住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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第6回ホームインスペクションで分かった不具合事例
~中古マンション給排水管からの水漏れ
株式会社さくら事務所
さくら事務所に寄せられる声でよく聞かれるのが、リフォーム・リノベーションする場合に見えない部分もチェックしておけばよかったというもの。
内装など表面からは状態がなかなかわからないポイントの一つとしてあげられるのが「配管」です。
見えない部分のためチェックが行き届かず、床の張替えなどリフォームをしたあとに赤水がでてきたり、水漏れに気づいて貼り直したといったケースもあります。
マンションの築年数によっては、現在の新築住宅の給排水管で主流となっている樹脂管でなく、金属管の場合もあります。もちろん金属管でも適切なメンテナンスを行っていれば、しばらく住まう分には問題ありませんが、床や設備のリフォームのすぐあとに配管の寿命がきて取り替えるとなるとリフォームが無駄になってしまうといったことにもなりかねません。
また、水漏れしていないかどうかも必ずチェックしたいものです。
そこで今回はホームインスペクション(住宅診断)事例をもとにチェックポイントをご紹介します!
キッチンの床下にカメラを差し込んで内部を確認しました。給水、給湯管共金属管が使用されていますが、管の継ぎ手ネジ部分やコンクリート床に錆跡が見えていますので、将来的には耐久性に優れた樹脂管への更新が望ましいでしょう。
リフォームをご検討の場合は、配管交換も視野にいれると良いでしょう。
洗面室の床下にカメラを差し込んで内部を確認しました。床下の給水管は管廻りの錆び腐食も激しく管の交換が必要と思われます。
配管交換時には床を一部解体しなければできませんので、浴室などの水場周りリフォームと合せて配管類を耐久性に優れメンテナンスの少ない樹脂管に新規交換されることをおすすめします。
化粧台収納内の点検口を持ち上げて内部を確認しました。見える範囲では漏水の形跡はみられませんでした。なお、給水給湯管には耐久性に優れた樹脂管が使用されていました。
化粧台収納内の点検口を持ち上げて内部を確認しました。内部には給水給湯管を分配するサヤ菅ヘッダーが組まれていました。
ヘッダーの利点としては、
①配管の接続数の減少による漏水等のトラブルの低減
②複数同時使用による流量変化が少ない
などがあげられます。
給水・給湯管には樹脂製の管が使用されておりますので、現状のままで長期に渡って使用可能でしょう。
洗面化粧台に水を流すと、排水接続部分から水滴が染み出していました。パッキンもしくは接続部材の劣化と思われます。被害が大きくなる前に修繕されることをおすすめします。
漏水はありませんでしたが、給水配管まわりにシミが見受けられました。結露によるものと思われますが、漏水ではないか、定期的に確認をすることをおすすめします。
中古マンションをチェックする際は、お部屋の表面部分の不具合や経年劣化だけでなく、床下や天井にある点検口から隠れている部分をチェックしてみることをおすすめします。
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立しました。
第三者性を堅持した住生活エージェント企業といった立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)や、不動産購入に関するさまざまなアドバイスを行なう「不動産の達人サービス」を提供、約30000組超の実績を持っています。
※プロフィールは、取材当時のものです。