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住宅情報誌・元編集長の本音トーク

第5回『電力自由化って、どういうこと?』

プリンシプル住まい総研 所長:上野 典行 氏

『電力自由化って、どういうこと?』

講師
プリンシプル住まい総研所長 : 上野 典行 氏

 2016年4月からの電力自由化を受けて、携帯電話各社のテレビCMでは、「電気もセットで安くします」といった内容が報じられています。また、ガス会社からは、「ガス料金とセットで電気代を削減します」といったメッセージも出てきました。こうした「電力自由化」というのは、どういうモノなのでしょうか?
今回は、電力自由化について、その内容とメリットを説明しながら、中古物件を選ぶ際のポイントを挙げてみましょう。

上野 典行 氏

実は、段階的に、既に電力は自由化されています。

2000年自由化 特別高圧 高層ビル・向上 2004・2005年自由化 高圧 中層ビル・スーパー 2016年4月自由化 低圧 商店・一般家庭

 これまでは、各家庭で契約する電力会社は、事実上、エリア毎に決まっていましたが、2016年4月からは、自由に電力会社を選べる時代に入りました。
 実は、既に企業向けには、電力は自由化されていたのです。電力の小売りは、2000年に2000キロワット以上の特別高圧が自由化され、続いて、2005年に50キロワット以上の高圧が自由化されました。電力を多く使う工場等は、エリアの電力会社以外の新しい電力事業者(新電力会社)から、既に電力を買い始めています。
 例えば、ガス会社などが、割安な電気料金設定で契約を伸ばしているケースがありますし、あるいは太陽光発電や地熱発電の会社、また産業用廃物処理施設の発熱を活用した電力会社もあります。さらには、高圧な電力を受電しておき、マンションの建物で低圧にするという手法で、電力コストを下げているケースもあります。そして、2016年4月からは、一般の住宅でも電力を自由に選べるようになったのです。
 図で言うと、①の世界から、②の新しい世界が始まるという事です。

オトクな電気が使えるサービス開始。

 ちょっと分かりにくい方法になりますが、発送電分離(はつそうでんぶんり)という考え方があります。例えば、ある新電力会社が地球に優しい太陽光で発電したとします。しかし、その発電する新電力会社は「電線」を新たに全国に引っ張るのは、コスト負担が膨大になるので、実現するのはとても無理です。そこで、発電・送電・受電の担当分野を分けて行くのです。まずは、全国各地への送電部分は、これまでの各エリアの電力会社が中心となって担当します。すると、発電の部分と受電の部分が、新しい電力会社に向けて自由化されます。従って、受電だけを行う発電所と送電線が無い新電力会社も存在します。
 今のところ、「安い電力が良い」というニーズに応える新電力会社が多いですが、やがて「自然に優しい発電方法による電力にしたい」といったニーズも、叶えられる時代になるのです。

既に電気代が安いマンションがある。

 冒頭で説明した様に、実は、大きな物件では、これまでも電力が自由化されていました。例えば分譲マンションに、電力自由化を取り入れている所があります。該当するエリアの電力会社から一棟丸ごと高圧で受電し、新電力会社や既存の会社が、低圧に振り分けて各住宅に配電する事で、かなり電気代が安くなります。図で言うと③の方法です。
 この様な分譲マンションでは、既に各住宅の電気代が安くなっていたり、あるいは、エントランスやエレベーター等の共用部の電気代が削減されていたりします。すでにこの③の方法を選択している分譲マンション物件では、さらに電力料金を安くしようと思って各居住者が勝手に新電力会社を選ぶ事が出来ません。言うまでも無く、すでに一棟丸ごと高圧で受電してしまっている為です。
 中古リフォームが出来る物件を検討する際には、こうした中古の分譲マンションの電力事情に関する説明を見たり、中古戸建てのエリアで対象となる新電力会社を調べておくのも良いでしょう。

「生活費が安い」というお得なマンションが増えてくる。

 この様に、新電力会社の採用や、高圧一括受電の物件では電気代が安くなります。同様に「都市ガス採用でガス代が安い物件」「全戸高速ネットでネット代が安い・タダの物件」といったインフラコストが安い中古の物件が出てきています。
 これまでは、物件の売値が安い、家賃が安い、といった部分ばかりが注目されていましたが、これからは、電気代が安い、ガス代が安い、ネット代が安いといった生活費がお得になる中古物件が増えてきます。新しい時代の住宅選びでは、生活費に影響するエネルギーコスト等の削減が、どの様に工夫されているのかも、1つの選択するポイントとなってくると言えるでしょう。

上野 典行(うえの のりゆき)氏

講師の経歴:上野 典行(うえの のりゆき)氏
プリンシプル住まい総研 所長

リクルートに入社後、採用の編集企画室、続いて新領域推進室にて新規事業に携わった後に住宅領域に異動。
「住宅情報タウンズ編集長」「住宅情報マンションズ編集長」「SUUMO編集長」を経て独立。
「プリンシプル住まい総研」設立。日本賃貸住宅管理協会 研修副委員長、全国賃貸住宅新聞等、連載中。

プリンシプル住まい総研

※プロフィールは、取材当時のものです。

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