住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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第17回「リノベ済み物件」は要注意!? 必ず押さえておきたい4つのポイント
株式会社さくら事務所
今、注目を浴びている「リノベ済み物件」。新築よりも比較的安価で、同じ予算でも選択肢がぐっと広がることも人気の理由でしょう。「こんな家に住んでみたい!」と思わせるような、個性的でおしゃれな内装のものも多く、若い世代を中心に人気があるのも頷けます。
一見、表面上はオシャレに、スタイリッシュに作られていても、住宅の性能は既存のまま・・・という物件も少なくありません。
「リノベ済み」と言っても、要は『中古物件』です。
見た目だけに惑わされず、建物としての性能をきちんと確認しておく必要があります。
そこで今回は、購入前に確認しておきたい「リノベ済み物件」で見落としがちなポイントとその解決策を、ホームインスペクター(住宅診断士)とともにチェックしていきましょう。
24時間の換気システムは、シックハウス対策として建築基準法の改正(2003年に施行)により、義務付けられたものです。当然、築年数によっては備え付けられていない物件もあります。
換気システムのない物件のデメリットというと、
ご自身で換気する際に、給気と排気の「空気の通り道」を確保、2時間に1度、5~10分程度、意識して行なうことが重要です。
住んでみないとなかなかわからないのが、建物の断熱性です。特に開口部が断熱性の低いシングルガラスやサッシの場合、結露でカビが発生してしまいます。石油ストーブやガスストーブなどの暖房器具は水蒸気も発生させるため、更に結露が発生しやすくなるため注意が必要です。
エアコンやオイルヒーターなどの輻射式の暖房機器、床暖房、ホットカーペットを用いることをお勧めします。
近年は躯体のコンクリートから離して床を組む「二重床」が主流ですが、中古マンションの中にはコンクリートの躯体に直接床を貼った「直床」工法による建物があります。
二重床は下階への音を和らげてくれますが、直床はそうはいきません。二重床の建物よりも物音を注意しながら暮らす必要があります。
とりわけ、物の落下音や子どもの走る音のような「重い音」は響きやすいので要注意。
対策としては、厚めのスリッパを履く、クッション材を床に敷き詰めるといった対策を講じると良いでしょう。
また、日頃のご近所づきあいも大切です。階下の住人と仲良くなると、こちらの家庭への理解を得られたり、相手がどれくらい騒音を気にしているかを知るきっかけになります。
現在はシステムバスやユニットバスが主流ですが、中古物件の場合、在来工法のお風呂もまだまだあります。タイルや石などを使った、おしゃれなものや趣のあるデザインに魅力もありますが、ユニットバスに比べ、浴室全体が冷えやすく浴槽の湯も早く冷めてしまいます。
ふたをせずにお湯を張る、あらかじめシャワーで壁面にお湯をかけておくなど、冷えない工夫を講じてください。
もちろん、全ての「リノベ済み物件」がこれまでご紹介してきたような仕様ということではありませんが、目に見えない性能の部分はどうしても見落としがちです。
せっかくの気に入った物件であれば、住宅性能まできちんと理解した上で、日々の暮らしの中で快適に暮らせる工夫をしていただきたいと思います。
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立しました。
第三者性を堅持した住生活エージェント企業といった立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)や、不動産購入に関するさまざまなアドバイスを行なう「不動産の達人サービス」を提供、約30000組超の実績を持っています。
※プロフィールは、取材当時のものです。