン顧客満足度®調査「マンションリフォーム」総合第1位)を獲得するほどの高い技術力と設計提案力で事業展開を行っています。そんな同社も昨今の社会課題に対応するべく、一般住宅の改修だけでなく、工場や学校、商業施設など大型施設のリフォーム事業を始めています。
「私は、集合住宅の内装設備などを取り扱うナショナルグループの販売会社へ入社し、デベロッパーやゼネコンへの営業に携わる仕事からキャリアをスタートしました。その後もパナソニックグループの企業で街の家電店や一般住宅のリフォーム営業など様々な分野を経験し、現在はパナソニック リフォーム(株)で大規模改修リフォームの提案を行っています」
そう語るのは、パナソニック リフォーム(株) 近畿支社の古高です。同社でもまだ前例の少ない大型施設のリフォーム事業を拡大するために奔走するメンバーの一人です。
「最初は工場・事務所・倉庫などの法人案件から始まり、今ではマンションや学校などの大規模改修まで対応できるようになりました。コロナ禍には、営業活動が難しい時期もありましたが、学校やオフィスなどにオンライン対応できる個室型ブースの提案を行うなど、地道に法人のお客さまと関係性を築いてきたことで、少しずつ建物自体の改修に関するご相談をいただけるようになりました」(古高)
近年は、法人のお客さまへ向けた大規模改修セミナーや、金融機関との連携なども積極的に実施。難易度の高い大型案件も、実績豊富な協力会社を開拓し連携を強化することで安心していただける改修工事を実現。このような信頼と実績を積み上げることで、案件を拡げ対応してきました。

丹念な営業活動に加えて、同社の強みは住宅分野で培った提案力。元々住宅や内装リフォームを中心としていたことから、ニーズを丁寧にヒアリングし、きめ細やかな改修プランや工事計画をご提案できる点が高い評価を受けています。例えばマンション改修などでは、見映えばかりを意識したラグジュアリーなご提案ではなく、日々の使いやすさに寄り添ったプランニングを実施。このような改修ポイントが入居をお考えのお客さまにとってのアピールポイントとなり、建物の価値を高めることにもつながっています。
今後は、パナソニック リフォーム(株)だけでなく、パナソニック ホームズ(株)・パナソニック不動産とも連携を強めながら、グループのシナジーを生かして大型施設リフォーム事業をさらに強化することで、社会のニーズにお応えしていきたいと考えています。
Column国が推進する「良質な住宅ストックの形成」に向けて、
ステークホルダーと共に持続可能な社会の実現を目指すパナソニック リフォーム(株)
パナソニック リフォーム(株)代表取締役社長の栄 克浩は、同社の特徴と事業の親和性や、大型施設のリフォームに取り組む意義についてこう語ります。
「当社はパナソニック ホームズの戸建住宅などの営業担当出身者や、様々な分野・企業の出身者が在籍し、幅広いキャリアを積んできた人材が揃っている多様性に富んだ組織です。そして、個人から法人の案件まで、様々な規模のリフォームに対応していることから、協業いただく取り引き先も多彩です。だからこそ、すべてのステークホルダーとの良好なパートナーシップを重視しており、その連携があるからこそ高い品質のリフォームをお届けできているのだと思います」(栄)

リフォーム事業は、新旧の住宅関連法案や設備だけでなく、経年による利用者の課題を洗い出し、将来の住まい方への提案など、幅広い知識や知見が求められる上に、他社との差別化が難しい分野でもあります。そんな中で重要になるのは、従業員・取り引き先を含めたすべての関係者との信頼関係だといいます。
「我々の事業活動は、国の方向性や環境保全の観点からも重要な取り組みです。老朽化した建物を壊すのではなく、リフォームでその寿命を伸ばし、新たな価値を創り出すという考え方は、パナソニック ホームズグループが目指す“新・くらし文化の創造”もつながり、お客さまの暮らしのお困りごとや社会規模での課題解決に貢献できると信じています。そのためにも、関わる社内外すべての方々との志高い連携を強みに、社会的意義のあるリフォーム事業を強化し、社会と自社の発展の両立を目指して取り組んでまいります」(栄)
私たちがリフォーム事業に注力する背景として、少子高齢化・空き家問題・災害対策など、住まいや建物を取り巻く環境は日々変化していることが挙げられます。国土交通省では「住生活基本計画」というガイドラインを取りまとめ、5年ごとに見直しを行いながら、社会情勢を考慮した方針を打ち出しています。現在は2026年度末の閣議決定を目指して議論が行われていますが、その中では「住まうヒト(居住者)」、「住まうモノ(住宅ストック)」、「住まいを支えるプレイヤー(国土交通省や地方公共団体、住宅関連の企業など)」という3つの視点での目標設定が検討されており、2050年という長期的な未来を見据えた計画策定が進んでいます。

その中でも「住まうモノ(住宅ストック)」という視点では、2050年に向けて良質な住宅をストックするためには、注文住宅・分譲住宅・賃貸住宅など様々な住まいをどのようにとらえ、形成・維持・継承していくのか、という部分に焦点が当てられています。これは国や自治体、居住者自身だけではなく、住まいを提供する私たちハウスメーカーにも関わる重要な課題です。
災害への対策や断熱性・省エネといった性能面はもちろんですが、「ライフスタイルや家族構成に合わせて何度でも住み替えができる、住宅循環の仕組みの構築」や「住宅インスペクションの促進や情報提供」など、良質な住宅ストックを維持・保全・流通させるところまでが求められています。
また、ストックやリフォームの取り組みは、SDGsのゴールとも密接に関連しています。ゴール12の「つくる責任 つかう責任」では、「大気、水、土壌へ、化学汚染やごみが出されることを大きく減らす」「ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす」といった趣旨のターゲットが掲げられていますが、建物の取り壊し・建て替えには多くのごみが発生します。古い建物を壊して一から建てるのではなく、「修繕・改修し建物の寿命を伸ばす」「リフォームで新たな価値を生み出す」ことで、これらの環境課題への貢献も目指せます。パナソニック ホームズでは、グループ一丸となり、「建てて終わり」ではなく持続可能な街を目指した「新築からストックまで」、多世代にわたり住み継ぐことができる循環型社会の実現に向けて貢献して行きたいと思っています。
