住まいづくり・住まい探しの情報ガイド
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第2回【中古を買ってリフォームしよう】
第8章『リフォーム事例(お風呂が丸見えの家②)』
イン・ハウス建築計画:中西 ヒロツグ 氏
(第2回目となる本シリーズは、第12章までの連載です。)
このお宅をリフォームしたプランがこれです。
住宅密集地でよくやる手法ですが、1階はほとんど陽が入らないので、日中過ごすリビングルームを2階に移し、夜に寝る寝室と水廻りを1階に配置しました。1階に比べて、2階はよく陽が当たりますので、階段を挟んで北側にDK、南側にリビングを配置した、ほぼワンルームのプランとしました。
1階は玄関から、靴のまま裏庭まで通り抜けられる「通り土間」を設け、南側の坪庭を有効利用して、サーフボードを洗えるスペースを作ろうと考えました。北側には家族の寝室、南側にはお風呂と洗面所を配置しています。以前は外にあったお風呂を部屋の中に取り込んだので、さらに面積は小さくなっています。そこで、狭く見えない工夫を随所に施しました。
これが改修前の様子です。前が路地で1.8mぐらいしかありません。東西は、隣家とぴったりくっついていますが、北側の部屋の窓だけは朝日が入るので、有効に活用しました
外観はすっかり新しくなっているので新築に見えるかも知れませんが、規模は全く変わっていません。唯一変わったのは、屋根の形を片流れに変更し、高窓を設けて上からの光を取り入れたことです。
玄関を開けると、土間があります。たたきがあって、裏庭までつながっています。長い通路を有効利用しようと、壁面をスノコ状にして、上部にサーフボードを飾りながら収納できる様にしました。サーフボードは大きくて場所を取りますが、とても軽いので、頭がぶつからない高い所に、特製のハンガーで掛けています。
道に面した北側には、ご家族の寝室を配置して、中央の階段で2階に上がります。階段の下には引き出し収納を設け、玄関の上り口の段差も収納に利用して、家族全員の靴を収納出来る様にしました。
以前は外にあったお風呂を、今回室内に取り込んだのですが、南側の坪庭に面して配置し、海から戻っても外から直接入れるよう、フルオープンのサッシを取り付けたので、ちょっとした露天風呂気分も味わえます。
洗面所も、なるべく開放感を持たせようと、浴室との仕切りをガラスの引き戸とし、視覚的に広がりを感じる様な仕掛けを施しました。
2階の天井をはがしてみると、築50年の建物なので、梁には立派な丸太が使われていました。これも、今ではなかなか手に入らない材料なので、ぜひデザインに活かしたいと考え、そのままペンキを塗って仕上げました。
屋根形状は片流れに変えて、お隣の屋根越しに光を入れる様にしました。
中央には階段がありますが、壁で囲わずに手摺だけで仕切っています。耐震的に2階は1階に比べて壁を少なくできるので、外周部で耐力壁を確保して、ほぼワンルームの空間にしました。坪庭の上にもスノコ状のバルコニーを作り、外に出られる様にしました。天井の低い方に収納やトイレを集約し、建物全体を端から端まで見通せる様にすることで、風通しの良い、明るく開放的な空間になりました。
南側は、将来的には、ご夫婦の寝室にする事を考えています。寝室は1部屋しかないので、 お子さんが小さいうちは家族一緒に寝て、ある程度大きくなったら1階を子供部屋にして、ご夫婦の寝室は2階にできる様にしました。壁の中に引き戸が格納されていて、閉じると南側に、もう1部屋が出来る仕掛けです。
梁の上部はオープンなので音は聞こえますが、プライバシーはあまり気にされない方だったので、開放的にして部屋を広くしました。必要であれば、ガラスで仕切ることも可能です。
南側の坪庭は隣家に面していたので、バルコニーの手摺りを兼ねた格子状の目隠し塀を付けて、プライバシーと防犯性を確保しました。この格子を利用して、物干しハンガーや作業台などが取付けられるようになっています。(続く)
イン・ハウス建築計画 代表 一級建築士
中西ヒロツグ(なかにし ひろつぐ)さんのオフィス「イン・ハウス建築計画」はこちら
※プロフィールは、取材当時のものです。