住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
公開日:2024/10/31
施工品質を守り、安心して住み続けられる住まいをお届けする「品質管理」への覚悟。
【パナソニック ホームズの品質管理に関わる取り組み】
●左から:品質・環境部 東部検査課 課長 横田 幸司さん
西部検査課 主幹 新宅 隆さん
検査企画課 課長 山岸 寛行さん
※記事に掲載の役職名、商品・サービスについての内容は公開時点の情報になります。
関連するSDGs
安全な住まいをお届けするため、豊かな生活をお約束するために、法令遵守はハウスメーカーの使命です。
家づくりには、建物に直接関わる「建築基準法」だけでなく、周囲の都市環境との関係にも配慮する「都市計画法」や、良好な住環境を作るための目標が定められた「住生活基本法」をはじめとした、様々な法律が関わっています。これらの法令は頻繁に更新され複雑に関係しあっているため、家づくりを生業とする私たちハウスメーカーでは常に最新情報を把握し、商品開発・設計の段階から法令遵守を徹底しています。
また、更なる安心・安全・高品質な住まいを求めて、施工段階でも「最新の法令に沿った住まいが完成しているか」を確認しています。お客さまにお引き渡しするタイミングで100点満点の住まいをお届けするためです。
パナソニック ホームズでは、全国で年間3,000棟以上の戸建住宅を建設しており、その一つひとつに対する品質を保証する責任があります。そのため、ただ法令を守るというだけではなく、仕様通りに施工されているか・安全性に問題がないか・出来栄えの上で不具合はないか…など、独自の品質基準も設定しています。高い自社基準をクリアした住まいに自信をもち、オーナーさまへ豊かな生活をお届けするのが、ハウスメーカーである私たちの使命です。
では、どのようにしてその品質基準に達している住まいだと判断するのでしょうか?今回は、住まいの施工品質を守り抜く「検査員」の取り組みから、当社の品質管理についてご紹介いたします。
全部で6回にわたる徹底した検査と、現場の声をもとにした検査項目や業務プロセス改善で、常に顧客満足向上を目指しています。
品質・環境部の検査課に所属する検査員は、客観的・専門的かつ技術的立場から住まいの品質を確保し、施工不良などを未然に防止するだけでなく、工事管理上の重要な対応に不適合がないよう是正する役割を担っています。検査員は建築施工現場に出向き、実際の家を観察して問題がないかどうかを確認します。
「工事で発覚した品質上の問題は、次の工事までにフィードバックして再発防止を図ります。また、把握した問題点は社内で共有・分析・原因究明を行い、今後の品質管理における重要な管理ポイントを探り出し、部門を超えて関係者に適切にフィードバックすることで、全社における再発防止策に活かしています」
そう語るのは、西部検査課の新宅さん。パナソニック ホームズでは、東西合わせて約50名の検査員が在籍しており、各地域で確認された問題は全社で共有・分析しています。
また、東部検査課の横田さんは、法令や自社基準を確認するだけが検査課の仕事ではないと言います。
「お施主さまの立ち会い検査やアンケートによって顧客ニーズを把握し、社内で共有してもっと検査内容を改善できるポイントがないか議論しています。今後はCS(顧客満足)向上のためにも部門を超えた連携をしながら取り組むことが必要だと考えています」
部門を超えた取り組み例として、設計や商品開発部門とともに現場の問題点について共有する場を定期的に設けています。現場で協業いただく大工などの関係者からもヒアリングし、部材の状態や品質に関して調達部や工場へフィードバックをしたり、従来は現場加工だった部材をあらかじめ工場でプレ加工しておくことで、建築施工現場での工数削減と品質向上を目指すなど、これまでの具体的な取り組みや改善事例は100項目以上にもなります。常にPDCAを回し、会社全体で品質を高める活動を行っています。
何十年先も住み続けられる、そして次世代に住み継ぐことができる住まいのために、お引き渡し後の品質も守ります。
少子高齢化などの社会変化により、家族の形は大きく変わってきています。2023年に80万戸ある新設住宅着工戸数は、2030年には68万戸に減少すると想定されている一方で、中古住宅の買取再販市場は拡大していくと見られています。このことからパナソニック ホームズでは、ただ「長く住める」だけではなく「価値が続く」家づくりを目指しています。
お引き渡し後もオーナーさまと関わり続けるために「生涯おつきあい」というメッセージを掲げ、充実した保証制度とアフターサービスをご提供。最長60年間の長期保証延長システムや、定期的な点検とメンテナンスサポート、困ったときの24時間365日受付サービスなど、建てた後の住まいの「品質」にもこだわりを持っています。
