住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
公開日:2025/10/31

住まいづくりの未来を担う、生産技術部門の人材発掘と
学生のキャリア形成支援。
【生産技術部門インターンシップの取り組み】
※記事に掲載の役職名、商品・サービスについての内容は公開時点の情報になります。
関連するSDGs
高品質な家をつくり続けるため、
生産部門の能力向上や省人化に取り組んでいます。
資材の高騰や資源循環、住まいづくりの担い手である大工職の人材不足や高齢化など、家づくりを行う環境には様々な課題が取り巻いています。その一方で、「良質な住宅ストックの形成」を目指す国策のもと、耐震性・断熱性・省エネ性など高品質な住まいの安定供給を継続していくことも、私たちハウスメーカーにとって重要な使命です。
このような課題に対して、生産の現場から向き合う部署があります。主要な部材を工場で製造し現場で組み立てを行う「工業化住宅」において要ともいえる、生産技術部門です。工場の生産性を追求し、自動化ロボットの導入やDX、新しい生産設備の企画・構想・製作などを担っています。
生産性向上や省人化を突き詰めれば、製造コストを削減しながら持続可能なものづくりを実現できるかもしれません。これまで現場で施工していたものを工場で生産できるようになれば、品質を安定させながら大工職の負担を減らすこともできるため、人手不足への対応になります。そして、様々な制約の中でも高品質な住まいをつくり続けることで、良質な住宅ストックを社会に生み出し、循環型社会への貢献にもつながるのではないでしょうか。
大きく変化する外的環境の中でも、継続して安定した品質の住まいをお届けするために、工場の進化と変革を支えることが「生産技術開発職」の役割です。今回は、そんな未来の技術者を採用・育成するために開催しているインターンシップの取り組みをご紹介します。
生産技術開発職の人材発掘と学生のキャリア形成支援活動を
目的としたインターンシップの開催。
当社の住まいづくりに必要不可欠な生産技術開発職の魅力を、学生のみなさまにも知っていただくため、2025年8月に当社湖東工場「ミライ棟」で2日間にわたってインターンシップを開催しました。
「今回実施した『体験型インターンシップ』は、学生に当社の生産技術開発職の仕事を深く理解してもらうことを目指しました。初めに、湖東製造部 技術課の崎田の解説による工場見学を実施し、製造ラインについて詳しく説明。その後、製造ラインの要素を凝縮したデモ機を組み立て、課題発見から改善を進めることで生産性向上に取り組むワークショップに挑戦していただきました」(家づくり事業部人事担当 統括主幹 杉原正晃)
「1日目終了後も、翌日のデモ機の改善案について話し合うほど、学生たちは熱心に取り組んでくれました。最後のプレゼンテーションもこちらの期待を超えた仕上がりで、単なる生産効率向上だけでなく、私たちが普段の業務で大切にしている安全面の配慮も考えられていました。彼らが、生産技術開発職の仕事の本質を理解してくれたことを感じてうれしく思うと同時に、自身のキャリア形成と当社がマッチするかを見極める良い機会になっていればと思います」(湖東製造部 技術課 リーダー 濱松憲司)
人事担当の杉原は、技術課の濱松と共に今回のインターンシップを主導し、カリキュラム検討から参加しています。この活動に人事が積極的に取り組む背景には、2022年6月に見直された国によるインターンシップの定義が関連していました。
これまで定められていた文部科学省、厚生労働省、経済産業省の三省合意による『インターンシップの推進に当たっての基本的な考え方』では、インターンシップを通じて得た学生の情報を自社の採用広報活動へ利用することが禁止されていました。ですが2022年にこの内容が見直され、2025年度卒以降の学生を対象に『インターンシップ』が新たに定義されました。一定の基準を満たす内容のインターンシップを実施することで、採用活動開始後に学生情報を活用できるようになったのです。
「今回のインターンシップで関係性を深めた学生の皆さんとは、今後もコミュニケーションをとっていきたいと思い、本社の人事戦略部と共に継続した提供コンテンツを検討しています。また、参加してくれる学生のキャリア形成に貢献するという社会貢献と、当社事業の継続・発展のための優秀な人材獲得を目指して、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えています」(杉原)
制度変更により、これまで以上に学生との関わりが密接になるインターンシップ。学生のキャリア形成支援活動という側面からも、今後も様々な手法で当社の仕事の魅力を伝えていく機会を模索しています。
Column生産技術部門インターンシップレポート
2025年8月5日、6日に開催した湖東工場「ミライ棟」での生産技術インターンシップの当日の様子をご紹介します。
1日目は、最初に工場見学を行った後「デモ機の組み立て」に挑戦。学生たちは、ベルトコンベアなどの部品をゼロから組み立て、センサーの配線まで行い、デモ機が正しく動くかを確認しました。デモ機が搬送するブロックが引っかかったり、センサーの調整に苦戦したりと、多くの課題に直面しましたが、互いに相談しながら熱心に取り組みました。
2日目は現状のデモ機を改善し、生産性向上に取り組むというワークショップを実施。「2分間でどれだけ多くのブロックを重ねられるか」という課題に対し、学生たちは機械の速度アップなどの解決策を考え、様々な工夫を凝らしました。さらに、倍の生産量を達成するためのアイデアを考えてもらう課題も追加され、技術者として必要な創造力と発想力を養ってもらう取り組みを展開しました。
ワークショップ後のプレゼンテーションでは、学生の報告や提案に対して当社社員がフィードバックを行います。学生たちの発表は、ただ生産効率を追求するだけでなく、トラブルを未然に防ぎ安定した高品質を実現するという、生産技術開発職として重要なポイントにも目を向けていたことが感じられ、社員からも高い評価が聞こえてきました。
最後に、家づくり事業部人事担当の杉原からのコメントでは、「デモ機のワークを通じて、技術と経営の両立が重要であることを実感してもらえたと思います。製造現場をどう動かせば、社会に貢献できるものづくりを持続できるのか、それを考えるのが私たちの仕事です」とハウスメーカーの社会的意義にも触れ、インターンシップを締めくくりました。
インターンシップ参加者の声
住宅業界において生産技術開発職が何をしているのか、まったくイメージができず不安だらけでしたが、インターンシップを通じてよく理解できました。デモ機の生産性をアップするというワークにおいては、安全性に対して十分な解決策を見出せなかったという心残りがあります。この悔しさは、今後の技術者人生においても心に留めておきたいです。
今回ご紹介した生産技術部門の仕事や、そこで働く技術者採用のためのインターンシップは、SDGsのゴールとも深く関わっています。やりがいを創出し技術や能力を身に着けた人材を育てること、その人材を活かして技術を向上・イノベーションを生み出し生産性を高めることは、「ゴール4:質の高い教育をみんなに」「ゴール8:働きがいも経済成長も」に紐づく活動です。
また、「ゴール9:産業と技術革新の基盤をつくろう」では、持続可能な経済成長のために「製造設計・プロセスの改善による環境配慮・資源利用効率向上」や、「技術革新への投資、開発者の雇用や従業員への継続的な研修」などがアクション例として挙げられており、持続可能な未来のための基盤づくりに欠かせない取り組みです。
パナソニック ホームズでは、今後もお客さまと社会に安心の暮らしを供給し続けるために、将来を見据えた人材育成と技術発展に注力してまいります。










生産技術開発職は、生産性と安全の両立など、様々なことを考える職業だと感じました。この仕事に対する意識が、参加前と参加後で大きく変わりました。社員の皆さんにも快く受け入れてもらい安心できました。