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住宅情報誌・元編集長の本音トーク

第7回『今は買い時? 低金利時代の住宅購入術』

プリンシプル住まい総研 所長:上野 典行 氏

『今は買い時? 低金利時代の住宅購入術』

講師
プリンシプル住まい総研所長 : 上野 典行 氏

 最近、「マイナス金利」という聞き慣れない言葉を耳にします。一方で、「物件価格が上がっている」とも聞きます。「金利が低い」と、どれ位「買い時」に影響すると考えれば良いのでしょうか。

 今回は、低金利時代の住宅購入術についての解説と、前回で予告しました収益還元法について説明しましょう。

上野 典行 氏

新築住宅の販売価格は上昇しています。

 社団法人『建築物価調査会』の調査によると、新築分譲マンションの建設費は、2012年以降は上昇を続けています。震災復興やオリンピック需要による人件費の高騰と、円安による建築資材費が高騰している影響で、10%ほど高くなっています。

 こうした傾向から、新築分譲マンションの販売価格は平米当たり、ジワジワと上昇しており、(株)不動産経済研究所の調べによると、下図の様に販売価格の方も少しずつ上昇しています。土地の販売価格も上昇基調にありますので、これから売り出される物件は、これまでよりも、やや高めの価格で販売される傾向にあります。

 と言う事は、「今は、新築マンションの価格が上がっているから、買い時ではない」と思われる方も多いでしょう。しかし、そうとも言い切れないのです。

史上まれにみる低金利。

 それは、金利が異常に低い事が挙げられます。

 上図が、住宅ローン金利の変化です。住宅物件を購入する時、現金で払う人は、余程のお金持ちです。ほとんどの人が、住宅ローンを組みます。この住宅ローン金利の影響が、販売価格の上昇よりも、はるかに影響が大きいのです。

 例えば、頭金1000万円で、3000万円の35年住宅ローンを組み、4000万の家を購入したとしましょう。

金利 月々のお支払い 総返済額
6%なら 17.2 万円 7,185 万円
5%なら 15.2 万円 6,360 万円
4%なら 13.3 万円 5,579 万円
2010年の2.85%なら 11.3 万円 4,745 万円
2016年2月の1.48%では 9.2 万円 3,846 万円

 金利別の支払い金額は、上記の様になります。

 つまり、住宅ローン金利が低いという事は、これだけ支払い金額に差が生じる事なのです。政府・日銀から金融機関への貸し出し金利は、ついにマイナスとなりました。どういう事かと言うと、銀行が日銀に預けている当座預金が必要とされる準備金を超えると、マイナス金利が課せられてしまうという事です。つまり、銀行としては、お金を日銀に預けると損をするので、経営判断として、企業や個人に対して貸して行くしか道は無いのです。と言う事は、住宅ローン金利がこれだけ下がって行くのは、必然の流れとも言えるので、まさに今は購入のチャンスなのです。同じ金額の住宅物件を買っても、上記の例で言うと、2010年と2016年では、899万円もの差が生じるという事です。

収益還元法でも有利に働く低金利時代。

 ところで前回のコラムでは資産価値を表す指標として、「積算法」を紹介しました。この方法では、建物価値は一定の減価償却によって目減りし、土地価格は路線価で変動します。その結果、物件の資産価値は、築年に応じて右肩下がりに減ってしまいます。

 そこで対策として、新築住宅よりも安く中古住宅を買い、この中古住宅に対して中古リフォームを施して住み心地を上げるという考え方が、実に合理的な方法であると紹介しました。

 このように低金利の時代は、「部屋を借りて住み続ける」よりも「低金利でお金を借りて買って、ローンを払って住み続ける」ほうが「お得」な時代なのです。

 一方、別な考え方としては「収益還元法」という方法があります。これは、「その物件を賃貸住宅として貸したら、いくらの価値があるか?」という計算手法です。3000万円で購入した物件も、月に10万円の家賃で貸す事が出来るとすれば、年間で10万円×12ヶ月=120万円の収入が得られる事になります。すると利回りは、120万÷3000万=4%の投資信託商品と、同じ収益と考えられます。この物件の購入金額分を、金利1.48%で銀行から借りて住宅ローンが組めるという事は、「お金を借りて人に貸しても、なお元が取れる」という安定的な資産という事になります。

 収益について先の例で言いますと、35年の返済後は毎月10万円の家賃収入がありますが、実は35年間の返済期間中も黒字(毎月:10万円-9.2万円=0.8万円)である事が分かります。

 そして、この案が良いなと思って検討を進めるならば、賃貸住宅として需要が高い人気エリアには、すでに住宅等の建物が建っていますので、新たに新築が建てられる土地は、まずありません。そこで、中古物件を買って中古リフォームするという選択肢が、現実的であると考えられるのです。

 この様に低金利時代では、「部屋を借りて住み続ける」よりも「低金利でお金を借りて住宅物件を買い、ローンを支払って住み続ける」、もしくは「低金利でお金を借りて賃貸物件となる住宅物件を買い、家賃収入からローンを支払っていく」方が「お得」な時代なのです。

 低金利の今だからこそ、住宅購入チャンスのタイミングと言えるでしょう。

上野 典行(うえの のりゆき)氏

講師の経歴:上野 典行(うえの のりゆき)氏
プリンシプル住まい総研 所長

リクルートに入社後、採用の編集企画室、続いて新領域推進室にて新規事業に携わった後に住宅領域に異動。
「住宅情報タウンズ編集長」「住宅情報マンションズ編集長」「SUUMO編集長」を経て独立。
「プリンシプル住まい総研」設立。日本賃貸住宅管理協会 研修副委員長、全国賃貸住宅新聞等、連載中。

プリンシプル住まい総研

※プロフィールは、取材当時のものです。

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