住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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第8回ホームインスペクションで分かった不具合事例
これからのマイホーム選び「エリア」と「建物」の見極めが重要に
株式会社さくら事務所
長期的な大幅人口減少トレンドの中で増加し続ける空き家。インフラやゴミ収集など行政効率化の観点から現在約200の自治体が、人口密度を保つ地域とそうでない地域を選別する「立地適正化計画」に取り組んでいます。すでに大阪府箕面市が公表していますが、今年はより多くの自治体で具体的な指針が次々と公表されるでしょう。
将来の人口減少に備え、各自治体の中で「活かす立地」と「捨てる立地」を選択することになりそうです。
2014年8月に、「都市再生特別措置法の改正」が行われました。この「改正特措法」では、各基礎自治体が「活かす立地」を具体的に指定できるのです。
例えば、医療・福祉施設や商業施設などを集約する「都市機能誘導区域」。これから加速度的に人口減少が始まる中において、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう居住を誘導する「居住誘導区域」など。これら地域には容積率の緩和や税制優遇、補助金制度などで郊外からの移転を促進することに。
エリア格差が生まれれば地価に大きな影響が出るのは必至であるため、具体的な計画案の公表に二の足を踏んでいる自治体も少なくないようです。そしてさらに、建築確認を許可制にするといったような「都市改革・都市計画制度等改革基本法案」の提出も検討されています。
これまでは、要件さえ満たせば必ず建築確認を降ろさなければならなりませんでしたが、コンパクト化を進め、機能的な街づくりをめざすため、都市計画、まちづくりに関する様々なことについて、住民参加のマスタープランによって、各基礎自治体が決定できるという仕組みです。
今後はこういった取り組みによってエリア格差がより鮮明になってくることが予測されます。自分の住んでいるエリアはもちろん、購入検討をしているエリアの情報はこまめにチェックしておきましょう。
日本の住宅の寿命が短い原因の一つには結露があります。断熱材や高断熱性サッシを使用した省エネ住宅は、この結露の問題をかなり軽減できるので家の長寿命化につながるでしょう。また高齢の方で事故の多い冬場のヒートショックも予防できるため健康面でも有用です。あまり断熱性能の高くない中古住宅の場合は、リフォームを検討してみてもよいでしょう。
さらに、間取りを変えられる構造になっていることもポイント。家を買うのは、家族の構成人数が多いときになりがちですが、子供が独立するまでの期間は案外短く、これからの日本は1~2人世帯が主流になると予想されています。
そこで、家族の将来についてしっかりと考えると、夫婦二人や一人暮らしになった時、売却や賃貸する時も、3LDK、4LDKの間取りは使いにくく、高齢でバリアフリー化も必要になるかもしれませんし、二世帯同居という選択もあるでしょう。
そうした世帯人数の変化や住まい方に柔軟にフィットするよう、間取りが変えられると、用途に合わせリフォームできます。様々な需要に対応できる住宅こそ長く使うことができるでしょう。
現在、国は欧米のように活発に中古住宅が取引される市場を形成するため、宅地の地盤や成約価格など中古住宅の流通に必要な情報のデータベース化の計画を進めるなど中古住宅の情報整備を進めています。
中古住宅市場が整備され、価値の下がりにくい住宅を売買し、リフォームして使う流れができれば、家は流動化できる資産になるでしょう。自宅を担保に借金をして、年金の形で受け取り、死後に家を売って清算するリバースモーゲージも容易になるでしょう。リバースモーゲージが普及すれば、家が資産と同じ働きをすることになり、老後の生活にとって大きな安心材料になります。
今後の住宅購入は各自治体によって肝になる「エリア」と長持ちする「建物」の見極めが欠かせません。
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立しました。
第三者性を堅持した住生活エージェント企業といった立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)や、不動産購入に関するさまざまなアドバイスを行なう「不動産の達人サービス」を提供、約30000組超の実績を持っています。
※プロフィールは、取材当時のものです。