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リアリエ住まいセミナー

第2回【中古を買ってリフォームしよう】

第1章『リフォーム番組に取り上げられるまでの活動』

イン・ハウス建築計画:中西 ヒロツグ 氏

(第2回目となる本シリーズは、第12章までの連載です。)

第1章『リフォーム番組に取り上げられるまでの活動』

これから、中古住宅を購入して中古リフォームをお考えの方に、具体的にデザインや設計の視点から、理想の住まいをどうやって実現していくのかについて、実際の事例写真を紹介しながら、お話ししたいと思います。

今から16年ほど前、まだ、私が独立して間もない頃に、都心の住宅密集地にお住まいのお客様から、ご自宅(一戸建て)の建替えについての相談がありました。しかし、そのお宅は路地の奥にあり、道路に接している接道部分が約1メートルしかないため(建築基準法の規定では2メートル以上が必要とされる)、法的に建築確認(※建築計画が建築基準法令や規定に適合しているかどうかを着工前に行政が審査すること)が認められない敷地でした。役所にも掛け合って建替えの可能性を模索しましたが、残念ながらお客様単独での建替えは認められませんでした。

とは言え既存の建物は、度重なる増改築に加えて雨漏りも発生しており、そのまま住み続けるには、とても不安がある建物でした。建主のご夫婦は、ご両親から受け継いだ家なので手放したくないと言い、その場所に住み続けたいというご希望でした。そこで、建替えではなく、間取り変更も含めて内外装をやり替えるというスケルトン・リフォームを行う事にしたのです。私も、初めての経験でしたので、費用コストやスペースの納まりで苦労しましたが、工務店や大工さんの協力を得て、何とか無事に完成させる事が出来ました。

その家が完成すると、いくつかの雑誌やテレビでも紹介され、また『住まいのリフォームコンクール』で優秀賞を受賞したのをきっかけに、皆さんもよくご存知のテレビ番組からお声が掛かる様になったのです。

そのテレビ番組では、今までに通算8回出演させて頂きました。(【図1】参照)その番組を拝見していますと、中には凝った仕掛けや変わったデザインの物件も見受けられますが、私が担当した物件では、全く普段通りの設計を行なっています。設計者仲間からもよく「普通だね」と言われますが、僕は普通で全然構わないと思っています。

やはり、住まいは長く使われるものですから、テレビ番組だからといって、奇をてらった機械仕掛けの仕組みに頼るのは、すぐ飽きられてしまうのが目に見えています。

住まわれている方が、ご自身で色々と工夫できる住まいを作りたいと思い、ごく単純な仕掛けばかりを手掛けています。ごくごく当たり前の家なのですが、お客さんからも、とても喜ばれています。そんな事から、度々お客様からお声が掛かるのだろうと、自分なりに分析しております。(続く)

リフォーム番組出演歴

  • 2004年1月/継ぎ足された団地
  • 2005年8月/風呂が丸見えの家
  • 2008月9月/子供が100人いる家
  • 2009年5月/玄関扉が2つ並ぶ家
  • 2009年5月/風呂が丸見えの家
  • 2010年2月/雨の日は焼き魚が食べられない家
  • 2010年11月/継ぎ足された団地
  • 2012年1月/兄が帰れない家

【図1】

中西ヒロツグ(なかにし ひろつぐ)氏

匠の紹介:中西ヒロツグ(なかにし ひろつぐ)さん

イン・ハウス建築計画 代表 一級建築士

中西ヒロツグ(なかにし ひろつぐ)さんのオフィス「イン・ハウス建築計画」はこちら

※プロフィールは、取材当時のものです。

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