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第2回【中古を買ってリフォームしよう】

第9章『リフォーム事例(継ぎ足された団地①)』

イン・ハウス建築計画:中西 ヒロツグ 氏

(第2回目となる本シリーズは、第12章までの連載です。)

第9章『リフォーム事例(継ぎ足された団地①)』

つぎに、マンションリフォームの基礎知識と注意点について、お話したいと思います。

マンションの場合、戸建てと違い、建物の中に、共有部分と占有部分があります。住民全員が共同で所有している部分と、個人で所有している部分があるのです。それをきちんと認識していないと、思い通りのリフォームが出来ない事もありますので、注意が必要です。

柱や梁、外壁などは建物全体の構造ですから、自分のところだけ勝手に改修が出来ません。窓ガラスやサッシも、基本的には、勝手に取り替えることが出来ません。これは、法規や性能に影響することなので、我が家だけ高性能なサッシに取りかえることは出来ません。 同じく、玄関扉の交換も基本的にはダメです。

公団の団地のような古いマンションでは、スチール製の薄い扉がよく使われていますが、冬場に室内でストーブを使うと、すごく結露します。非常に悩ましい問題なのですが、残念ながら、単独で扉の交換は出来ません。そこで内側に断熱材を貼り付けて、結露を緩和するなどの対策をよく行います。

また室内には、パイプスペースという給排水管が通る場所がいくつかありますが、その位置を替えることはできません。そこで問題となるのが、間取りとの関係です。パイプスペースには、トイレやキッチンの排水を接続しないといけないので、排水勾配が確保出来なければ、その移動は難しくなります。

床が二重床になっていれば、ある程度動かせるのですが、大きく動かそうとすると、当然、それだけ床をカサ上げしないといけないので、床の段差や天井高に影響してきます。

トイレや浴室などの水回りだけ段差があるようなマンションでは、横引きの配管が出来ないこともあるので、バリアフリー化は、既存構造や設備ルートをきちんと確認しないと、可能かどうかの判断が難しいのです。

そんな時、これは奥の手ですが、まとめて段差を付ける事があります。細かい段差をいくつも付けると逆に危険なので、洗面所やキッチンを集約し、まとめて一段上げてしまうのです。そうすれば、スキップフロアの様な雰囲気になって、使い勝手も良くなります。

この様に、間取りやデザインで解決出来る事もありますので、決して、建物の造りが古いから何も出来ないという訳ではありません。ぜひ、あきらめずじっくり検討して欲しいと思います。

また、バルコニーにウッドデッキやグリーンを敷き詰める方もいらっしゃいます。気を付けないといけないのは、バルコニーが避難経路となっている場合です。避難ハッチが付いていれば、そこを塞ぐことが出来ません。避難経路は共有部分のため、そこに何か固定する事は出来ないので、簡単に取り外しが出来ることが求められます。

では、間取りの変更は自由にできるのか?というと、そこにも制約がいくつかあります。

鉄筋コンクリート造マンションの構造には、柱と梁で構成されたラーメン構造と、壁で建物を支える壁式構造というものがあります。一般的には中高層マンションの場合がラーメン構造で、4~5階建以下の低層マンションでは、壁式構造がよく採用されています。

ラーメン構造の場合は、構造部分は柱と梁と住戸の区画壁だけで、あとは撤去可能な間仕切壁となっています。一方、壁式構造の場合は、壁自体が構造となっているので主要な壁は、壊す事が出来ません。そうなると、大胆な間取り変更が難しいため、不自由に感じられるかも知れません。

マンションを選ばれる時には、構造がラーメン構造なのか、壁式構造なのかを確かめて、間取りがどこまで変えられるのかを、把握しておいた方が良いと思います。

中西ヒロツグ(なかにし ひろつぐ)氏

匠の紹介:中西ヒロツグ(なかにし ひろつぐ)さん

イン・ハウス建築計画 代表 一級建築士

中西ヒロツグ(なかにし ひろつぐ)さんのオフィス「イン・ハウス建築計画」はこちら

※プロフィールは、取材当時のものです。

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