住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
オーナーさま専用サイト
運営:パナソニック ホームズ不動産
第1回【新築?中古?】【賃貸?購入?】【戸建?マンション?】
~無理のない、自分らしい住まい探しのコツ~ 第3-3章
プリンシプル住まい総研 所長:上野 典行 氏
(第1回目となる本シリーズは、第1章~第7章までの連載です。)
さて、物件の資産価値というのは、「築年」×「立地」×「物件力」のトータルで決まります。(【図1】参照)
物件の資産t価値とは
「築年」×「立地」×「物件力」
年月が経てば、段々、物件は衰えて行きます。築30年と新築を比較すると、新築の方が価値は高いです。便利な所にある立地、駅近の物件の方が値段は高いです。東京23区内の物件の方が、東京23区外より値段は高いです。そして物件は、静かで頑丈な物件と、弱い建築の物件では、頑丈な物件の方が値段は高いです。
ただし、築年は変えられません。私も、若い頃がありましたが、年齢は変えられません。私の学歴も運動神経も変えられません。でも、私という個人は、来年、もっと良いNEW上野になれるかも知れません。つまり、物件というのは、磨いていく事が出来るのです。
実は、この概念が、今の日本では弱いのです。
日本には、住宅を中古リフォームするとか、物件をより良くしようとする概念が無くて、新築で建てた後はそのまま放っておき、ボロボロになったら建て替えるというところがあります。それは、日本では、地震が多い、木造の住宅が多い、という事情もあります。しかし本来であれば、植物に水をあげるとスクスク育つ様に、物件を育てていく概念が必要です。(【図2】参照)
物件を育てる
分譲マンションの場合、大規模修繕計画を立てて、12年目に1回目の修繕をし、もう12年経ったら2回目の修繕をする事が、国の基準で決まっています。(【図3】参照)
大規模修繕により
物件価値を「維持」し「向上」させる
でも、賃貸物件は、劣化してもガタが来ても、修繕されずそのまま放置です。
改修したり、補修したりする時に、もうちょっと良くしようと考えて、ちょっと手を加えて行くと、物件の価値が、どんどん上がって行きます。「プラスαで変えて行こう!」という考え方が大切です。
そして、先ほどの物件力には、住み心地という価値もあります。(【図4】参照)
物件価値だけが
建物の価値ではありません。
物件の価値は、耐久性や安全性だけではなく、「ここは、喧嘩が少ない」「ここは、住人同士のコミュニケーションが取れている」といった事も含むのです。
私は先日、中板橋セントラルマンション(東京都板橋区)という所へ行って来ました。そこは、毎年8月に「いたばし花火大会」があり、花火大会の日は、エレベーターとオートロックを開放して、「近隣の方も一緒に、屋上で花火を見ましょう!」と、管理組合で決めています。マンション内の住人だけでなく、近所の人とも仲良くなれるのです。これが、住みやすいマンションの一例です。
住みやすい、住みにくいというのは、その物件の総合的な価値なのです。住まい探しをする上では、この様な物件の総合的な価値を見ていく様にすると良いでしょう。
※ 本コラムは、2015年8月5日に横浜で開催されました【リアリエ住替えセミナー】での講演内容を元に、構成しました。
リクルートに入社後、採用の編集企画室、続いて新領域推進室にて新規事業に携わった後に住宅領域に異動。「住宅情報タウンズ編集長」「住宅情報マンションズ編集長」「SUUMO編集長」を経て独立。「プリンシプル住まい総研」設立。日本賃貸住宅管理協会 研修副委員長、全国賃貸住宅新聞等、連載中。
※プロフィールは、取材当時のものです。