住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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第11回地震対策。地盤と建物をチェック
株式会社さくら事務所
2016年4月に大規模な地震が発生した熊本市では、古い木造住宅が倒壊するなど多くの住宅が被害を受けています。
倒壊した多くの建物は、1981年6月1日に施行された建築基準法改正にのっとった新耐震基準の建物(正確には1981年6月1日以降に建築確認申請を行った建物)ではなく、旧耐震基準の建物だったと思われます。
また、建物の耐震性が重要なのは当然ですが、実は、建物自体だけでなく、建物が建っている「地盤」が地震による建物の破損や倒壊に大きく影響します。
一般的に、建物が倒壊する可能性が高いか低いかについては、以下のような関係があるといわれています。
「地盤が良い」+「耐震性が高い」→ 倒壊リスク低
「地盤が悪い」+「耐震性が低い」→ 倒壊リスク高
地盤が軟らかいと地震の揺れが増幅するため、建物倒壊リスクが高まります。例えば、まな板の上に豆腐を載せ、その上に建物が載っていると想像してみてください。まな板を揺らすと、豆腐はさらに大きく揺れます。そのため、地盤が硬い方がリスクは減少するのです。
「建物がどの程度の地震に耐えられるのか?」ということを考えると同時に、「ここはどの程度の地震がくる可能性があるのか?」ということも併せて考えてみましょう。
地震の揺れの大きさは次の3つによって決まります。
国立研究開発法人 防災科学技術研究所が2014年に出している『全国地震動予測地図』に、今後30年間に震度6強の地震が起きる確率が記されています。
例として、東京近郊を拡大したものがこちらです。
次に挙げるのが、内閣府が出した『表層地盤のゆれやすさ全国マップ』の東京都の部分です。
東京西部の青い部分に対して、東部の橙色の部分は震度が0.8程度、ところどころに見られる赤い部分は1~1.5程度震度が大きく観測される可能性があるということです。
自分の家があるエリアがどの程度の地震に見舞われる可能性があるのか、市や区など自治体でも公開してるところがあります。
例えば、こちらは「渋谷区地震防災マップ」です。
どれくらいの地震が起きるのかは誰にも正確なところはわからないのですが、どれくらいの地震に備えておくべきなのか、まずはそれを調べるところから始めたいですね。
もし、地盤が軟らかい場所に旧耐震基準の建物が建っているのであれば、地震によって建物が大きく破損・倒壊するリスクが比較的高いと考えられます。そのような場合は、無料の耐震診断や耐震工事補助金を用意している自治体もありますので、相談してみるとよいでしょう。
大きな地震が起こると、思わぬところで住まいがダメージを受けている可能性があります。
被害を最小限に留めるためにも、一度自宅をチェックしてみましょう。
一戸建ての場合はセルフチェックで気になる箇所があった場合はホームインスペクターや建築士など建物の専門家に調査を依頼し、補修や補強などについて相談してみましょう。
マンションの場合は、不具合の兆候を見つけた場合はまずは管理組合に報告をするようにしましょう。
いずれも不具合や気になる箇所の写真を撮っておくと説明もスムーズになり、変化にも気づきやすいためおすすめです。
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立しました。
第三者性を堅持した住生活エージェント企業といった立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)や、不動産購入に関するさまざまなアドバイスを行なう「不動産の達人サービス」を提供、約30000組超の実績を持っています。
※プロフィールは、取材当時のものです。