こうした長期保証制度をお届けできるのも、住まいをお引き渡しする前の段階で異常がないかしっかりと確認できているからこそ。いま建築される住宅を厳しい目で検査することで、時を経ても優良な既存住宅として適正に取引され、未来へ住み継げる住まいをつくることができます。当社の家にお住まいのオーナーさまの幸せのためにも、そして持続可能な社会のためにも、品質管理はとても重要な活動だと考えています。
施工品質の砦となる「検査員」の人材確保と技術レベルの向上に力を入れています。
住まいの品質を守る最後の砦・パナソニック ホームズの検査員は、半年にわたる講習を受講し、独自の資格審査を経て「パナソニック ホームズ検査登録証」を交付され、やっと登録検査員として認められます。また、登録後も3年ごとの更新研修と試験が義務付けられており、常に最新の住宅知識と検査員としてのスキルを維持することが求められています。厳しい基準ではありますが、品質管理は家づくりにおいて基本かつ最重要の項目。人員確保はもちろん必要ですが、同時にトップレベルの検査員の育成にも注力しています。
また、働き方の面での新しい取り組みもはじまっており、2024年度には当社で初の女性検査員が誕生する予定です。検査企画課の山岸さんは、この「女性検査員」という働き方に新たな価値を見出しています。
「検査員の仕事は突発的な対応が少なく、柔軟な働き方も叶えられます。設計士や現場監督の経験者で、結婚・出産を経てまずは時短勤務で復職したいという方には、キャリアのひとつとして考えてみてほしいです。これまでの仕事の経験はもちろん、生活者目線が加わることで、私たちも気づけなかった気づきが得られるかもしれません。これが検査員の仕事に反映されれば、よりお客様ニーズに応えられる付加価値になるのではと考えています」
その他、DXも取り入れ、推進しています。具体的には建築現場にカメラを設置し、リモートで検査ができないかというものです。これは新しく着任した社員が意欲的に実験を重ねている段階で、検査回数が多くなる多層階建築の現場などで活躍が期待されています。もし将来的にリモート検査が実現した場合、業務の生産性を高められるだけではなく、複数現場での点検時には現場間の車移動が減るなど、CO₂の削減にもつながります。
より安心・安全な住まいをお届けできるよう、現状維持ではなく新しい人材や検査方法を取り入れ、常に試行錯誤を続けています。
安心して暮らしていただける住まいを届けるため、中立的な立場として品質をチェックする検査員。この厳しい検査をクリアした建物だけが、オーナーさまの元に引き渡されます。当社では今後も、「CS(顧客満足)No.1」を目指して、さらなるご満足をいただけるための取り組みを進めてまいります。
高品質な家づくりに向けて
パナソニック ホームズが取り組む「きれいな建築現場」
私たちは高品質の住まいをお届けするために、家を建てる建築施工現場から課題を見つけ改善を図る「きれいな建築現場」を推進しています。今回は当社グループのパナソニック ホームズ埼玉西株式会社と専属契約を結ぶ、巴工務店の大工・巴 春治さんに高品質な家づくりへの想いを伺いました。
「私は、大工工事の時には必ずお施主さまと顔合わせをさせていただいています。コミュニケーションを通してお施主さまの想いを知り、一緒に現場を作っていきたいと考えているからです」
そんなお施主さまへの寄り添いが伝わり、巴工務店への大工工事の指名をいただくことも多いといいます。どうしても職人さんの日々の稼働時間を考えると、工事を早く終わらせることに注力してしまいがちですが、巴さんは「お施主さまとの時間や、現場をきれいにすることも、私にとっては仕事の一部です」と語ってくれました。
パナソニック ホームズ埼玉西株式会社の小林さんは「巴さんは無駄な道具を現場に持ち込まず、その日に必要な工事をきっちり行う。だからこちらも搬入される部材に配慮し、仕様書の変更などはできるだけタイムリーな共有を行っています。きちんとした工事ができる環境を提供することで、私たちも大工さんの信頼に応えたいです」とおっしゃいます。
きれいな現場を保つために、余計な部材や道具を置かないことを徹底している大工・巴さん。その仕事のやり方を尊重し、気持ちよく仕事ができるように現場を管理する現場監督。良い緊張感と信頼関係で、きれいな建築現場が生まれていることが分かりました。
このような丁寧な仕事と、お施主さまや工事関係者同士の密接なコミュニケーションにより、質の高い住まいがつくられています。この考え方を全国の施工現場に広めていけるよう、引き続き全社一丸となって「きれいな建築現場」づくりに取り組みます。